文化心理学 上: 心がつくる文化、文化がつくる心 (心理学の世界 専門編 9-1)

  • 培風館
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 36
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784563058883

作品紹介・あらすじ

心のあり方やはたらきは、文化によってどのように異なるのか?なぜ心のはたらきに文化差が生れるのか?本書はこうした問いに対する答えを求めて過去20年間に急速に発展した文化心理学の成果を、北米と日本で活躍する研究者が解説した入門書である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人の心の働きが文化によって変化することを動機(モチベーション)や感情など、色々な分野に別けて解説されています。
    ただし、実験に対する筆者らの解釈が少々強引で恣意的だと感じる場所もあり、その点が残念でした。

    【こんな人におすすめ】
    文化心理学の入門書を探してる人

    【目次】
    1章 心と文化
    2章 文化心理学の背景
    3章 人間観・自己観と心の働き
    4章 文化と動機
    5章 文化と感情

  • 2783円購入2011-03-31

  • 【上 目次】
    「心理学の世界」へのご案内(監修者) [i-iv]
    まえがき(2010年11月 カナダ・エドモントンと札幌にて 著者) [v-vi]
    目次 [vii-x]

    1章 心と文化――文化心理学の問いと本書の構成 001
    1-1 「20の私」 002
    1-2 「私」は文化によって決まってくる 005
    1-3 自己高揚と自己卑下 006
    1-4 本書の構成 011

    2章 文化心理学の背景――文化心理学を生みだす学問的背景と文化心理学の代表的研究 017
    2-1 常識違反実験 018
    2-2 文化と心 021
    2-3 意味の体系としての文化 025
    2-4 文化心理学の学問的背景 029
    2-5 行動の背後にある準拠枠 032
    2-6 人とは何かについての準拠枠――相互独立的自己観と相互協調的自己観 
    2-7 世界とは何かについての準拠枠――分析的思考と包括的思考 040
    2-8 まとめ 046

    3章 人間観・自己観と心の働き――自己と他者のとらえ方から生じる心の働きに表れる文化差 049
    3-1 人間観・自己観と心の働き 050
    3-2 自己の一貫性 504
    3-3 自分をどうみるかーーセルフアウェアネス 061
    3-4 出来事の説明 066
    3-5 帰属の基本的エラー 071
    3-6 集団の知覚 084
    3-7 集団との一体化と相互依存関係 088
    3-8 まとめ 094

    4章 文化と動機――行動を突き動かす動機に表れる文化差 099
    4-1 自己高揚動機と自己卑下動機 102
    4-2 成功と失敗についての動機 108
    4-3 状況サンプリング研究 112
    4-4 エンティティセオリーとインクリメンタルセオリー 117
    4-5 プロモーション志向とプリベンション志向 123
    4-6 プライマリーコントロールとセカンダリーコントロール 129
    4-7 出る杭は打たれる――まわりへの同調とまわりから抜きんでることへの動機 135
    4-8 選択の意味 137
    4-9 まとめ 141

    5章 文化と感情――感情経験の文化普遍性と文化特殊性 145
    5-1 感情の生物学的基盤と感情経験の文化的基盤 147
    5-2 幸福感と幸福観 154
    5-3 文化的自己観と幸福観 160
    5-4 幸福感と人生の満足感(ウェルビーイング) 168
    5-5 ソーシャルサポート(他者からの支援)と人生の満足感 
    5-6 相互協調的自己観と社会的援助の回避 177
    5-7 基本表情の研究 182
    5-8 表情からつくりだされる感情経験 188
    5-9 表情の表出規則 192
    5-10 感情経験の頻度と強さ 197
    5-11 まとめ 203

    課題・問題の解答,考えるためのキーワード [205]
    引用・参考文献 [207-225]
    索引 [227-229]


    【下 目次】
    目次 [i-iv]

    6章 世界観と思考――世界のとらえ方が心の働きに及ぼす影響 001
    6-1 名誉の文化 002
    6-2 カテゴリーと家族的類似性 006
    6-3 関係性による分類 010
    6-4 素朴弁証法 011
    6-5 素朴弁証法と矛盾の受容 014
    6-6 変化の予想 021
    6-7 思考プロセスの言語化 024
    6-8 矛盾する情報の処理 029
    6-9 まとめ 032

    7章 世界観と知覚――ものを見るときの構えが私たちの知覚に及ぼす影響 037
    7-1 錯視の文化差 038
    7-2 ウィトキンらの研究 042
    7-3 貧富の差でコインの見え方は違うのか? 046
    7-4 注意配分の文化差 049
    7-5 社会的認知課題の文化差 054
    7-6 注意の向け方の文化差の起源 059
    7-7 絵画にみられる文化差 061
    7-8 注意の文化差についての神経科学的プロセス 065
    7-9 生態環境と世界観 067
    7-10 まとめ――知覚と認知の関係 068

    8章 文化と言語――言葉の違いが心理プロセスに及ぼす影響 073
    8-1 言語相対性仮説 075
    8-2 助数詞の影響 081
    8-3 加算名詞と不加算名詞 083
    8-4 名詞のジェンダー(性)の影響 085
    8-5 仮定法 086
    8-6 時間認識についての言語の影響 088
    8-7 空間認識についての言語の影響 091
    8-8 色の語彙と知覚 093
    8-9 文法と語り 100
    8-10 敬語の使用 102
    8-11 まとめ-一言語相対性仮説と語用 107

    9章 文化と制度――文化は私たちがつくるもの 113
    9-1 生態環境が生みだす文化 114
    9-2 知の伝承アプローチ 115
    9-3 コインの表と裏 117
    9-4 予言の自己実現としての相互構築 119
    9-5 状況サンプリング研究 122
    9-6 予言の自己実現としての黒人差別 124
    9-7 自然な考え方と賢い考え方 128
    9-8 選好,信念,制約 130
    9-9 制度としての文化 137
    9-10 制度としての「名誉の文化」 139
    9-11 デフォルト戦略――戦略は意識された行動である必要があるのか? 142
    9-12 自己高揚と自己卑下 150
    9-13 制度と「生き方」 154
    9-14 まとめ 161

    10章 「生き方の科学」としての文化心理学――学問的発展のための二つのアプローチ 163
    10-1 文化的存在としての人間、社会的存在としての人間 164
    10-2 人間の総合的理解に向けて 166
    10-3 意味を伝達する種としての人間 169
    10-4 知の伝承アプローチとスキルの発達研究 172

    あとがき(2010年11月 カナダ・エドモントンと札幌にて 著者) [179-184]
    課題・問題の解答,考えるためのキーワード [185]
    引用・参考文献 [187-196]
    索引 [197-199]

  • 数ある心理テストの中に,「20の私」テスト,20問法などと呼ばれるものがあります。このテストでは,「私は__________」という文章に続けて,自分についての記述を20個自由に書いてもらいます。このテストを,特定の何かについて答えるよう指示せずに行ってもらうと,日本人とアメリカ人とでは回答に違いが出てくることがあります。日本人は「私は○○大学の学生です」など,自分が属する集団や自分の役割について答える傾向があります。このように,私たちの心は私たちが所属する文化の影響を受けています。しかし逆に,私たちの所属する文化も私たちの心によって作られる面があります。すなわち心と文化は互いが互いを作り出し支えあう「相互構築関係」にあります。本書では,「心と文化の相互構築関係」を解明する学問を文化心理学と捉え,この観点から文化心理学の研究を紹介しています。本書の出版は2010年であり,現在出版されている文化心理学関連の本の中ではかなり新しい部類に入るものです。研究を紹介する本を読む際には新しいものが最良だと思いますので,おすすめです。
    (2013 ラーニング・アドバイザー/心理 KANAI)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1398525&lang=ja&charset=utf8

全4件中 1 - 4件を表示

増田貴彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
マイケル トマセ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×