- Amazon.co.jp ・本 (91ページ)
- / ISBN・EAN: 9784566014121
感想・レビュー・書評
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前作を読んでから知ったことだが、宮崎駿さんもダールの作品の大ファンであるらしい。それを知ったら宮崎駿作品がより好きになってきた。
ということで、ダールの2作目は、非常にテーマの分かりやすいお話。
人間は自分たちの愉しみのために狩りをするが、生き物たちだって家族もあれば生きる喜びもある。どうか彼らをもっと大切にしてねというのがテーマなのだが、例によってひと筋縄ではいかない展開だ。
語り手は「魔法のゆび」を持っている8歳の「わたし」。
何かにカッとなると目の前が真っ赤になり、人差し指がピリピリして突然光線が飛び出すという。そうして魔法にかけた相手は二度と元に戻れないから、決して使うまいと思っていた。
ところがお隣のグレッグさん一家は狩りが大好きだったため、ついに・・
前作同様、子ども時代の決して口には出せない願いが、実際に叶ってしまったらどうなるかが描かれる。意地悪なひとや嫌味な大人に傷つけられた時、ああこんなひといなくなれば良いのにと、ふと思ったことがあるのではないか。
圧倒的に無力な子どもはひとり想像するしかないのだが、奇想天外なストーリーの中ではかなり自由だ。それはもう、読む側にカタルシスを誘うくらい。
「ダールのおかげで本を嫌いな子供が減った」と言われ、世界各国でベストセラーとなるのも頷ける。
ひとつだけ気になるのは、怒りが魔法を使うモチベーションになっていること。
これではフォースを上手く操れないルークと同じで、ダークサイドにおちた「悪い魔法使い」となりかねない。出来るなら、優しい、良い魔法使いになってね。
お話の中で狩りをしていた人間とカモとの立場が入れ替わる場面がある。
カモたちに銃で狙われる、木の上の人間たち。
子どもの頃だったら笑っただろうが、今は背筋が寒くなる。
形を変えたリベンジは、もうとっくに始まっているのかも。
挿絵も豊富で85ページという短さなので、おうちでの読み聞かせにも向いている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少しの時間で楽しめる魔法の本。
魔法のお話しはこの世に沢山あるけれど、短く楽しめるユーモアでパンチの効いた世界を創り出すダールはすごい! -
児童書『チャーリーとチョコレート工場』の原作者ロアルド・ダールのコレクション第3冊
『魔法のゆび』は指から工専をだして、相手を魔法にかけてしまう女の子が発端で巻き起こる奇想天外な物語。
女の子は猟りをする隣人一家に腹を立てて、魔法を使ってしまう。
以前も小学校教師を魔法で変えてしまったことがあるのだが・・・。
隣人一家は、手を翼に変えられ、楽しむのもつかの間、銃で狙ったカモとかもと立場が入れ替わることになってしまう。
そして・・・。
ドタバタの物語も楽しめるが、クェンティン・ブレイクによる挿絵も秀逸。
毎回ながら、訳者あとがきを読むと、さらに楽しめる。 -
2011.7.31短編ですぐに読める。教訓めいた話ではあるが、面白い。
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おおお!ロアルド・ダールさん、読みやすい!!!
前の学校では、すごく人気でしたねダールさん。
今ならわかる気がする・・・!
ダールコレクション揃えたいなぁ~ -
さらっと軽く読めてなかなか奥深いです。
ニック・バーグにクレイアニメ化してもらいたいほどです。 -
魔法のゆびを手に入れた。
なんでもできる。
さて、なにをするでしょう? -
なんかマチルダに似てた気がした。
みんな怒るとどこかから目に見えない光線が出るんだね。