浜辺に舞い降りた貴婦人と (ライムブックス)

  • 原書房
4.25
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本棚登録 : 26
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784562065035

作品紹介・あらすじ

傷ついた魂の癒しと再生を描く、メアリ・バログの新シリーズ〈サバイバーズ・クラブ〉始動!
 初春のある日、トレンサム卿ヒューゴ・イームズはコーンウォールの海岸近くにあるスタンブルック公爵の屋敷で、年に一度の〈サバイバーズ・クラブ〉の集いの時間を楽しんでいた。〈サバイバーズ・クラブ〉はかつてナポレオン戦争をともに戦った元士官たちの集まりで、彼らは深い絆で結ばれていた。
 朝食後に海岸へ散歩に出かけたヒューゴは、岩場で転倒して動けずにいた美しい貴婦人グウェンドレンを助ける。彼女は友人宅に滞在していたのだが、怪我が治るまで動かしてはならないという医者の指示により、運び込まれたスタンブルック邸に留まることになった。
 軍隊では貴族と平民とのあいだに時として諍いがあったため、新興富裕層だが平民であるヒューゴは、貴族の女性など鼻持ちならないと思い込んでいた。それゆえ、はじめは反発しあっていた二人だったが、共に時間を過ごすうち、どうしようもなく惹かれ合ってゆき……。

感想・レビュー・書評

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  • 前半は、浜辺で偶然出会って怪我しているところを助けてもらった……というロマンチックな出会いからは想像できないような二人の関係……だけど、どうしても惹かれあってしまった……まま別れて、からの後半が面白かった。王道をいかないよなあ、メアリ・バログ。

  • サバイバーズ・クラブシリーズ1。戦争で心に傷を負ったヒーローと貴婦人。彼女も夫・子供を失い心身に傷を抱えてます。そんな傷を負ったふたりが幸せになれるのか?メアリ・バログがしっとりと物語を綴ります。
    よくある身分差ロマンスとはちょっと違う現実味あるストーリーでした。戦争の英雄となり爵位を賜るも罪悪感や貴族社会への劣等感ハンパないヒューゴが哀愁漂う感じで応援したくなります。ヒロイングウェンにメロメロなのに口下手で上手く立ち回れずあとからウジウジするのも人間らしさが出てて人としてそれも魅力的。
    結婚前に事件が起きたり、ヒロインが逃げ出したりすることなくとやっぱり劇的なことは無いんだけど読み出したら止まらなかったです。
    前シリーズは最初の2作しか読んでないんだけど、登場人物は関連してるんですね。そちらも積んでるので読まねば〜。

  • 【ネタバレ有り】

    新シリーズ「サバイバーズ・クラブ」の第一作。
    心に傷を持つ元軍人×足に後遺症を持つ子爵未亡人。

    ヒロインは「Summer to remember / 忘れえぬ夏を捧げて」などに登場していた
    キルボーン伯爵令嬢にして子爵未亡人のグウェン(レディ・ミュア)。
    優しい女性という印象でしたが
    彼女も色々と苦しんできたのが、本作で一層わかります。

    対するヒーローも中産階級出身ながら
    とある事情により、家を出て軍人になり、
    多大な功績により「英雄」と呼ばれ、称号(トレンサム卿)を賜ったものの
    やはり色々と苦しんできた人。
    バログらしく、苦しむふたりをじっくりと癒していく過程が描かれていると思います。

    うへえと思う登場人物も勿論います。
    グウェンの友人(というより、フレネミーでは)のヴェラと
    亡き夫の従兄弟にして爵位後継者のジェイスン。
    グウェンの従姉妹にあたるウィルマ(サットン伯爵夫人)も相変わらず高慢ちきですが、
    前述のふたりよりはまだましなのかどうか。
    一方、ビューカッスル公爵は相変わらずいいですね。
    妹のフライヤの毒舌も読みたかった……。
    (他社さんですが、ベドウィンズ・サーガの続き待ってます……)

    グウェンの兄嫁・リリー(キルボーン伯爵夫人)の経緯も
    更に知るくだりがありましたが
    肝心のリリーとネヴィルの話が邦訳されていませんし
    リリーは好き嫌いの分かれるヒロインかもしれないので
    難しいところですね。

    やはり登場人物が多いので、
    覚え書きも兼ねて。

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    〈サバイバーズ・クラブ〉の七人

    トレンサム卿 ヒューゴ・イームズ
    ダーリー子爵 ヴィンセント・ハント
    ※彼、ハント姓なので、もしかしてポーシャの親戚なのかな?
    ポンソンビー子爵 フラヴィアン・アーノット
    ベリック伯爵 ラルフ・ストックウッド
    サー・ベネディクト・ハーパー
    レディ・バークリー イモジェン・ヘイズ
    スタンブルック公爵 ジョージ・クラブ

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    【2020.11.24追記】
    最終話を読み終えたついでに、この作品からざっと再読
    ヴェラ・パーキンスン(グウェンのフレネミー)やっぱり大嫌い!

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    【登場人物の本邸について】
    スタンブルック公爵家/コーンウォール ペンダリス館
    キルボーン伯爵家(グウェン実家)/ドーセットシャー ニューベリー・アビー
    トレンサム卿(ヒューゴ)の買った屋敷/ハンプシャー クロスランズ・パーク

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