- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784562061358
作品紹介・あらすじ
再婚を控えたジェームズは、ふと年下の婚約者に疑問を抱きはじめた。この女性はわたしにまったく興味がないのでは? そんな矢先、婚約者が何者かに撃ち殺される事件が発生。警察は真っ先に元妻のアガサを疑い……!?
感想・レビュー・書評
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「子供も読めるでしょうか?」
月に一度、親しい友人たちと読者会を開いているのだが、
その席で参加者のひとりに訊ねられた。
表紙の絵がかわいくて、小学生のお嬢さんにいけるかなと思ったらしい。
うーむ。小学生にはまだまだ早いと思うのだ。
それよりも、お母さん、あなたご自身はどうですか?
シリーズもなんと20巻目である。
人気の秘密は何よりもまず主人公アガサの人となりだろう。
強烈。
そして、なんかかわいい。
アガサの日常は「やっちゃう」にあふれている。
件の読書会にアガサのファンがいるのだが、彼女はシリーズの1巻目のアガサにやられてしまったのだ。
「村のキッシュコンテストに、大人気店のキッシュを自分のものとして出す?!」
よほど強い印象だったのか、彼女はアガサを語る度にその驚きを語る。
シリーズ最新刊でもアガサの「やっちゃう」行動力は遺憾なく発揮されている。
休暇にイスタンブールに行く。
さる人を驚かせたいために、特に興味のない戦場跡を訪ねるためだ。
「どうしてあんな馬鹿な真似をしてしまったんだろう?」 (20頁)
そして、さんざんな目にあって、激しく落ち込む。
最新刊ではさらっと書いてはあるが、シリーズ20巻の間には、アガサがベッドで涙を流したことが多々あると、読者は知っている。
アガサはほれっぽく、すぐ出会った人の妻になることを想像するのだが、その空想っぷりがかわいらしい。
アガサは50代である。
人は50代になるのだが、なってみたら戸惑いも多い。
なんせ初めてなるのだから当然なのだけれど。
若さっていいなと強く若者に嫉妬したり、医者から股関節の手術を勧められたり、自分が時代遅れになっているかとおびえたり、アガサがしているのを見ると「この年代になると、そういうこともあるんだ」と知っておける。
一方で、「やっちゃう」アガサを見て、「あ、これをしてもいいんだ」と、自分に要らぬ規制をかけていたことを知る。
そして、乙女な空想をするアガサに、自分もこんなかわいいところを大切にしようと思える。
(いや、既製品を自分のものとして出品したり、既婚者がアガサを見習って浮つくのはどうかと思うけれども。)
だから、アガサのシリーズを勧めるのは大人の女性である。
シリーズ20巻目を記念して、巻末にシリーズファンの応援コメントが載っている。
13人のファンの熱い思いだが、皆、シリーズ最初からはまってしまったようである。
読むこちらも「私も私も」と何度もうなずいてしまう。
シリーズはどれから読んでもかまわない。
はまったら全部読みたくなるから、どれから読んでも同じだ。 -
アガサ・レーズン20冊目。ジェームズの若い婚約者が殺される事件に巻き込まれるお話。良くも悪くもストーリーの大筋はシリーズで一貫しているので、読み始めから、大体の展開は分かってしまう。そうは言うものの、引き込まれて一気読みしてしまうから、やっぱり面白いかもしれない。老化する自分にもがくアガサに自身を重ね、痛いような安心するような感じが、このシリーズをやめられない原因なのかも。
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今回は色んな事件が起きて盛り沢山でした。イギリスでもスタバは人気なのですね。トニには幸せになってもらいたいなぁ。
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シリーズ20巻目。
このシリーズを読み始めて約11年。
最初はピンとこなかったことも、だんだん分かるようになってきた。
有名人の多くが分からない、とか。
押しが強くて強引。自分とは真逆の人だなーと思っていたけど、人と比べて落ち込んだり後悔したり、同じ部分もあって親近感がわいてくる。
だから読み続けているんだろうな。
ラストは…次を楽しみに待っていよう。
巻末には読者の応援コメントも。