うまや怪談 (神田紅梅亭寄席物帳) (ミステリー・リーグ)

著者 :
  • 原書房
3.70
  • (8)
  • (28)
  • (27)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 131
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562045266

作品紹介・あらすじ

高座で「罠」を打ち返し、怪談噺で謎を解き、ついには「あの人」を引っ張り出して…動き出す木彫りのねずみ、落語競演会で仕掛けられた「陰謀」学校での「妙ちきりんな事件」と義兄の結婚問題、そして師匠と十五センチの謎と駐車場で見たもの、これがあんなでそんなことに…。大好評「本格落語」シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • もはやミステリの縛りはなくても
    ここまで楽しく、この世界に入り込める作品
    に仕上げてしまった感があります。
    それはむしろ歓迎すべき事かも!
    落語ミステリというよりは、完全に落語を
    メインとした人情噺小説ですよね。
    作中の愛川さんの創作噺の面白さが一段と
    面白さを増してます。

    今回は馬春師匠の冴え渡る名推理はナリを
    潜めた分、八ちゃん、そしてその嫁までもが
    探偵っぷりを発揮します。
    そしてその事が思わぬ方向へストーリーを
    運んでくれます。いい噺やなー。

    師匠の昔の芸人っぽいダメなところも今回で
    しっかり暴露されちゃって(笑)。

    さぁ、この分はしっかり次作以降で回収して
    もらわなきゃね! 楽しみです!

  • 落語と日常の謎って、なんて相性のいい。
    落語に見立てて事件を解決ってスタイルも私子のみだし。
    福の助と亮子の夫婦が温かくて好き。
    お席亭も、人情味があっていい。
    困った弟子が出てきちゃってびっくり。
    もっときっちりお灸をすえてほしかった。
    馬春師匠、最後の最後にやってくれたなー。
    あれはだめだわ、あれは。
    このシリーズ、ずっと読んでいて、途中から読んでなかったのかと思って手にとったのだけど読み残しだったのか。
    でも、タイラバヤシって、シリーズでは先の方のタイトルになってるなー。
    他にも読み残しがないか、チェックしなくては。

  • 今回もよかったです。

  • +++
    高座で「罠」を打ち返し、怪談噺で謎を解き、ついには「あの人」を引っ張り出して…動き出す木彫りのねずみ、落語競演会で仕掛けられた「陰謀」学校での「妙ちきりんな事件」と義兄の結婚問題、そして師匠と十五センチの謎と駐車場で見たもの、これがあんなでそんなことに…。大好評「本格落語」シリーズ第三弾。
    +++

    今回はなんと福の助が馬春師匠の知恵を借りずに謎を解き明かしてしまう。しかもそれが後々厄介事を引き起こすことになり、さらに思いがけない吉報をもたらすことにもなるのだから、なにが起こるか目が離せない。福の助の察しの良さはもちろん、妻の亮子も段々と落語に絡めて推し量ることができるようになっているのが、噺家のおかみさんとしても頼もしさを感じる。ただ、個人的には馬春師匠の浮気話はどうしても好きになれない。せっかく格好良かったのにがっかりである。それが謎解きの要素のひとつにもなったのだから仕方がないのかもしれないが……。それ以外は、スカッと小気味よく愉しめる一冊だった。

  • 高座で「罠」を打ち返し、怪談噺で謎を解き、ついには「あの人」を引っ張り出して…動き出す木彫りのねずみ、落語競演会で仕掛けられた「陰謀」学校での「妙ちきりんな事件」と義兄の結婚問題、そして師匠と十五センチの謎と駐車場で見たもの、これがあんなでそんなことに…。
    (アマゾンより引用)

    このシリーズ大好きです(*´∀`*)

    二つ目の落語家の奥さんの周りで起きる珍事件を旦那が高座で謎解き…という一風変わったお話。

    落語にちょこっと興味があって借りたシリーズ一作目が面白くて、4作ほどあるから(図書館にね)順番に借りようと思って、この3作目がずーーーーーっと貸し出し中でようやく借りれた(笑)

    落語のことも分かるし、話も面白い♪

  • 今回は師匠の名推理はあまりなく、主人公や弟子たちの推理が目立った感じ。
    師匠の活躍が面白かったので、そこがちょっと残念。

  • 江戸落語ミステリ第三弾。上方読んだりこっちに戻ってきたり忙しいです。
    今回は・・なんかちょっとこれまでとは趣が異なるような感じ。
    不可思議な事件があって、落語に関する問題があったりで・・・おなじみ馬春師匠が車椅子探偵で謎解明・・という感じでもなくなっている。「ガテン」がないしね。
    そういう「お約束」からはずれた話って好き好きだとは思いますが、自分は嫌いじゃないです。馬春師匠が今回やたらと人間味があるようにも感じましたし。これまでの、ただ泰然自若と謎を解いているだけじゃないというか。

    まあそういう点ではよかったんですが、その分「探偵役の不在」という粗は目立ちました。結局福の助がいろいろと謎を解明する感じにならざるを得ないんですが、ちょっと無理があるかな?と。謎解きがアクロバティックにすぎるというか。
    たとえ叩き台があったとしても大事な高座の直前にしてアドリブがききすぎているんじゃないかしら?と。

  • 落語家の、落語家による、落語好きの為のミステリ第三弾!

    今回の題目は、新作しかも実際に高座に上がった噺も含まれているそうなので、書きません。

    やはり落語は、人の喜怒哀楽、悲喜交々、業をも描き出すもの。面白いだけでは終わらないのですね。
    それは演じる噺家も同じこと。

  • 神田紅梅亭寄席物帳シリーズ第3弾。

    落語の解釈をめぐる話のついでに(?)日常の事件も解決。

    日常の事件よりも、落語の解釈のくだりの方が好きだったりするf^_^;。

    人情話を表題作にした前作の方が展開は好きだったなあ。


    収録作品:ねずみととらとねこ うまや怪談 宮戸川四丁目

  • 紅梅亭シリーズ三作目。話数を重ねるごとに福の助がぽんぽーん!と芸の階段駆け上がってってるのがわかって成長ものとしても気持ちいいです。
    「厩火事」のやつ好きだなぁ。新作にしちゃうのすごい。聞いてみたいです。宮外川のサゲも!
    ラストで嬉しい予告があってわくわく!馬春師匠ったらいけずー

全35件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

愛川晶
一九五七年福島市生まれ。九四年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞。トリッキーな本格ミステリーを基調としながら、サイコサスペンス、ユーモアミステリー、人情ミステリーと幅広く活躍。主な作品に『六月六日生まれの天使』『ヘルたん』『再雇用されたら一カ月で地獄に堕とされました』。落語ミステリーでは、『道具屋殺人事件』『芝浜謎噺』など「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズ、『神楽坂謎ばなし』など「神楽坂倶楽部」シリーズ、『高座のホームズ』など「昭和稲荷町らくご探偵」シリーズがある。『太神楽 寄席とともに歩む日本の芸能の原点』(鏡味仙三郎著)では編者を務めた。

「2023年 『落語刑事サダキチ 泥棒と所帯をもった女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

愛川晶の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×