わすれられないおくりもの (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

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  • Amazon.co.jp ・本 (26ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566002647

感想・レビュー・書評

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  • ずっと読んでみたかった。
    こんなお話だったんだ。
    自分が亡くなった後に楽しい思い出を語ってもらえるような人生を生きられたら幸せだなと思った。

  • 「アナグマは、死ぬことをおそれてはいません。死んで、からだがなくなっても、心は残ることを、知っていたからです。」

    自分の死よりも、残していく友達の悲しみを気がかりにする、年老いたやさしい物知りのアナグマ。
    アナグマは死んでしまうけれど、アナグマのことが大好きなみんなで、それぞれアナグマとの思い出話をしていきます。

    「みんなだれにも、なにかしら、アナグマの思い出がありました。アナグマは、ひとりひとりに、別れたあとでも、たからものとなるような、ちえやくふうを残してくれたのです。みんなはそれで、たがいに助けあうこともできました。」

    穏やかに死を見つめるアナグマの目線。
    アナグマの死について、思い出を語り合うことでやさしくアナグマがいたことと死んだことを肯定していくモグラやカエルやキツネやウサギたち。
    こんなにもあたたかく、大切に死を見つめる絵本の、なんと素敵なこと。
    文章も絵も、やさしい。
    もし死ぬならアナグマみたいに死にたいし、大切な人を見送る時には、この物語を思い出したい。
    出会えてよかった絵本です。

  • 読書セラピーの本で「大切な誰かを亡くした時に読みたい本」として紹介されていた。とてもとても心に残った。死別に限らないけれど、もはや会えなくなってしまった人、会わなくなってしまった人たちが私に残してくれたものが、これもあれもと思い浮かぶのは幸せなこと。その人との関係が続いてるってこと。みんな私の中で生きていて、それが私の考え方や、大げさだけど生き方を形づくっている。だから寂しくない…はず!と思えるお話。父を思った。

  • みなさんはアナグマを見たことがありますか?
    わたしはこの絵本を見るまで、アナグマのビジュアル全体をよくわかっていませんでした。
    しかも「わすれられないおくりもの」のアナグマさんは、賢くてとても穏やかで、やさしいアナグマさんでした。

    「アナグマは、死ぬことをおそれてはいません。死んで、からだがなくなっても、心は残ることを、知っていたからです。だから、前のように、からだがいうことをきかなくなっても、くよくよしたりしませんでした。」(引用)

    心が残るとは、いったいどういうことなのでしょうか。
    しかも心が残ることを知っていると、年をとってからだが動かなくなっても、くよくよしないというのですから、「心が残る」とはなんだかものすごいことのように思えます。

    この絵本は小1の娘に読み聞かせをしましたが、やっぱり最初は「心が残る」ということが娘はわからなかったようで、きょとんとしていました。

    しかしそんな娘も、この絵本を読み終わるころには、わたしの腕をぎゅっと引き寄せて、じーっとお話を聞いていたので、きっと「心が残る」ということのかけらを、つかめたのだと思います。

    ゆっくりと余韻にひたりたくなるこの絵本。

    読み終えたときには、アナグマさんの残したものがきっと、あなたの胸にも宿るにちがいありません。

  • かなしかった。

  • 人は亡くなった後も、誰かが覚えている限り、心の中にその人は生き続けている・・・。

    アナグマとの思い出や、教えてもらったことが「おくりもの」となって、遺された人たちを支えてくれる。それは森のみんなは勿論、アナグマにとっても素晴らしい宝物ではないでしょうか。
    じんわりきてしまいました。これが小学校の教科書に掲載されているなんて意外でした。

  • 長いトンネルのむこうにいくよ。さようなら。アナグマより。


    知り合いがなくなったとき、そのひとから教えてもらったこととか学んだこと、話したことを、遺されたひとたちの間で語りたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「遺されたひとたちの間で語りたい。」
      しんみりするんもも、賑やかにするのも、どちらも良し。
      「遺されたひとたちの間で語りたい。」
      しんみりするんもも、賑やかにするのも、どちらも良し。
      2013/03/12
  • 家にあったのか、図書館で借りたのか…
    すごく印象に残っていたのだが、また借りてしまいました。
    とても感動しました。自分がなくなる時、この本を読みたい、そして、周りの人にもこの本を読んでもらいたい、そんな本でした。図書館で読みながら目が潤んでしまいました…

  • 別れに触れるのには早いと思われがちな子ども時代だが、残念ながら時を選ばず、否応なしに別れは訪れることがある。この本はきっと別れを知らぬ子どもの心にも、灯をともしてくれると思う。

  • 賢く森のみんなに慕われていたアナグマが死んでしまったあと、まわりの動物たちはその死の悲しみをどんな風に乗り越えていくのか。
    最初はアナグマのことを話すたびに悲しかった心も、次第に温かい気持ちに変わっていく。なぜならそれぞれにアナグマとの思い出や、教えてもらったことが手元にきちんと残っているから。
    死ぬことは終わることではない、ということを優しく教えてくれる絵本。

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