泣くほどの恋じゃない

著者 :
  • 原書房
2.87
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本棚登録 : 240
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562047796

作品紹介・あらすじ

京都の小さな塾で講師を務める凪子(なぎこ)。ふとしたきっかけから教え子の父親、黒木と付き合いはじめるが、いつからか会えない夜の耐え難い苦しみが凪子を襲う。そんな絶望の時間を埋めるため、凪子は筆を執った。他愛のない手紙を何通も、何通も-一文字一文字が、一秒一秒の寂しさを埋めてくれた。だが、小説家になるという果てしない夢を抱いた、まさにそのとき残酷な運命が凪子を絡めとることに。

感想・レビュー・書評

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  • バツイチで塾講のわたしは大学を目指せる私立高校に行かせたい親に頼み込まれて、中3男子の個人指導をした。その電話の声を聞いたときから、恋に落ちる予感を感じながら…。
    救いのない不倫をしながらも激しい恋愛感情に飲み込まれていく主人公の有島凪子。燃え上がりが早く、割りと安定した不倫生活を送るなか、小説の着地点は?と気になりながら一気読みしました。この恋愛は、終わりの救いのなさがきつい。終われずに終わった恋は、上書きしないと引きずるよね。
    恋愛小説、不倫でも可という人にオススメ。
    小手鞠るいさんは児童文学の名作多く、来年度から光村4年に掲載されたりするので、並行読書用に購入するなら、児童書かどうか気を付けないといけないと思います。この本は中学校なら、大丈夫かな。

  • 周りから祝福される恋愛だけが素晴らしい訳ではないのかなという気持ちになりました。
    不倫は正しいことでは無いかもしれませんが、読んでいて全く不快にならない素敵な話でした‪☺︎‬

  • 決して許されることじゃないけど、ダメだ、これ以上進んだら、と気持ちにブレーキをかけながらも期待してしまう気持ち、繰り返す言葉がいつしか本当の気持ちになる過程に引き込まれた。

    夢中になった先が幸せな結末じゃきっとないだろうと思いながら読んだので、不穏な空気が漂う後半は何度も読む手が止まった。

    どんなに心を奪われていても見逃しちゃいけないことがあるという教訓のようにも思えた。

    果たしてこれは幸せな恋と言えるのだろうか…

  • こんな男のどこがいいのか??
    何も魅力のない男
    結局都合のいい女扱いされてるだけ
    出会えなくなったのもモヤモヤした感じのまま終わったし
    ほんとに泣くほどの恋じゃない!
    全く共感できなかった

  • 「言葉は接着剤で、言葉は起爆剤だった。言葉が先で、気持ちはあと。言葉が先で、真実はあと。」

    「この恋は「言葉」という嘘から生まれた「真実」なのだ」

    「この人を、この恋を、優しい時間を失わないでいるためには、守り抜くためには、この寂しさを乗り越えなくてはならない。打ち勝たなくてはならない。たったひとりで。」

  • 塾講師が、生徒の父親と恋愛しちゃうお話。

    恋をするといくつになっても、少年少女みたいに

    キャピキャピしちゃうところあるのね。

    しかし、生徒が突然自殺するとは。。。ひょっとしたら
    父親の不倫に気づいていたのかしら。

  • 切なさというより、寂しさ、つらさっていう主人公の感情が終始伝わってきて、
    いつの間にか物語が終わってしまう感じ…

  • 初めて小手毬さんを読んだ。教員採用試験を受けつつ、塾の講師をしている凪子。凪子は生徒のお父さんに恋をする。黒木さんへ
    宛てた手紙が可愛くて読んでいて心地よかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不倫は切ない」
      最近、普段読まない本を読んだら「不倫」絡みだった。どの作家さんも何所となく不倫には否定的な気がする。。。
      切ないだけでは済...
      「不倫は切ない」
      最近、普段読まない本を読んだら「不倫」絡みだった。どの作家さんも何所となく不倫には否定的な気がする。。。
      切ないだけでは済まない、苦しみがあるのだろうなぁ、と思いました。
      その作品については、近々レビューを書く・・・と思う。。。
      2012/07/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      あっ「結婚するなら、猫好きオトコ」の事、書き忘れた、、、また今度にしよ。
      あっ「結婚するなら、猫好きオトコ」の事、書き忘れた、、、また今度にしよ。
      2012/07/09
  • 塾の講師をするバツイチの凪子は、教え子の父親・黒木と恋に落ちる。黒木は守りたいものをひとつ抱えていると言う。家庭を壊すつもりもなくズルいなと感じなくもないけど、共に過ごす時間を大切にし(こんなに逢瀬を重ねてたらバレるやろと思わなくもないけど)、凪子を愛する様には愛しさすら感じてしまう。あるきっかけで会えなくなるけど、その後もずっとずっと黒木は凪子を愛していたんだろう。だからこそ、凪子が死ぬ日まで「優しくて残酷な物語」は終わらないんだろうな。

  • バツイチの塾講師が、生徒の父親と恋愛する話。
    好きで好きでたまらない、身も心もあなただけ、身を滅ぼすほどに愛す‥という感情を描く作家さんです。
    
    離婚歴、不倫、
    小手鞠るいさんの描く主人公は、どの本にも共通した特徴が見られますね。
    あまりに多いので、もしかして、実体験?と、思うときもあります。
    
    小手鞠さんの作品は、ハッピーエンドでない、悲しくて寂しい余韻を残すのがとても好みです。
    走って走って追いかけて、自分と同じ分だけ、相手も自分を愛している。そう思って読んでいるのに、最後の最後に突然、ああ、違ったんだ‥と突然突き放されるようなラスト。
    私はMなんだろうなあ 笑

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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