どんなにきみがすきだかあててごらん (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

著者 : サム・マクブラットニィ 小川仁央

• 評論社 (1995年10月20日発売)

作品紹介・あらすじ

チビウサギはうでをい〜っぱいひろげデカウサギにいった「きみのことこんくらいすきだよ」するとデカウサギは…。チビウサギとデカウサギの話。

感想・レビュー・書評

[円軌道の外さんの感想 · 2013年5月28日]

子供はみな
親の愛がどれだけ大きく深いかを確かめたがる…。


愛の深さを比べ合う
うさぎたちの物語です。

チビうさきは
デカうさぎのことを
どれだけ好きかを
高く跳び跳ねてみたり、
両手をいっぱいに広げてみたりして、
体全体で表現しようとします。

でもどれだけ頑張って自分の愛情の大きさを示してみても
デカうさぎのジャンプや手の長さには勝てるハズもありません。

それでもムキになって頑張る、健気で一生懸命なチビうさぎが可愛い(笑)。


『ぼく、おつきさまにとどくくらい きみがすき』

そう言うと
大きな大きなデカうさぎの愛に
安心したのか
チビうさぎはスヤスヤと眠りにつきます。

デカうさぎはチビうさぎをベッドに寝かしたあと
優しくキスをして
ささやきます。

『ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって、
帰ってくるぐらい すきだよ』


この絵本に関しては
愛を競うとはいかがなもんかと、
日本ではいろいろ否定的な意見も聞くけど、

理屈をこねて
何も伝えられない人間になるほうがコワい。

作者が言いたいのは
『言葉』にして
『ちゃんと伝える』ということなんじゃないのかな。


アメリカの「愛してる」を連発する親子には
確かになんとなく違和感を感じるけど、

日本人は逆に
大切なことになればなるほど
『言わなくても分かるだろう』という部分が
多すぎるように思います。

大人が思うよりも
子供はちゃんと口にして言ってあげないと分からないし、
ちゃんと向き合って欲しいと願ってるもの。

そういう関係を築いていくことが
お互いの信頼にも繋がっていく。


これってただ単に
愛情に限らず、
親子に限らずですよね。


『好き』って魔法のような言葉だから
『ありがとう』と同じく、
言われたほうも、言ったほうも
じんわりとあったかいもので満たされていく。


言葉のチカラって単純だけど
絶対にあると思うし、
目には見えない『心』にも
いい効果をもたらすものだから、
想いはなるべくなら
ちゃんと伝えていきたいな。


そーんな
いろんなことを考えさせてくれて
幸せのおすそ分けが貰える絵本ですよ♪

[takanatsuさん · 2013/05/29]

円軌道の外さん、こんにちは。
優しいレビュと↓の台詞に涙腺が崩壊しそうです。
『ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって、
帰ってくるぐらい すきだよ』
なんて、素敵！
「理屈をこねて
何も伝えられない人間になるほうがコワい。」
その通りだなと思いました。
照れくさかったり、相手がどう思うか不安だったりで言葉をのみこんでしまうこともあるのですが、相手に自分の気持ちを伝えられるのは幸せなことですよね。
気持ちを言葉にするのはすごく難しいことですが、「ムキになって頑張る、健気で一生懸命なチビうさぎ」を見習いたいなと思います。

[円軌道の外さん · 2013/06/12]

takanatsuさん、
コメントありがとうございます(^O^)

思いを言葉にすることって
ホント難しいけど、
言わなきゃやっぱ
伝わらないんですよね(笑)


あと言葉にだって賞味期限はあって
黙って思ってるだけじゃダメなんです。

口に出して、表に出して初めて
言葉は動き出し
命が宿るんやと思うし、

もっと単純に
自分が言われて嬉しいことは
誰が言われても嬉しいハズやし、

周りの人間にも
同じ気持ちを感じて欲しいから
つたない言葉であっても
まずは口にしなきゃって
自分は思います。


言わないで
ずっと後悔した経験が自分にはあるんで(笑)
余計そう考えるんかも(^_^;)

[でつさんの感想 · 2023年9月23日]

こどもが自然と、にまーっと幸せそうな顔になる♪

[アキラさんの感想 · 2021年12月9日]

チビウサギとデカウサギの、どっちの方が相手を好きか、愛ある比べっこのお話。
絵柄もお話も、可愛い。ほっこり。繰り返しのパターンだし、読みやすい。
いつか読み聞かせで使ってみたい一冊。

[airiさんの感想 · 2013年9月9日]

いとおしい、いとおしい、どこまでもいとおしい絵本が、他にあるでしょうか。 デカウサギみたいに、穏やかに限りなく大きな愛で大切な人を愛していたい。

[陽さんの感想 · 2022年7月20日]

1番好きな絵本
毎日子どもに読みたくなる本

[rurosheさんの感想 · 2014年2月10日]

娘4歳8ヶ月、息子1歳11ヶ月時、図書館にて借り。

2人とも、ニヤニヤ。
何も感想言わないんだけど、ずっとニヤニヤ。

[ヒギリさんの感想 · 2012年8月27日]

２匹のうさぎが「きみのことがこんなにすき」「ぼくはこーんなにすき」と言い合う絵本。
子供の言い合いみたいでバカげていて可愛くて優しい。
まっすぐ一所懸命な愛情と、ゆったり大きな愛情。
ニヤニヤしながら読んで、幸せな気分で読み終わった。

チビウサギはデカウサギがだいすきで、小さい頭をひねって全身を使って、どれだけデカウサギを好きか伝えようとする。
デカウサギはチビウサギよりも年長だと思うんだけど、勝ちをゆずってあげない。
ぼくなんかもっと好きだよと返す。

チビウサギは負けに悔しがるでも返答に喜ぶでもなく、なるほどたしかにすごいと感心して、また新たな表現を模索する。
勝ち負けと書いたけど、勝ち負けじゃなくて「いかに伝えるか」の話。


「しろいうさぎとくろいうさぎ」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4834000427や「いつまでもすきでいてくれる？」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4566006638が私は嫌いなんだけど、あれを嫌だと思った理由がこれを読んでよくわかった。
あれらは一方的過ぎるから依存や搾取を連想する。

この本はどちらかが一方的に搾取したり押し付けたり与えたり差し出すように仕向けたりするのではなく、お互いに伝えたがってるのがいい。

[町田 匠 さんの感想 · 2022年4月7日]

でか兎のほうがずっとおおきかった！

[ゆいはっさいさんの感想 · 2022年4月6日]

おもしろかった‼️‼️‼️‼️

[胡桃さんの感想 · 2018年7月3日]

きみのことお月様に行って帰ってくるぐらいすきだよ。

子ウサギと大きいウサギのかけあいが可愛らしかったです。どんぐらい好き？こんくらい好き。このやり取り懐かしい。

著者プロフィール

1943年イギリス北アイルランド生まれ。トリニティ大学で学び、教職につく。30代のころから子どもの本の執筆を始め、『どんなに　きみがすきだか　あててごらん』が世界中で大ベストセラーに。ほかに『パパと　ママの　たからもの』『ぼくらは　いつも　いっしょだよ』などの作品がある。『おともだちに　なってくれる？』は、『どんなに　きみがすきだか　あててごらん』の続編にあたる。2020年9月77歳で逝去。

「2020年 『おともだちに　なってくれる？』 で使われていた紹介文から引用しています。」