時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし

著者 :
  • 原書房
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本棚登録 : 256
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562056804

作品紹介・あらすじ

朝日新聞、フジテレビ『Mr.サンデー』ほか、英ガーディアン紙、ドイツテレビ2DFでも報道され、「この日本人女性がすごい! 」と海外でも話題!

孤独死、ごみ屋敷、残されたペットたち――故人の部屋を片づけ、弔いつづける27歳の遺品整理人が、依頼現場をミニチュアで再現。
死と向きあってきたからこそ伝えたい想いを初書籍化。

父親の突然死がきっかけで、若くして遺品整理人になった著者が、現場で目にした孤独死や、ごみ屋敷、ペット、そして部屋に残された「人生」のかけら。
社会問題化するいま、わたしたち一人ひとりにできることは何か。
ミニチュアを通して静かに問う。


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わたしが現場に行くときには、すでに故人の姿はない。
そういう仕事だ。
遺族や大家さんから聞いた話と、ただ、「部屋」と「物」がそこに取り残されているだけ。
でも、それらは雄弁に故人の人生を語っているようでもある。
(本文より)

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感想・レビュー・書評

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  • この本もブクログで知ったもの。

    孤独死の現場を現役遺品整理人の女性がミニチュアで再現。
    ミニチュアという一歩引いた表現ながらも、生々しさが存分に残る。

    読んでいて一番辛かったのがペットを残して孤独死したケース。
    凄惨な現場のミニチュアも目を覆いたくなるが、残されたペットの処遇を考えると、ああ、先に死ねないなと思う。
    が、、、こればっかりは分からないですね。
    今は家族がいるから安心ですが。

    文章は平明で読みやすくすぐ読了できてしまうが重い本です。

  • 辻村深月さんの「家族シアター」の読後に読んだので、色々な思いが去来し、考えさせられた。

    ミニチュアなのにとてもリアルに再現されていて、立体だから写真よりもその場に佇む自分を感じられる。

    著者の小島美羽さんは、特殊清掃の仕事について6年ほど。「100人中99人はすぐに辞めていく」という仕事。ご本人もこの仕事に就くまでは郵便局員という安定した職に就いていたので、母親には猛反対されたそうだ。
    しかし、かつて母と離婚を前提に、別居し始めた父が突然死し、それが状況によっては孤独死になっていたかもしれない…暴力的な父の死にそれでも、尊敬や愛情の念があったことに気付き、生前もっとできたことがあったのではないか…という思いが残った。
    友人から特殊清掃という仕事があることを聞き、「2年かけて自分の意志が揺るぎないことを確かめ」『ただ片づけるだけ、ではない』と書いている遺品整理会社に出会い、転職を決意されたそうだ。

    「孤独死が悪いことだとは思っていない。病院や施設ではなく住みなれた我が家で逝きたいと思っている人は多い(この場合、「自宅死」や「自然死」という表現の方がしっくりくる)。自宅で一人で死ぬのが悪いのではなく、発見されるまでの期間が問題なのだ。」
    という著者が、発見されるまでに一番期間が長かったケースは二年だそうだ。
    日本だけ社会問題になるまで多発する孤独死の問題。コロナ禍でコミュニケーションのあり方が変化し、更に増えていくのではないだろうか。
    我々の社会のあり方が問われていることを、改めて提示してくれる本だった。2020.8.2

  • 『時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』(原書房) - 著者:小島 美羽 - 小島美羽による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/4651

    時が止まった部屋 - 原書房
    http://www.harashobo.co.jp/book/b471103.html

  • 若くして遺品整理に携わるひとりの女性の所感を、孤独死のリアルを伝える自作のミニチュアの写真を紹介しつつ伝えてくれる一冊。
    本物だとしたら目を向けるのが辛い状況も、作りものであることでまじまじと眺めたくなる不思議。でも、作りものとは思えないリアルさに、圧倒される。
    例えば床に染み込んだ溶けた体液の滲み。ギトギトに放置されたキッチン壁、シンクに溜まったゴミの山。
    そこに、一人の人間の生活が、人生があったことを思い出させてくれる。
    モノが、ひとを、人生を語る。
    どんな風に生き、どんな風に逝くのか。
    何を残し、何を遺すのか。
    誰もが迎える死を、そして生を、ひととの付き合い方を考えるのに効果的だろう一冊。

  • 昨年あたりテレビでチラッとこのミニチュアのことを目にしただけだが、なぜか脳裏にずっと残っていた。
    その方の書籍化を知り、本書を拝読した。

    書かれている文章もとても良くて、色々なことを教えてもらえた。
    これは決して他人事ではない。
    いつか誰にでも起こり得る状況を本書から学び、対策や予防をすべきだと思う。

    私はブクログ本棚のカテゴリに、「その他」「世の中」「断捨離」を設定してある。
    しかし本書は「死生観」のカテゴリに入れた。
    私にとっては、それが一番当てはまるような気がした。

  • ミニチュアという表現方法を選択したセンスの良さ。
    これ以外の手法だと、生々しすぎて直視できなかったり、逆に雰囲気が伝わらなかったりするのかな、と。

    ミニチュア自体の出来栄えも素晴らしい。

  • とても興味を持ったものの、読み始めるのが少し怖かった。
    紹介記事と作者のインタビューを読んだことがあったので、方向性は分かっていましたが。

    まず、ミニチュアはとても細かいところまで出来ていて、状況が良く分かる。
    けれど、本物でない分、生々しさが軽減されていてショックは最低限に抑えられている。
    遺品は、その人の生きてきた証し。
    遺品整理人が部屋に入る時には、すでにご遺体は警察によって運び出されているが、残された物たちはさまざまな出来事を語るのだろう。

    問題になっている“孤独死”に対して、「孤独死が悪いのではなく、発見されるまでの期間が問題」と語る。
    報道のされ方にも焦れる部分があるのだろう。
    どうしても伝えたいことがあって、この本になったようだ。
    若いお嬢さんなのに、と書くと少し差別的かもしれないが、とてもたくさんの人生を見たのだろうな、と思う。
    しっかりした考え方に頷けることが多い。
    死に方、それにはまず生き方をもう一度考えてみようという気持ちになった。
    こういう形で本にする、人に伝えるということで、彼女自身の思いも昇華されたのではないかと思う。

    大家さんは入居者に孤独死されるととても困る。
    そういう方への具体的なアドバイスもある。

    第1章 音信不通の父親
    第2章 ごみ屋敷それぞれの事情
    第3章 家のなかの密室
     トイレでの孤独死/お風呂での孤独死
    第4章 遺品の多い部屋
    第5章 壁に残された「ゴメン」
    第6章 残されたペットたち
    第7章 終の棲家

  •  孤独死をした現場を片づける仕事をしている著者が、自分で現場再現のミニチュアづくりを始めたところ、それが話題になったらしい。そのミニチュアの写真とともに、孤独死の問題について語っている。なかなか生々しい現場の写真を見ることはなくて、それがミニチュアで再現されているのでなんとなく雰囲気が伝わりやすい。テーマは重いが、でも比較的簡単に読める本だった。

  • ノンフィクションを見て本を読みました。

    中でも衝撃的だったのはこの一文です。

    この仕事をして辛かったのは汚物でも
    虫でも匂いでもない、人間の裏の顔が垣間見える瞬間と。

    遺品整理中に、自称友人が現れて遺品を
    かすめていく、それも立ち会った現場の8割で。。

    人が一番怖い。
    コロナの時もマスクで人が怖くなったよね。


  • ミニチュアは全くの素人から始めたという著者。
    孤独死の現場を伝えようとする熱意を強く感じた。

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