- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562045945
作品紹介・あらすじ
なぜ戦争が文化であるのか、なぜ人類は戦争に魅了されてしまうのか。その本質を理解しなければ「戦争」は語れない。クラウゼヴィッツ批判、名著『補給戦』の著者が新たに問う人類と戦争の本質。
感想・レビュー・書評
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CM3a
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面白かったけど、同著者による「戦争の変遷」を読めば十分。
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平積みを見かけて即買った。割りにはすぐ読めてないのですが……。
取り扱う分野は、上巻だけでも本当に広い。戦争の準備、実際の戦争・戦闘、そして戦争後。
戦争というのが人の歴史の中で、どのような「文化」として扱われてきたのか、古今の膨大な例から、一つ一つ検証を積んでいく。
主に、ヨーロッパ、ギリシア史からの出典が多いが、アメリカ・アフリカの先住民族や、日本の例も取り上げられている。下巻はまだ読んでないが、上巻には中東や東アジア(日本除く)の例はない。
多分この本を「良書」と言えば、日本では、頭オカシイ人に言われるかも知れないけれど、俗っぽい表現をするのであれば「戦争と平和」について何か言うのであれば、最低でもこの本は読んでおいた方がいいと思う。
戦争文化、という意味では、確かに過去から比べれば大いに変化がある。
端的に言えば、過去の神話や英雄の時代から、現在の一兵士の時代へと変わった。これは、いろいろな要因があると思うけれど、一つだけ大きな要因を取り上げるならマスメディアの発達によると思う。
しかし、日本人の多くが錯覚しているようだけれど、「戦争文化」は現実の現代世界の中にはまだ残っている。たまたま日本は一般人がそれに触れる機会がないだけ、で。
そしておそらく、日本は著者の指摘する「戦争文化をなくした」国になりつつあると思う。それは現実に「戦争をするかしないか」という問題ではないのだけれど、日本では「戦争文化=戦争(あるいは軍国主義)」というばかばかしい結びつきが為されているせいだと思うが。
(まあ、これは下巻に記されている内容らしい。正直読むのが少し怖い)
そして、この本を読むべき理由は、著者が日本語版の出版に寄せた冒頭のメッセージの中にある。
この本は、戦争を礼賛する本では間違ってもない。それも、日本語版の出版に寄せた冒頭のメッセージでわかると思う。
「一九四五年以降、日本の指導者や国民が成功してきたように、将来もそうした流血を回避する方策を理解するように私は切に望む。」
(p10) -
戦争を人間の為す文化的行為であると主張し、様々な例証をもとに論じている。