- Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566012424
感想・レビュー・書評
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たまらない読後感。
切なくて、寂しくて、でも温かくもある。
少女が出会った家族の秘密。
終章の余白が見事だった。
描かれなかった間の時間とこの先のことを、ずっと考えてしまう。 -
森の中の泉の、不老不死の水を飲んでしまったタック一家と、その秘密を知ってしまった女の子ウィニーのお話。
さらにその秘密を知ったお金をもうけようとしている黄色い服の男が現れたり、タック一家のお母さんのメイがその人を殺してしまったりしたところは、本当にドキドキした。ウィニーは黄色い服の男がいい人だと思っていたけど、ぼくは最初からあやしいと気づいていたから、ハラハラもした。
死ねないって言うのはすごく切ない。最後、変わってしまった村やウィニーのお墓を見た後、タックたちがどこかに行ったのも切なかった。
ぼくは、泉の水を飲んでもいいと言っても飲まない。ずっと旅行できるのはいいけど、さびしくなると思う。
ウィニーと仲良くしていたカエルとタックたちが出会ったのは、おもしろい。実は、カエルはウィニーに泉の水をかけられた不死のカエルだから。
それで、馬車が来ても動かないカエルに向かって、タックが「(自分が)不死身だとでも思ってるのかね」とタ言ったのも、おもしろい。自分が不死だから言った冗談なのかもしれないけど、自分たち以外に不死の人がいないと思っているのかもしれない。それが、なんかおもしろい。(小6) -
不老不死は幸せではない。
もっと掘り下げて欲しかった伏線がいくつか残り、残念だったが、この長さに意味がある。小学生でも手に取れる長さで、生きることの意味を考えるきっかけになるなら、これはこれでいいのかも。
最後はメイの必死さがウィニーに伝わった、と思う。
萩尾望都の「ポーの一族」とかカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読み返したくなった。 -
小学生が、初めて自分なりの死生観に向き合うのに最適な本だと思う。
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なぜ不老不死の泉ができたのか、ジェシィとウィニーの細かい描写、ジェシィと別れてからのウィニーの心の揺れなどを書き込めば壮大なファンタジーになっただろうし、映画のようにウィニーをもう少し年上にすれば、恋愛物語にもなっただろう。
萩尾望都の「ポーの一族」みたいな。
でも、そうはせず、シンプルにまとめて、それが結構良い。長すぎず、小学生から読め、読み手によって想像する余地がある。
ラストも、様々な物語に慣れた大人にはあっさりしすぎに感じられるかもしれないが、子どもにはやっぱり衝撃だと思う。自然描写、人物描写は丁寧で印象的。
いい児童文学です。 -
2012.12.14読了。映画とかありそうだな、と思ったらとっくに映画化された作品でした。エバーラスティング 時をさまようタック。内容も終わり方も好きだし、映像も美しいんだと思うけれど久々の翻訳本で、文章に違和感を感じてしまったのでマイナスイチ。仕方のないことだけど、児童書の為平仮名多めで読みづらかったーw
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中三の時に読んで以来、今まで読んだ本の中で一番好きな本。分類は児童文学だけど、命に限りがあるということの意味を、どんな世代の人も深く考えさせられる作品だと思う。
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「その水を飲めば永遠の命が得られるという泉の秘密をまもるため、ウィニーは思いもかけない事件にまきこまれてゆく。永久に生き続けることの苦悩、あらゆる命への愛が心にしみる、傑作ファンタジー。」
・通りかかった泉で不老不死の水を飲んでしまった家族。
周りの人たちから不審に思われ、引っ越しを続けながら旅を続ける。
・タックが87年後にこの泉に行ってみると、泉の水を飲もうとしている女の子をみつける!話はここから大きく展開する。
・少女は10歳
・限りある命だからこそのありがたさ、そして、どう生きるか。 -
永遠の命を手に入れた家族と少女のお話。
死ぬのが怖いとずっと思っていたけど、
死なないのも怖い。
死があるからこそ命や一日一日を大切にする。
老いるからこそ今を大切にする。
結局は命は有限で、それは若い人も同じ。
胸張って死ねるように毎日を大切にしよう。
と、考えさせられる終わりさわやかな本