ユング心理学入門

著者 :
  • 培風館
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本棚登録 : 165
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784563052171

作品紹介・あらすじ

ユング研究所から日本人としてはじめてユング派の分析家の資格を得てきた著者が、京大文学部での講義をもとにまとめた、我国はじめての本格的なユング心理学入門。

感想・レビュー・書評

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  • 心の現象は複雑だ.ユングのその理解のし方を,河合氏の表現をもって学べることを有難いと思う.修辞が多く明確に言い決めない長い文体であるけれど,こういう文章でしか表現できないものなのだろうなと感じられる.ユングの(経験的な)説によれば,意識と無意識は相互に作用し,個性化のプロセスを経るとされる.無意識からのメッセージは夢によって知ることができる.無意識の深い層には,人類が時空を超えてつながっている世界があり,それを元型と表現する.外的にはペルソナをもって,内的にはアニマをもって適応する.個性化は,アニマの発展とも自己実現の過程ともいえる.自己の働きに,より自分にとって望ましい自分への発展可能性を信じたところに,ユングの偉大さを思う.
    キーワード:タイプ論,コンプレックス,象徴,元型,夢,自己

  • 外国の誰かが書いた小難しい解説書を和訳した、
    さらに小難しい入門書ではなく、
    日本人の方が自信の経験と具体的な事例を元に
    解説してくれているので、
    まさに、「入門書」として読みやすい。

    一番知りたかった、フロイトとの違いにもたくさん触れてくれていて
    ほうほうなるほど、と気付きが多くおもしろかった。

    もう一度、読んで理解を深めたいと思った。

  •  ユング研究所から日本人としてはじめてユング派の分析家の資格を得てきた著者が、京大文学部での講義をもとにまとめた、わが国はじめての本格的なユング心理学入門書である。
    カール・ユングの分析心理学はフロイトの精神分析とならんで、あるいはそれ以上に、欧米では高く評価され、その影響は心理学や精神医学の領域をこえてひろく教育や宗教・芸術の分野にまでおよんでいる。
    本書はこのようなユング心理学の基本的な枠組みと概念・方法を、主として臨床心理学者としての観点からさまざまな臨床例の分析によって具体的にわかりやすく説くとともに、人間の心理の投影あるいは創造としての夢・象徴・神話・芸術等の分声楽的な解釈を明らかにして、ユング理論の一個の心理学的理論にはとどまらない深さと広がりを興味深く伝えるのである。
    しかも本書の特色は、こうしてユングの正しい紹介に努めながら
    記述のすみずみにまで著者自身のゆたかな人間観としなやかな感性が息づいて、単なる祖述の域を脱しているところにあり、読者は思わずページを繰らされてしまうであろう。(扉紹介)

     実際、ユングの原著は難解で異分野の学徒にはハードルが高いようにおもう。しかし本書はできる限り容易な表現を使おうとする著者の意志が感じられ、ストレスなく文字通り好感を持って読み進めることができるだろう。ユング心理学の概観を知るために最適な本である。おすすめ。

  • 向き合い、そして寄り添う

    入門書である本書は概論をただ羅列するだけでなく、症例を示しながら非常に興味を抱かせるように書かれてある。
    内向、外向などの人間のタイプ論や、意識を相補する無意識の存在。そこから導かれる、コンプレックスや夢診断論。

    心理学は客観科学ではなく、分析者が主体的に患者に関与することで双方向的な関係を築き上げ、それによって共に劣等感という闇に直面し、それを自我に統合してゆこうとするたゆまぬ努力の過程(自己実現)である。

  • 入門とあるので一応基礎知識がなくても読めるが、少し手こずるかもしれない。ユング心理学の持つユニークな考え、「影」、「普遍的無意識」などが実例を元に分かり易く説明してある。ユング心理学の持つ相補的な考え方を持っていると人の見方が少し変わって面白いかもしれない(大人しい子が犯罪を犯すことに不思議を感じなくなる)。

  • (110501)できたらブログに書く。

  • 臨床心理学を学ぶ者にとってはバイブルになるのではないかと思う。
    概念の理解には少し苦労するが、どの本よりもユング心理学の概要が理解できる。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。メーカー勤務を経て、現在フリーランスの翻訳者。

「2020年 『パリジャンが教える ヒゲの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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