椰子の血: フィリピン・ダバオへ渡った日本人移民の栄華と落陽

著者 :
  • 原書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562049684

作品紹介・あらすじ

20世紀初頭にフィリピンに渡った日本人移民。国を棄てて新天地を求めた彼らはやがて来た戦争に翻弄され、ついには国からも棄てられる。
流転する運命に絶望するだけなのか……。
祖母の実体験をもとに綿密な取材を経て紡ぎ上げた一族の歴史。

感想・レビュー・書評

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  • 最近伝記小説が人気ですね 永遠のゼロ 海賊といわれた男 東京オリンピックを招いた男 など盛だくさん
    一息に読み終わりました 作者の父母主役の伝記小説 どのくらいフィクションされているのか知らないけど
     20年も苦労して育ててきた椰子の木を飛行場建設のため伐採する一回も使用しないうち米軍に占領されたり
    密林で蛙の足を食べたり 凄い小説で一気に読み終わった 子供を崖から捨てる母親 死んだ子を食べる家族 戦争を二度としたくなる本だ
    子供や孫に戦争の悲劇を味わせたくないが 人類は馬鹿だから戦争が無くなることはないだろう

  • 1,930年代初頭からフィリピン・ダバオへ渡った日本人移民の物語。あとがきによると実際に家族の方が体験してきたことが元になっているのだとか。現地人を雇い日々奮闘して悔恨していく入植生活の様子や、戦争が始まり巻き込まれて苦しむ多くの日本人移民たち。またフィリピン人と日本人の間で翻弄する日系フィリピン人たち。物語の中では日本人兵士の残虐行為が多く描かれている。兵士以外にも多くの日本人移民たちもジャングルの中で飢えに苦しんでいたことを初めて知った。

  • フィリピン ミンダナオ島で農場を開拓し、敗戦によって引き揚げてくるまでの話を虚実ない交ぜにして記してある。モデルは作者の母やその兄弟、祖母。タイトルは人肉食と関係しているのだろう。こうした話は僕も書いたことがあるが、話の展開がわかりやすいだけに、既視感があるものだと改めて思った。

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