- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562049424
作品紹介・あらすじ
甘くてしょっぱくて、素朴でゴージャス。
変幻自在なパンケーキの意外に奥深い歴史。
あっと驚く作り方・食べ方から、社会や文化、芸術との関係まで、楽しいエピソード満載。
もちろん日本の「あれ」も載ってます。
レシピ集付き。
感想・レビュー・書評
-
◆パンケーキとはなんだろうか。さらにいえば、パンケーキの本質はどこにあるのだろうか。小麦粉を使うことだろうか、膨張剤を使うことだろうか、甘味があることだろうか、あるいは平らな鉄板で焼くことだろうか。この問いに答えるべく歴史をさかのぼってみると、パンケーキの奥深い世界がみえてくる。その歴史物語の始まりは、古代ギリシャにまでさかのぼる。本書を読んでパンケーキの歴史物語を読みながら現代に帰ってきたとき、世界中をつなぐパンケーキ文化がみえてくる。
◆パンケーキはきわめてシンプルな料理だからこそ、人びとに愛されてきた。どの国でも、食べれば子ども時代を思い出す「なつかしの味」であり、国によっては民族のアイデンティティであり(葬式や文化的な行事で食べる)、庶民(や労働者)から貴族まで階級を問わず好まれてきたという、たぐいまれな食べ物なのである(と著者はいいたいようです)。「さあ、パンケーキを作ろう!パンケーキを食べに行こう!パンケーキや塩味のパンケーキを食べながら、人生を存分に味わい尽そう! (”訳者あとがき”, p. 168)」
* 感想 *
◆本書のいうパンケーキは、「粉もの」とおなじぐらい幅が広い。なので、この本を読んだときは「そりゃあ、”パンケーキ”の定義をそこまで広げるなら、そこまでさかのぼるだろうね」と、すこしひねくれた感想を抱いた。が、じっさい、海外からみればお好み焼きもパンケーキなのだとか。「ケーキ=甘いもの」という考えにしばられすぎていたのだと、刺激になった。
◆また、クレープ・シュゼットが偶然に誕生する逸話が興味深い。英国皇太子(のちのエドワード7世)にクレープをつくる係だった14歳のシャルパンティエが、ソースに含まれていたリキュールに偶然火をつけてしまった。ところが、それを一口食べるとじつにすばらしい味だったという。◆”シュゼット”とは、皇太子が特別な思いを寄せていた女性の名前とも、単に居合わせた女性の名前とも、シュゼット・ライヘンブルクという女優の名前とも、シュゼット・カリニヤンという貴族の女性ともいわれる(ようするに、諸説ある)。 -
パンケーキのある生活、それは平和で幸せな家庭の風景。粉に水や卵を加えて平らな鉄板で焼くという調理方法は世界中に同様のものが見られる。アメリカの古き良き時代を彷彿させるというイメージには、黒人奴隷の調理人の存在もあるが、懺悔の日に教会のイベントでふるまわれるパンケーキは平等の象徴でもあった。
日本のパンケーキとして「どら焼き」や「お好み焼き」も紹介されている。 -
一シリングで作れる料理、パンケーキ
安価でシンプルな材料で作れるパンケーキ
しかし、とびきり豪華で洗練された料理にもなる
身近で奥深い世界でした -
楽しく読みました。が、色々紹介されてるパンケーキたちの写真が少ないので全然つかめない・・・!
日本のパンケーキとしてお好み焼きが「塩味のパンケーキ」と紹介されていて、「パンケーキ・・・だと!?」ってなった。
そして巻末についてるレシピ、毎回楽しく眺めてるんだけどお好み焼きのレシピに「白菜 もやし」・・
そっと本を閉じました。 -
パンケーキの定義、歴史が紹介されている。
お好み焼きをパンケーキと思ったことがなかったが、どうやらパンケーキのようなので意外。
どら焼きは確かにパンケーキかも
パンケーキの古いレシピはあまり残っていないとあった。パンケーキはレシピにするまでもないほど親しみある簡単な料理だからなのかなと思った。 -
パンケーキの定義から歴史、種類、レシピの紹介と一通り楽しめる。この定義によるとお好み焼きもパンケーキの一種になる!
-
パンケーキとは何か。
一般的なホットケーキミックスで作られるようなものをイメージしていたが大きく異なっていた。
しかし最初にパンケーキではないものを定義していながら、古い時代や国々の郷土料理をパンケーキとして紹介されているものには、その「ではない」と定義されたようなものも混じっている。
世界的にはこの考え方でよいのだろうか。
読了してから疑問が増えた。 -
この理論で行くと、お好み焼きもパンケーキ!本の中にはたこ焼きもパンケーキとして紹介されていた。なんでもあり!
-
資料番号:011549920
請求記号:383.8ア -
2015/2/27読了。
なんだろう、現在日本で主流なパンケーキの歴史的なものを期待していたが、広義のパンケーキの本だったのでなかなか頭が追いつかず…
特に世界中のパンケーキに分類される民族料理にかんしては、「へー」以外の感想は特になく。
一つ分かったのは世界各国の様々な人に愛されてきたんだな、ということ。
レビューと言うよりメモ的なもので、紹介になってない・・・恐縮です(^^;
最近のホットケーキって、せいぜい普通の平...
レビューと言うよりメモ的なもので、紹介になってない・・・恐縮です(^^;
最近のホットケーキって、せいぜい普通の平べったいものか、スフレ状のものぐらいしかないだろうと思っていたら、そのなかでも色々あるようですね。
この本でいうパンケーキには「お好み焼き」や「どら焼き」が含まれているのですけど、パンケーキ文化の広さに驚きました。世界各地をみると、ジャガイモを材料にしていたり、膨張剤を用いないものもたくさんあります。
とはいえ、やっぱり家庭で作るようなシンプルなホットケーキこそ思い出深い味ですよね。
日本の話はあまり出てきませんが、ヨーロッパでデザートとしてのパンケーキの普及する過程を垣間見ることのできる面白い本だと思います。とくに、オランダがパンケーキ大国だったとは。
表紙もステキなのでおすすめです!
ホットケーキの本、もう少し読んでみたいです。