背律

著者 :
  • 原書房
3.35
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本棚登録 : 43
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562053001

作品紹介・あらすじ

マンションの一室で男は血塗れで死んでいた。
死亡推定時刻に現場を訪れていたのはいずれも同じ病院の医師たち。
一方、厚労省の医療事故調査チームも手術ミスの報告を受けてその病院を調べていた――。
医療サスペンス+本格ミステリーが鮮やかに融合する!

感想・レビュー・書評

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  • 厚労省・向井シリーズ第4弾。
    大学病院内で、肝臓外科で手術を受けた患者が立て続けに亡くなっていると、内部告発を受けた向井たちは早速捜査に乗り出す。
    同時期に、問題となっている病院に勤務している医師が遺体となって発見される。
    当日の防犯カメラの映像から、同じ病院に勤める2人の医者が容疑者となるが、証拠不十分のまま、釈放され、その後、2人のうちの1人は自殺してしまう。
    殺人事件を追う、捜査一課の落合と、向井の視点が交互に描かれるが、ふとしたことをきっかけに二人が手を組むと、事件の裏には複雑な事情があった。
    冒頭に今作のキーマンである真田姉妹の父がALSを発症し、延命措置を望んでいないのに、生きて欲しいと願う妻の勝手な判断で人工呼吸器が装着させられる。
    意思の疎通が出来ないために、本人にとって、辛い選択となってしまい、心の中では怒りを募らせる様子が描かれる。
    しかし、その後の出来事が、今回の連続医師殺害事件への伏線となっている。
    ALSがそんな身近で何例も発症しないことを考えると、少し物語の内容は現実的ではないが、多分、今作では、尊厳死をテーマに描きたかったのかと思えば、そんなに気にならない。
    ラストの種明かしが、ほぼ向井の話での説明と言うところは、この先、何としてでも改善していきたい。
    せっかく、途中までテンポもよく、ページをめくる手が止まらないのに、本当にラストの持って行き方だけが残念。
    私の情報不足かもしれないけど、多分、向井シリーズは現在出ているのは、ここまでのはず。
    新作が出ている話があれば、誰か教えてください。

  • 評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    男性医師が自宅マンションで死体で発見された。発見者は婚約者とその妹。死亡推定時刻に同僚医師が被害者宅を訪れていたことがわかり、捜査は順調に進展するかと思われた。いっぽう厚労省の医療事故調査チームは手術ミスの告発を受けて、被害者のいた病院を調べていた。殺人事件と告発は関係しているのか、それとも…。通底する哀しく切実なテーマが、医療サスペンスと本格ミステリーを融合させる!

    死に対する倫理観の観点では考えさせられたが、だからといって医師同士で殺人事件に発展ってのは・・・チト内容的には薄かった気がする。

  • 8月-6。3.0点。
    厚労省向井第4弾。
    神経科の医師が殺害される。発見者は婚約者の医師と看護師の妹。
    容疑者は同大学の、肝臓内科医師。
    容疑者は怪しいが、否認。一方、厚労省から出向してきた女性と、向井には同大学病院の肝臓内科に対する、調査が。

    相変わらず向井の推理が冴える。
    前3作よりはキレが無いような。。。

  • お、いいね、いいね♪キャラ立ちしてるし~。
    厚労省から医療事故調査支援センターに出向してるチームの2人、いいぞ~♪
    向井俊介って前にもいたような・・・ああ『変若水』かw
    じゃ、今後もシリーズが期待できそうだな♪
    Aちゃんの方もツッコミが面白いので、こっちはこっちでシリーズ化・・・いや、同じ厚労省だしな、またコンビでやってほしいかも~♪

    さて、ALS(筋萎縮性側索硬化症)がカギになるこの小説ですが、こんなに身近で2人も発症するのがちょっとな~・・・とか、ご都合主義がなくもないのですが、そして犯人が即行でわかっちゃったりもするのですが、それは脇に置いといて、軽妙でありつつ、なかなか読ませる仕上がりになっていて、好きな感じであります。

    個人的には、知り合いのクリスチャンをALSで亡くしているので、複雑な思いがしてしまったりはしたのですが・・・死生観か、考えちゃうな。。。

  • 一気に読んだ。初めての著者で 向井シリーズとのこと。他のも読みたい。

    ALSは 人生を狂わす本当に悲しい辛いと一言で言えないおぞましい病気。
    「死生観」は人によって違う。

  • ALS。重たい話、ミステリーは面白かったです。

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病で亡くなった患者の娘たちを中心に不可解な連続殺人が発生します。
    警察の視点と医療事故を調査する厚生省の視点が交互に描かれ、リンクした時に犯人の悲しい動機が浮かび上がる構図が秀逸ですし、使い古された陳腐なトリックも必然性があり納得。話の流れで誰が犯人か分かってしまうのは難点ですが、なかなか巧妙に出来ていると思います。

  • 2016/03/27読了

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著者プロフィール

佐賀県生まれ。島根県在住。2011年『変若水(をちみづ)』(光文社)島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作に選ばれデビュー。主な著作に『凶血公安調査官 霧坂美紅』(KADOKAWA)『凶眼の魔女』(実業之日本社)『化身の哭く森』(講談社)『背律』(原書房)『堕天使の秤』(光文社)『四面の阿修羅』(南雲堂)

「2023年 『龍のはらわた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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