- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566012622
作品紹介・あらすじ
待ちに待ったお休み。トーリーは、ひいおばあさんのいるグリーン・ノウのおやしきにもどってきました!ひいおばあさんがつくるパッチワークの布から、むかし、ここに住んでいた人たちのすがたが、あざやかによみがえります。
感想・レビュー・書評
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前号で描かれたのはグリーン・ノウの晩秋からクリスマスまで。 今号で描かれているのは春の景色です。 以前、岩波少年文庫に収録されていたボストン夫人の「リビイが見た木の妖精」や「海のたまご」を読んだときにも感じたことだけど、彼女の作品は自然に対する目線がとっても素晴らしい!! この物語でも「グリーン・ノウ」を取り巻く自然を今そこに生きている人間が自分の根っこにあるものとして、本能的に、あたかも自分の一部としてでもあるかのように受け入れていくという様がみずみずしくもまぶしい描写で描かれています。
物語全体のプロットとしては
イースター休暇で、グリーン・ノウに帰省したトーリーは、前号で出会った幻の子どもたち(つまり300年前の幽霊?)、トービー、アレクサンダー、リネットに会うことを期待していましたが、彼らに会うことは叶わず、彼らが描かれていたあの絵がロンドンの展示会に出品されていて、もしかしたら、売られてしまうかもしれないことをオールドノウ夫人に告げられます。 グリーン・ノウの厳しい財政事情を初めて知らされたトーリーは150年前に失われたことになっている『グリーンノウの宝石』を捜し出し、再びトービーたちを取り戻すことを決意します。 色々事件はあったけれど無事『グリーン・ノウの宝石』を見つけ出し、めでたし、めでたし。
という、ちょっと荒唐無稽 & 古めかしいハッピーエンドの物語 ^^; でもね、この物語はその全体のプロットを楽しむ物語ではありません。 宝石さがしの過程でトーリーが経験する一つ一つの出来事や、失われた宝石にまつわる150年前の人々の暮らしぶりの物語をスルメイカを味わうように、じっくりしみじみと味わう物語なのです。
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春休み、トーリーは、再びグリーン・ノウに戻ってきました。オールドノウ夫人と再会。でもトービー、アレクサンダー、リネットが描かれている絵がありません。グリーン・ノウを保護していくのにはとてもお金がかかるので絵を売らなければならないかもしれない、マリア・オールドノウの宝石がなくなりさえしなければよかったのに、と、夫人は言いました。夫人の作るパッチワークの布から、昔、ここに住んでいた人たちの姿が蘇ります。目の見えないスーザン、スーザンの兄セフトン、スーザンの面倒を見るために雇われたジェイコブ、スーザンの家庭教師、ジョナサン、使用人のキャクストン、時を超えて物語の中へ入っていくトーリー、探偵としてなくなった宝石の真相を得ることができるのか、トービーたちとの再会は…
空想の世界にあっという間に引き込まれてしまいました。この作品が長い間、愛され続けているのがわかります。すごい。 -
翻訳が上手だと思う
季語や土地の情景や語彙から伝わる春が伝わる
3も楽しみ -
「グリーンノウのこどもたち」の続きではあるけれども、前作と違う過去の物語です。
前作の方が好きですが、これはこれで面白かった。 -
池田正孝氏のスライド講座を受ける為に読んでみました。以前に「グリーン・ノウの子どもたち」と「海のたまご」は読んでその世界に魅せられましたが、「煙突」も素晴らしい。自然の魅力や人の心情の動きをこうも豊かに描いて読んでいるものを幸福に導いてくれる作家の1人だと思いました。上橋菜穂子さんがボストン夫人を心酔された事に納得しました。
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前のに出てきた子供達とまた遊ぶのかと思いきや…。
凄い!パワーアップしてるし。
過去と現在が交錯する様子なんて、ドキドキしちゃって。
生意気ながら、著者の成長まで感じちゃった(^^; -
あの子たちに会いたいと思って帰省したトーリーだったけど、会ったのは300年前のスーザンたちだった。奴隷市から逃げ出したジェイコブが目の見えないスーザンに少々の危険を含む冒険をさせていくところと、それにつれスーザンがどんどん元気になっていくところが涙が出るほどよかった。船長さん以外すべて敵のような生活で、船長さんが帰ってきてくれた時は心底ほっとした。火事のクライマックスとトーリー少年の宝石探しのシンクロは圧巻。
ルーシー・M.ボストンの作品






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