魔法のゆび (ロアルド・ダールコレクション 3)

  • 評論社
3.74
  • (27)
  • (46)
  • (59)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 550
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (91ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566014121

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前作を読んでから知ったことだが、宮崎駿さんもダールの作品の大ファンであるらしい。それを知ったら宮崎駿作品がより好きになってきた。
    ということで、ダールの2作目は、非常にテーマの分かりやすいお話。

    人間は自分たちの愉しみのために狩りをするが、生き物たちだって家族もあれば生きる喜びもある。どうか彼らをもっと大切にしてねというのがテーマなのだが、例によってひと筋縄ではいかない展開だ。
    語り手は「魔法のゆび」を持っている8歳の「わたし」。
    何かにカッとなると目の前が真っ赤になり、人差し指がピリピリして突然光線が飛び出すという。そうして魔法にかけた相手は二度と元に戻れないから、決して使うまいと思っていた。
    ところがお隣のグレッグさん一家は狩りが大好きだったため、ついに・・

    前作同様、子ども時代の決して口には出せない願いが、実際に叶ってしまったらどうなるかが描かれる。意地悪なひとや嫌味な大人に傷つけられた時、ああこんなひといなくなれば良いのにと、ふと思ったことがあるのではないか。
    圧倒的に無力な子どもはひとり想像するしかないのだが、奇想天外なストーリーの中ではかなり自由だ。それはもう、読む側にカタルシスを誘うくらい。
    「ダールのおかげで本を嫌いな子供が減った」と言われ、世界各国でベストセラーとなるのも頷ける。

    ひとつだけ気になるのは、怒りが魔法を使うモチベーションになっていること。
    これではフォースを上手く操れないルークと同じで、ダークサイドにおちた「悪い魔法使い」となりかねない。出来るなら、優しい、良い魔法使いになってね。

    お話の中で狩りをしていた人間とカモとの立場が入れ替わる場面がある。
    カモたちに銃で狙われる、木の上の人間たち。
    子どもの頃だったら笑っただろうが、今は背筋が寒くなる。
    形を変えたリベンジは、もうとっくに始まっているのかも。
    挿絵も豊富で85ページという短さなので、おうちでの読み聞かせにも向いている。

  • 原著を読んだあとに答え合わせも兼ねて読みました。

    語り手の"わたし"は8歳の女の子。
    実は彼女は魔法のゆびを持っています。
    おとなりのグレッグさん一家が楽しみのために狩りをして、捕らえた獲物を運んでいるのを見た"わたし"は、思わずグレッグさん一家に魔法をかけてしまうのですが…

    身体が小さくなって腕のかわりに翼がはえたグレッグさん一家。
    空を飛べることに喜んだのもつかの間、翼のかわりに人間の腕がはえた大きなカモに家を乗っ取られてしまいます。
    ろくな食べ物も食べられず、嵐の夜を木の上の小さな巣で過ごした上、翌朝は大きなカモたちから自分たちが狩りで使った銃を向けられたグレッグさん一家…これって結構怖いことが書いてあるのでは?
    もし小さいころに読んでたら泣いていたかも。

    カモたちにはじめて作った巣をほめられて、それを得意げに自慢するグレッグさんがコミカルでくすっと笑ってしまいました。

  • 少しの時間で楽しめる魔法の本。
    魔法のお話しはこの世に沢山あるけれど、短く楽しめるユーモアでパンチの効いた世界を創り出すダールはすごい!

  • 児童書『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダールのコレクション第3冊

    『魔法のゆび』は指から工専をだして、相手を魔法にかけてしまう女の子が発端で巻き起こる奇想天外な物語。

    女の子は猟りをする隣人一家に腹を立てて、魔法を使ってしまう。
    以前も小学校教師を魔法で変えてしまったことがあるのだが・・・。

    隣人一家は、手を翼に変えられ、楽しむのもつかの間、銃で狙ったカモとかもと立場が入れ替わることになってしまう。
    そして・・・。

    ドタバタの物語も楽しめるが、クェンティン・ブレイクによる挿絵も秀逸。

    毎回ながら、訳者あとがきを読むと、さらに楽しめる。

  • 2011.7.31短編ですぐに読める。教訓めいた話ではあるが、面白い。

  • おおお!ロアルド・ダールさん、読みやすい!!!

    前の学校では、すごく人気でしたねダールさん。
    今ならわかる気がする・・・!

    ダールコレクション揃えたいなぁ~

  • さらっと軽く読めてなかなか奥深いです。
    ニック・バーグにクレイアニメ化してもらいたいほどです。

  • 図書館で借りました。

     児童書。ファンタジー。
     主人公の女の子はなぜかわかんないが、魔法の指を持っていて、つい先日も先生を猫にしたばかり。ちなみに、先生は人間に戻れてない。
     隣の家のグレッグ一家四人は狩りが大好きで、彼女が諌めても聞きもしない。
     ある日、鹿を狩ってきたグレッグ一家に、彼女の怒りと正義感が爆発。魔法の指を使ってしまう。
     彼らは眠って目覚めると四羽の鴨と、大きさと手を交換させられ、家を乗っ取られていた。
     鴨は一家に銃を向け、一家を撃ち殺そうとする。グレッグ夫人は子供達を撃たないでくれと懇願するが、鴨は子供達を殺されていたので聞く耳もたない。
     グレッグ氏は二度と鴨も鹿も撃たないと約束すると、許される。
     元の体に戻ったグレッグさんたちは撃った鴨のために、墓を作り、銃を壊し、庭で鳥達のために餌を撒くようになった。
     めでたしめでたし。

     教育本、ですね。
     無意味にカラーを使った、贅沢な本です。
     そのわりに、値段が落ち着いているから、良書(なんて分類の仕方だろう・笑)
     ロアンダールは胸のすく話が多いです。

  • 魔法のゆびを手に入れた。
    なんでもできる。
    さて、なにをするでしょう?

  • なんかマチルダに似てた気がした。
    みんな怒るとどこかから目に見えない光線が出るんだね。

全44件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ロアルド・ダール(Roald Dahl)
1916年9月13日 - 1990年11月23日
イギリス・ウェールズのカーディフにて、ノルウェー移民の両親のもとに生まれた。第二次大戦中にイギリス空軍エースパイロットとして活躍するが、事故で重傷を負う。その時代の逸話をもとに、作家デビュー。ブラックユーモアあふれる短編小説、児童文学の書き手となった。
代表作に、『チョコレート工場の秘密』。ティム・バートン監督にジョニー・デップ主演で『チャーリーとチョコレート工場』として映画化された。他にも『父さんギツネバンザイ』などがあり、『ファンタスティック Mr.FOX』として映画化された。

ロアルド・ダールの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
森 絵都
アレックス シア...
あさの あつこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×