- Amazon.co.jp ・本 (26ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566003996
感想・レビュー・書評
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元気のない人に「元気を出して!」と言い続け、それでも元気を出さない相手に怒りだす…それって本当に相手のためなのかな?
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いつも元気なアナグマさんに元気がない?!
森の動物たちは心配して、アナグマさんのもとを訪ねます。
「元気をだして!アナグマさん」
「こんなのよくないわ!」
あれこれ世話をやく動物たちに、とうとう「ほっといてくれ!」と怒りだしてしまったアナグマさん。
そんな中、モグラさんはただ、アナグマさんの横にいて、アナグマさんが元気になるのをそっと待ち続けました。
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わたしも、うつの症状がひどく、とても元気のないときがありました。
人はそういう“元気のない人”を見ると、オロオロし、つい「がんばれ!」「元気出せ!」「ほら、出かけようよ!」と励ましてしまいがちです。
でも本当に元気がないときに言われる「元気を出せ」ほど、当人にとってしんどいものはないのです。
元気を出そうとしても出せないから、弱っているのです。
みんなから離れて、1人やすんでいるのです。
モグラさんは、元気のないアナグマさんの横に居続けます。
モグラさんも心の中はオロオロしていて、どうしたらいいんだろう…と悩んでいます。
「きみ、まだそこにいるの、モグラくん?」「うん。ぼく、まだここにいる!」(引用)
「ぼくは、つかれてしまったんだ。つかれて、なにもかも、うんざりなんだよ」
「気にしないで。ぼくたち、きみが元気になるまで、待ってるから」(引用)
励ますのではなく、静かに、離れすぎず近づきすぎず、そばに居てくれる人がいる。
自分が疲れ果てて、何もかもイヤになり、しゃべる元気すらないときも、沈んでいても、そっとそばに居てくれる人がいる。
それは、どんな励ましの言葉よりも、力になります。
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物語の後半で、モグラくんはとあるお知らせを森の広場に貼りだします。
それは、表彰式とダンスパーティーのお知らせでした。
でもこのくだりを見て、
「そうか、元気のない人に元気を出してもらうためには、みんなを集めてパーティーをすればいいんだ!」
と、とってしまわないだろうか?と少し心配になりました。
本当に必要なのは、人を集めて騒ぐことではありません。
本当に必要なこと。
それは表彰式が終わったあとの、アナグマさんとモグラくんの会話のなかにギュッとつまっています。
そのページの2人の会話を、ぜひ直接読んでいただけたら、と思います。
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息を吸うことしかできないくらい、元気が出なかった。
そんな経験をした人は、すこし元気がでたとき、まわりにいる人のどんな行動がしんどくて、どんな行動が助けになったのか、書き出してみる。
そして、それをまわりの人に少しずつ、伝えてみるといいかもしれません。
なぜならそれは、もし他にどこかで元気がなくなってしまった人と、そのまわりにいる人を“助ける”ことになるかもしれないのですから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「だって、ひとはときどき、知りたくなるんだ」
どんなに愛されているか、どんなに必要とされているか。その通りだなあと温かな気持ちでいっぱいになりました。ありがとう。(12分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #アナグマさんはごきげんななめ #ハーウィンオラム #スーザンバーレイ #小川仁央 #評論社 -
2023.9.25 3-1
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ひとはときどきしりたくなるんだ、どんなにあいされているか、そしてどんなにひつようとされているかをね
日々忙しくてんてこまいの子育て世代にはささりまくり、少なくとも私にはグッときた。言葉にだして感謝を伝えるって大切ですね、そしてそれをちゃんと返してもらえるだけでどんなに心の支えになるかってことなのよね。 -
アナグマさんはどうして不機嫌なの?この程度で機嫌のなおるアナグマさんって人間性浅くない?
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『わすれられないおくりもの』が好きすぎて、これまでこのシリーズは読まないで来た。
アナグマさんにもこんな時期があったのか・・・。
モグラくんは相変わらず良い奴。 -
4-566-00399-x 25p 1998・6・20 初版
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みんなを愛し、みんなから愛されるアナグマの姿にきっと心が温まります。周りに何もかも疲れてふさぎ込んだ人がいらしたら、この本をおすすめしてみてください。表彰式は開けなくても、誰かに愛された記憶に包まれるはず。スーザン・バーレイ特集第三弾。(はま)