ミサゴのくる谷 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566013858

作品紹介・あらすじ

「ミサゴがここにいることは、だれにも言っちゃいけないの」…農場に巣をつくった野生のミサゴ。少年たちは、その鳥をアイリスと名づけ、そっと見守ろうとする。きびしいわたりを生きぬいて、アイリスがふたたびスコットランドに帰る日まで。野生の鳥ミサゴと、少年たちの心あたたまる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 悪くないんだけど、余計な設定がたくさんある気がして・・・
    もう少し、すっきりとしてもいい気がする。
    納得できないとこもあるしね。

  • 絶滅危惧種であるミサゴを見守る中で生まれた友情。児童書なので子ども向けだと感じるところもあったが、面白かった。

  • ミサゴを見守ることで,友情や信頼,経験を重ねて成長していく姿が描かれている.それが児童文学にはない厳しい現実もあって,少し驚かされたが,ミサゴ,アイリスに抱く想いの強さが,周りの人々を動かしていくところが素晴らしかった.諦めないこと!それにしても野鳥の渡りはすごい.

  • 保護されているミサゴという鳥をめぐり、自然保護だけではなく、人との約束や友情を深く考える物語です。
    前半は、ミサゴの保護や人との信頼関係を主人公の少年と少女との関係をとおして、後半は、ミサゴの保護が、インターネットの利用から、人とのつながりを通して予想外の展開へと導かれています。
    読み終えると、とても壮大な気持ちになります。


    ミサゴという鳥は、タカ科で、全長60cm前後の大きさの渡り鳥です。物語では、舞台のスコットランドからアフリカを回って返ってきます。
    一時保護した時につけたGPSをたよりに、パソコンで追います。いつどこで、休み、どれだけ飛んだかがそれによってわかり、おかげで、飛べなくなった時、救助できました。
    ミサゴは、日本にもいます。
    (まい)

  • スコットランドに住むカラム・マグレガーは11歳。
    農場を持つ父、母、兄グレアム18歳と暮らす。

    友人のユアーンは釣り好きで、ロブは自転車に夢中。

    アイオナ・マクネアは村はずれに変わり者の祖父と住んでいる。
    母フィオナはロンドンでダンサーをしているらしい。

    アイオナがカラムに告げた秘密とは、カラムの農場にミサゴのオスが巣を作りをして、メスを招いていることだった。

    ところがある日、そのミサゴのメスは釣り糸に足をとられてしまう。
    アイオナとカラムは、自然保護区でミサゴの世話をしているヘイミッシュに助けを求める。
    傷の手当てを終えたヘイミッシュがとりだしたのは、発信器だった。
    発信器はミサゴの居場所を教え、飛んでいくルートがわかるのだ。

    アイオナはRSと書かれている白いリングの発信器をミサゴにつけ、「アイリス」という名前もつける。
    ギリシア神話にでてくる風と空の女神の名前だ。

    アイリスの行方は、コンピューター上グーグル・アースで追うことができた。

    誕生日で楽しい時間を過ごしたアイオナは、風邪から脳炎にで命を落としてしまう。
    そのアイオナとの約束は、アイリスを守ること。
    カラムは、悲しみにくれつつもアイリスを守ることを誓う。

    季節が変わり、アイリスは南に向う。行く先は西アフリカのガンビア。
    発信器の情報からアイリスが動かなくなっていることがわかり、いてもたってもいられないカラムは、ガンビアのあちこちにメールを送り、救済を求める。
    そんな中、唯一返信があったのはジェネバというガンビアの10歳の少女だった。


    すべての流れが自然に絡まり合って、つながっていく。
    アイオナの祖父とカラムの祖父、アイオナの母とカラムの母、ジェネバとジェネバの怪我。ガンビアからロンドン、スコットランドへ。
    アイリスの帰還と再会。
    コンピューターで渡り鳥を追うなんて、現代ならではの物語だけど、描かれている人びとはちっともそれに毒されず、自然と共存している。
    アイオナの死を体験してしまったカラムは、もう誰も失いたくないと思ったのだと思う。
    アイリスであってもジェネバであっても。

    違う国の子ども同士がこうしたきっかけで結び付き、同じ気持ちでアイリスを救おうとするところが、とても素敵だ。

    P34「人間も川みたいだよね。あたし、そう思うんだ」アイオナが言った。
    ぼくは上半身を起こし、ぬれたそでをしぼった。
    「どういう意味?」
    アイオナは体をそらせて、ぼくを正面から見た。
    「うわべの下にかくれているものを見ないと、深いところまではわからないってことよ」

    P40「目をつぶらないと」アイオナが声をあげた。「鳥になるのよ。風を感じるの、カラム。風に運んでもらうの」


    ミサゴとは・・・
    頭はクリーム色で、目のところに横線が入っている大きな鳥。
    褐色の翼を持ち、おなかは白い保護鳥
    キーキーキーと鳴き、魚を食す
    http://www.nationalgeographic.co.jp/animals/birds/osprey.html

  • ミサゴという鳥を守ろうとする男の子の話。アイオナという女の子の問題、男の子の友情、鳥の保護、、、
    課題が盛りだくさんだったけど、面白く読めました。

  • 読書感想文に良さげな一冊。思ったよりも物語の範囲が広くてビックリしました。突然の展開とか。鳥好きでもそうでなくてもオススメ。

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著者プロフィール

イギリスの作家。幼い頃から動物を愛し、長じて獣医師となる。仕事のかたわら、野生動物との出会いを求めて世界中を旅した。現在は作家としても活躍中。日本で紹介されている作品に『ミサゴのくる谷』『白いイルカの浜辺』『紅のトキの空』『風がはこんだ物語』などがある。

「2023年 『パップという名の犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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