かいぶつのまち

著者 :
  • 原書房
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562045709

感想・レビュー・書評

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  • 2011年成海璃子主演で映画化された「少女たちの羅針盤」の続編。

     長らく積読になっていたが、福山に遊びに行く予定が出来たため、ゆかりの深い本作をついに読んでやろうと、道中の列車で行きと帰りに分けて読了。

     前作の映画化作品が素晴らしく、その原作である「羅針盤」も内容補完の意味合いで楽しく読めたが「かいぶつ」に関しては正直文体の読みにくさが目立ってしんどい部分があった。あと犯人がかなり早い段階でわかっちゃったので興醒めしたのと、「元羅針盤」メンバーが作中劇するのが良かったと思っているので、単なる学生演劇批評と探偵役になっちゃってたのがとても残念。

     でもバタが要になったことは喜ばしい事なのでそれを書いてくれたことには感謝。

  • 記録

  • [かいぶつのまち]
     水生 大海
    デビュー作[少女たちの羅針盤]の続編。
    元劇団<羅針盤>のメンバー、主人公・瑠美たちの後輩たちが瑠美の書いた脚本「かいぶつのまち」で大会に臨むが、出演者が次々に体調を崩し、刃物まで送られてくる。
    そんな中瑠美たちは後輩のため立ち上がるが、そこには先輩・後輩の「壁」、立場の「壁」、親子の「壁」など様々な壁があった。
    私の読み方のせいなのだが、小説の中に舞台の脚本、演出、舞台装置などを組み込みながらだし、登場人物の多さに展開が冗長になる部分もあるように思えたが、読み終えると気になるものではなかった。
    ラストの舞台でのクライマックスは元演劇部・脚本担当としては実際に見てみたい。
    最後の「またいつか」という言葉に将来の続編を期待しています。

  • 探偵役の三人がいきなりだな、と思ったら続きものなのね。前の作品も読んでみようかな。ちょっと迷うな。瑠美たちの近い人間だった「あの子」も誰かわからなかったし。
    こういうのをイヤミスと呼ぶのかな?青い時代の心の動きがリアルでとても嫌だった。嫌という気持ちが出るくらいには上手いんだろう。でも星たくさんはあげたくない、みたいな。
    「怪物は呟く」は正直いらなかったんでないかしら…
    文章がところどころわかりづらかった。
    あと糸川がやけにあっさりバタと瑠美を受け入れたな、とちょっと疑問だった。

  • 「少女たちの羅針盤」続編。
    大人になった「羅針盤」のメンバーが、母校演劇部の出演する全国演劇コンクールを観にいくが、後輩たちの間に妙な空気を感じる。上演作品「かいぶつのまち」に見立てたかのような事件を解決していく話。

    青春を描いた文学作品のようで、犯人探しの正統派ミステリー。
    前作と比べると物足りない感はあるが、面白かった。
    (図書館)

  • 「少女たちの羅針盤」の続編。
    作家が漫画家でも有るので、キャラクターがしっかりしていて筋立ても巧みなのだが、小説としてはもう一つしっくりこない。おそらく作家の頭にある絵コンテが、文章として表現出来ていない所にギャップが有るのではないか?
    コミック的な描写が想像出来るのだが、読む側はもう少し創造力の有る物語が欲しい!
    本格推理としては謎解きに面白さがある分、論理的な解析がぬるい!
    作家の意気込みと狙いは伝わっているので、小説家としてのキャリアを積むと良い作家に成れる期待感は大きい!

  • 元<羅針盤>の瑠美は、全国高等学校総合文化祭演劇部門を見に来ていた。五年前に卒業した母校の演劇部が出場し、その脚本を瑠美が手掛けていたからだ。かつての友人であるバタや蘭を誘い、演劇部の学生たちに挨拶にいくが、どうも空気が妙だった。そして、出場前日に顧問や生徒たちが次々と体調不良を訴え、本番は代役ばかりでこなすことになる。主役だった少女も、やがて追い詰められ……。

    前作にあたる「少女たちの羅針盤」は読んでいないけれど、映画を見て、雰囲気も謎も少女たちの姿も非常に好みだったので、手に取ったのだけど、うーん。ちょっとキャラクターとして好きになれない人が多すぎてつらかったなあ。あと、頻繁に視点が変わるわりに書分けがあるわけじゃないので、混乱も。

  • 『かいぶつのまち』
    -水生大海-



    羅針盤の元メンバーが母校の演劇部で起こった事件を解決していく。

    演劇部で主役を務める糸川に留美が書いた脚本になぞらえるかのような事件が起こる。
    最後の犯人を追い詰めるシーンは映像化できそうな感じだった。

    実際に殺人事件が起こっていないせいか少し迫力に欠けるというか狭い世界での出来事のような。

    バタが今の姿になってからの名前の意味がようやく分かった。
    要(よう)って要(かなめ)って読めるもんなぁ。

    ところどころに誰なのか分からないように「かいぶつ」の語りが入っている。
    そこも含めて文章自体が稚拙だった気がする。

    このまま羅針盤をシリーズ化していくんだろうか。

  • 前作の結末から数ヶ月後の話。
    探偵役は前作と同様、事件の舞台は後輩の参加する演劇コンクール。
    公演予定の作品「かいぶつのまち」と犯人の心情がリンクしていき、
    演劇コンクールの参加、演劇部の存続が危ぶまれるほどの、
    小さくもとんでもない事件が巻き起こる。
    そして演劇部まるごと容疑者となる。

    物語の中盤には犯人の検討がつくけれど、
    全ての出来事を見通せるほど簡単ではなかった。
    伏線、ミスリードもある。

    謎解きして犯人を断定し、
    前作にもあった犯人の発言を逆手にとるような自白方法も健在。
    しかし犯人のこらしめ方は・・・微妙。すっきりしない。
    やたらそこだけ現実的だと感じた。

    探偵役はまるっきりの外部の人(新キャラクター)でも良かったような?

  • 図書館にて。
    容疑者全員がある意味実は犯人というなかなか楽しめた作品。
    本当の犯人が分かってからのなぞ解きのラストシーンは迫力があって良かった。
    ところどころちょっと違和感を感じるところもあったが、(糸川の母親が高圧的なことに娘が従順に従っているところとか)それもまたよしか。
    それぞれのキャラクターが丁寧に描かれている分、ちょっと散漫になった気もする。探偵役の3人も若干影が薄くなったか。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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