貧乏お嬢さま、メイドになる (コージーブックス ボ 1-1 英国王妃の事件ファイル 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562060153

作品紹介・あらすじ

20世紀初頭のスコットランド。<br>王位継承権は34番目、英国王族のはしくれであるジョージ―の暮らしは、公爵令嬢とは名ばかりの貧乏生活。<br>そんな隙間風の吹く古城を飛び出し、思いきってロンドンでメイドを始めることに。<br>慣れない掃除に四苦八苦しながらも、使用人から見た貴族の生活は、驚きと謎に満ちていて意外に面白い?<br>……と思ったら、なんと本物の殺人事件に巻きこまれてしまい!? <br>王妃さまからこっそり頼まれた任務を抱えながら、ジョージ―は殺人事件の手掛かりをさぐることに!

感想・レビュー・書評

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  • 貴族のお嬢様がヒロインのミステリ。
    かなり出来のいいコージーで、楽しく読めます。

    1932年、イギリス。
    ジョージーは21歳の公爵令嬢でヴィクトリア女王のひ孫。皇太子とは、はとこに当たる。れっきとした王族なのですが、スコットランドのお城は暖房費も払えず、寒々としている有様。
    公爵を継いだ兄は人はいいがぼんやりしていて何も出来ず、恐妻家。この兄夫婦も面白いですよ。
    嫌な縁談を押し付けられそうなのを知ったジョージーはロンドンの屋敷に出向いて、自活の道を探ることにします。
    メイドを連れずに行動するとビックリされる、暖炉の火をおこしたこともないジョージー。
    そんな彼女が仕事にしようとしたのは、なんとメイド。
    ところが、事件に巻き込まれ‥?

    ジョージーは王妃に呼び出されて、皇太子の恋愛相手を探るように依頼されます。
    それでシリーズ名が「英国王妃の事件ファイル」なのね。
    この皇太子とは、後にシンプソン夫人と結婚するために即位後すぐに王位を捨てた人。
    この段階では、シンプソン夫人にはまだ夫がいて、皇太子の気を引いているので、えらく嫌われてますが。

    学友ベリンダがデザイナーになっていて、何かと協力してくれます。
    ハンサムなアイルランド貴族には絡まれ、幼馴染の青年とも再会。
    上流階級の暮らしや当時の風俗があれこれ出てくるのがお楽しみ。
    母方の祖父で庶民のおじいちゃんには、火のおこしかたを教わりに行きます。
    ジョージーの実母は駆け落ちして男性遍歴を重ねている(ちょっとダイアナ妃のお母さんみたい?)華やかな女性。
    母性的ではないけど、顔が広いので、時々出くわすんですね。
    このお母さんが、パーティーで出会ったシンプソン夫人からジョージーをかばうために、嫌みの応酬になるのは傑作!
    ジョージーとその家族は創作した人物。
    王家の人々は、実際のイメージに出来るだけ近づけたそうです。

    リース・ボウエンのもう一つのシリーズよりも軽くて、ヒロインがさわやかなので、広範囲の方に読まれやすいのでは。
    続きも楽しみ!

  • 王位継承順位34番目という身分でありながら、とっても貧乏な公爵家の令嬢ジョージー。嫌味な兄嫁のいる実家暮らしに我慢できず一念発起。単身ロンドンへ。亡き父の借金の件で人と会うことになった兄がやって来たとたん、浴槽にその男の死体が発見され、兄は逮捕されてしまう。謎解きは軽く楽しめる所が良い。抜けてる兄、元警察官の祖父、自由奔放な母、学生時代の親友、結婚相手に押し付けられそうなルーマニアの王子、そして、今後、恋人候補となりそうな謎めいた貧乏貴族ダーシーと、最高の脇役陣が揃っている。暖炉の火も付けられなかったジョージーが逞しくなっていく様子も気になるので、次も楽しみ!

  • 第二次大戦前夜のイギリス。王族公爵令嬢でありながら貧乏なため自活せざる終えない状況おけるドタバタラブコメ。“事件”が起きるまでが冗長な気もしましたが、誰が本当の敵なのか、最後の最後までみんな怪しく思えて面白かったです。自宅のバスルームで遺体が発見されてピンチなはずなのに、どこかノンビリ構えてガールズトークしてる所が貴族様だなぁ(笑)

  • うん、面白かった!
    公爵令嬢なのにビンボーなヒロインが、窮状を打破すべくメイドになってまで行動するのがいい。
    ミステリとしても良いのでは?(あくまでもコージーの範囲内だけど)
    「公爵」という言葉に引っぱられてしまったので、もっと古い時代の話かと思っていたら、電話もあるし、タクシーもあって少し意外だったけど、考えてみれば20世紀の話。日本でいえば昭和初期くらいなんだから、当然かあ。
    次作も読みたいと思うけれど、同じ著者の「押しかけ探偵」が積ん読になっていたので、こちらも読んでみようと思う。

  • 英国王の遠縁、三十四番目の王位継承者のジョージアナ。実家の家計は火の車だし他国の王家に嫁がされそうになるし、スコットランドの城を逃げ出してロンドンへ。暖炉に火を起こしたこともなかった彼女が、自活を目指して掃除代行業とメアリ王妃のスパイを始めます。
    モリーのシリーズ同様、ミステリ以外の部分が面白い。独立心は旺盛でも一人で服を着る習慣すらないジョージアナのお嬢様っぷり。彼女が仕事にまつわるやっかいごとを少しずつ学んでいく様子。親友ベリンダとの会話、元女優で男性遍歴を重ねるジョージアナの母親と、実在したシンプソン夫人が愛想よく交わす嫌味の応酬。当時の王室が抱えていた問題や、外国人の捉え方などなど。そっちが印象的すぎて、モリーのシリーズ同様殺人事件は霞んでます。恋愛も別になくていいんじゃないかと。ついでに「自分は嘘はつかない」と胸を張っているジョージアナの言葉は笑いどころ。冒頭で裏切られてますから。
    映画「英国王のスピーチ」の少し前の時代になるのでしょうか。これからジョージ6世やエリザベス王妃が出てくるのか楽しみではありますが、その頃にはジョージアナがオールドミスになっているような…。数年って歴史上では一瞬でも、人間の寿命で考えると結構長い。

  • おもしろかった‼︎イギリス王室関連のお話は大好きですが、その王室の遠い親戚にあたるお嬢様にヒヤヒヤさせられる〜f^_^;洋服のお着替えすら1人で出来ないお嬢様が生活の為に掃除婦になるなんて!とにかく主人公のジャージーがモタモタしてて世間知らずで良い(笑)誰が敵か味方か…ってあらすじも好きでした。犯人はわりとあっさりわかってしまったけど、脇キャラも良いです!続編全て読むぞ〜(੭ु´͈ ᐜ `͈)੭ु⁾⁾

  • 王妃だとか王子だなんて単語が普通に出てきて、本人も公爵家のお嬢様なのに、公爵家の家計は火の車。
    不本意な王子との結婚話を避けるため、ロンドンに出て自立しようとすることからおこる、すったもんだが面白かった。
    当時のイギリスの世相に詳しいと、もっと面白いかもしれない。
    ジョージーの母親をはじめ、異母兄であるビンキー、義姉のフィグ、友達のベリンダ、そしてまだ謎の多いダーシーとキャラも立っているので、シリーズとして楽しめそう。

  • 1930年代のイギリスを舞台に、英国王室の流れをくむスコットランドに住む貧乏侯爵令嬢ジョージーが縁談を嫌ってロンドン出てくる。生活のためにメイドのバイトを始めるものの、殺人事件に巻き込まれてしまう。。。
    主人公のジョージーが、侯爵令嬢なのにバイタリティあふれる活躍をします。貴族としてのプライドは持っているんだけど、貧乏暮らしで培った割り切りも持ち合わせて読んでいて楽しめました。
    当時のイギリスの様子や貴族の習慣もよく描かれていて、楽しめました。

  • 20世紀初め、公爵令嬢のジョージーは自立するため城を飛び出してメイド業を始めるが、殺人事件に巻き込まれ、自らも危険にさらされることに…
    お仕事小説としてはあまりメイドとして働いてないので拍子抜けだったが、上流階級の軽いラブコメなコージーで面白かった。
    貧乏だけど王族で、王妃様にも頼りにされるしっかり者の主人公に好感が持てる。

  • 堅苦しさがなくサクッと読めるという点でライトノベルに近い。1作目を読んだ限りではストーリーよりキャラクターで魅せるタイプのミステリーかなと思った。

    主人公ジョージーの前向きな性格には好感がもてる。本当の育ちの良さだけでなく、それを上手く利用する図太さも持ち合わせてるので、境遇の割にあまり可哀想な印象はないw

    友人のベリンダがなかなかいいキャラしてる!
    奔放だけど意外と友情には厚くて頼りになる。

    住み込みのメイドになって屋敷内限定の「家政婦は見た」的な活躍をするのかと想像してたけど、簡単な掃除だけの派遣社員だったのは拍子抜けだった。
    第一そこよりも、貴族の推薦一つで見ず知らずの他人に鍵を預けて家の中をうろつかせてしまえる当時の感覚にびっくり。
    他にも貴族の価値観やら社会的な立ち位置やらが折に触れて描写されているので、軽い読み応えでもあっても参考になる。ホームズの時代の貴族とは変化しているようでしてないのが面白かった。

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