"機関銃要塞"の少年たち (児童図書館・文学の部屋)

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感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566012042

感想・レビュー・書評

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  • リアル。このリアリティを共有できるのは、なぜだろう。戦争という状況下での大人たちの狂気と、子どもたちの正気。だが、それも、じつは、歪んだファンタジーのなかにあるというねじれ。そこにリアルを感じる。
    結末に向かって行くときの加速感がよかった。宮崎駿がこの作品を好きなわけがわかるようにも思うし、彼は自身の作品では描かないだろうなあ。

  • こんな話を児童書として成立させてしまうウェストールが凄まじい!
    しかもデビュー作とは・・

    少年たちの目を通して語られる戦時下の日常。大げさでもなく、説教くさくもない。もちろん単純なハッピーエンドでも、悲劇でもないから、
    ベタな感動を求める人向けではない。

    生で聞く銃声の響きが乾いているようにウェストールの描写はかわいていて、でも重い現実の手触りがあって、土地や時代を軽々と超越して、胸に迫ってくる。そしてウェストールが人間を見つめる眼差しは厳しくそしてどこまでも温かい。誰もがゆとりを失い追い詰められている状況で敵国ドイツの捕虜が、一番人間的で魅力のある
    人物として描かれているところがまたグッとくる。

    ウェストールがどんな作家だったかは「ブラッカムの爆撃機」の巻末の紹介文が適格なので引用したい。

    -「どうしたら子どもたちに、希望を裏切ることなく真実を伝えられるか 」を自問した人
    -彼はすべての作品で信念を貫いた。真実はそのまま、決して低音殺菌などせずに子どもたちに伝えるべきだという信念を。
    -殺菌され無菌化された政治倫理のルールブックとしてではなく、この世を生き抜くためのサバイバルキットとして役立つ、フィクションが必要だ」

  • 機銃を見つけたところから、仲間と一緒に敵国の飛行機を撃ち落とす秘密基地を作ろうとする話。自分も同じくらいの歳だったら同じことを考えそうだけど、あんなにちゃんとしたものは作れない!すごい!と思いました。
    戦争が身近なところにある子どもたちの、憧れと恐怖の混ざり合う心情をリアルに感じました。

  • ファンタジーにはならない、しないウェストール。ほろ苦く、物足りない。

  • 人物が息づいている。熱く残る。

  • 微塵も悲しくない。ただ少し痛ましい。

  • 日々空襲にさらされる英国、少年チャスは撃墜された爆撃機から機関銃を盗みだす。それを使って秘密の要塞を作ろうとするが… 英国の子供って、どうやって大人を出し抜くかばかり考えてるようだ。これが戦時下の日本だと湿っぽく貧乏臭い話になりがちですが、抜け目なくて逞しい

  • 小さい頃は、秘密基地をもっていました。倉庫の隙間とか木の上、他人サマの麦畑を踏み荒らした空間。秘密基地を理解してくれる大人もいれば、してくれない大人もいます。得てして厳しい時代に、子供の遊びは許されないことが多いです。それでも、すんなりと諦めなかった子供は、秘密基地を決して無くさないような気がします。結果が、どれほどに苦くあっても。

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著者プロフィール

1929~1993.英国を代表する児童文学作家の一人。「かかし」(徳間書店)などでカーネギー賞を2回、「海辺の王国」(徳間書店)でカーネギー賞を受賞。

「2014年 『遠い日の呼び声 ウェストール短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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