新版 指輪物語〈3〉/二つの塔〈上〉

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566023567

作品紹介・あらすじ

恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ-。世界中のヤングを熱狂させた、不滅の傑作ファンタジー。旧版の訳にさらに推敲を加え、新たに『追補編』を収録した「新版」です。トールキン生誕100年記念出版。

感想・レビュー・書評

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  • 実は KiKi がこの物語全体の中でもっとも好きなのはこの部分かもしれません。  ある意味で主役であるはずのフロドはほとんど出て来ない巻なのですが、その2人に置いてけぼりを食らった格好になってしまった「旅の仲間」それぞれが、それぞれの果たすべき役割をきっちりと果たしていて、それが結局はフロドのために、そして中つ国とそこに住まう「善陣営」に属する全ての種族全体のためになっているというプロットが何とも魅力的だと思うんですよね。

    特に KiKi が好きなのは「旅の仲間」の中でどちらかというとお荷物的な存在だったメリ・ピピ・コンビの活躍ぶりです。  彼らを救出するために後を追うアラ・レゴ・ギム・トリオは何と言っても武術の達人達だし、各種族代表という位置づけだし、王様までいるからどんな形であれ、大活躍するのはまあ想定内だと思うんだけど、サム & フロドに取り残されたホビットの2人が敵陣営の捕虜という絶望的な状況でスタートを切りながらも、偶然にも助けられつつエント達と出会い、彼らを動かす原動力になるのがやっぱり小気味よいと思うんですよ。  誰の味方でもないと公言していた「木の髭」に気に入られたというのも彼ら2人がホビットという種族だったからこそだと思うんですよね。

    秩序だった暮しと仕事を営み、非好戦的でありながらも芯の強さを持つ種族。  平和と静けさとよく耕された大地を愛する種族。  他の種族に敢えて干渉しようとはしない種族。  そんな種族だからこそ彼らはエントやフォーンと行動を共にすることができたし、又、そうすることで彼ら自身の安全も担保されたんだと思います。

    PJの映画ができちゃってからは、本を読むよりはあっちの映画ばかり観ていた KiKi にとって今回の読書で再認識した一番の出来事はあのヘルム峡谷での闘いの相違点でした。  映画では美しいハルディアがエルロンドの命を受けてエルフ軍勢と共に加勢にかけつけそこで絶命しちゃうけれど、原本の方ではエルフはこの闘いに全く関与していないし、ハルディアもここで死んじゃうことはなかったんでしたねぇ・・・・・。  映画の方、あれはあれで感動的なシーンだったけれど、個人的にはこっちの方が趣味かも・・・・・・(笑)

    と同時に今回も「指輪物語 フロドの旅 ~ 「旅の仲間」のたどった道」の地図とにらめっこしながらの読書だったんだけど、映画の変なところを発見してしまいました。  シーンとしてはアラ・レゴ・ギム・トリオがメリ・ピピ救出のために追跡行を敢行している真っ最中。  アラゴルンがレゴラスにエルフの目で何が見えるかを問うシーンがありました。  すると千里眼のレゴラスは遠くに目を凝らして叫びます。

    "the Urukes turn northeast. They are taking the Hobbits to Isengard!"

    これ、直訳すればこんな感じでしょうか?

    「ウルク=ハイどもは北東に進路を変えたぞ。  アイゼンガルドにホビットを連れてく気だ!」

    ちなみに日本語字幕はただ単に「奴らは方向を変えた。  先はアイゼンガルドだ。」となっていました。  まあ、その訳だったらそんなに問題はないんですけどね(苦笑)  でもKiKi は最近ではこの映画は英語のお勉強のため(?)に日本語字幕版ではなく英語字幕版で観ることが多かったのでこの英語に気が付いちゃったんだけど、コレ、地図と見比べると大いに変!なんです。  

    何故って、旅の仲間たちがフロド・サム・コンビに置いてけぼりをくらったパルス・ガレンからアイゼンガルドに向かう経路はどこをどう頑張っても北西方向にしか向いていなくて北東を向いて進んじゃったら大河アンドゥインを渡らなくちゃいけないうえに、そのずっとずっとず~っと先にあるのはレゴラスの故郷の「闇の森」とかビルボが旅した「はなれ山」になっちゃうんですよね~。

    KiKi は原作本があって映画化された物語で原作と大きな違いがあっても基本的にはどちらも「別の作品」と思って楽しむことを基本スタンスとしているのでまあ、どうでもいいって言えばどうでもいいんだけど、やっぱりこの物語の場合は世界観があまりにもしっかりと作られているうえに、今回は地図を参照しながらの読書だったので気になる、気になる・・・・・・ ^^;

    ま、それはさておき、何とかヘルム峡谷の闘いに勝利し、サルマンをオルサンクに閉じ込めたところで第3巻は終了です。  (映画のSEEではここでサルマン死亡)  お話はメリ・ピピが大活躍している間にフロド・サムが何をしていたか??に移っていきます。  このあたりの同時進行時のそれぞれの行動は映画の描写の方がわかりやすかったかも・・・・・(笑)

  • エント娘のところで意識が飛びかけた。

  • ”だがトロルというのは本来偽物でな、大暗黒時代に敵が作ったエントのまがいものにすぎん。オーク鬼がエルフのまがいであるのと同じことよ。” 旧版p.151 木の髭の言葉

    “悪意はしばしば悪を損なう” 旧版p.359 セオデン王の言葉

    そうと知ってはいても理解していないことがある。この物語が、思っていたよりも遥かに深く広く世の中に浸透していることに。

    『ドラゴンランス戦記』でケンダーというものを知り、物語が進むとともに理解を深めていくに連れ、なんという邪悪なホビット!と思うようになった。本巻まで読み進めてそうでもなかったと印象を改めた。ホビットも、まあまあアレだった。

    これまできちんと理解していなかったことがある。レゴラスが属する闇の森のエルフは上古のエルフとは異なることに。レゴラスとて500年を束の間と言うほどに生きているのだが、エルロンドやグロールフィンデルのような寂びたかんじがしない理由はあり、明白に区別されていたのだと。

    エルフの睡眠について描写がある。歩きながら眠ることもできるようで、夢の世界らしきものが存在するような仄めかしもある。睡眠は精神的な休養と思え、肉体的には不眠不休でいられる様子。

    オークがつかうサウロンの尊称のひとつに”御目”がある。原書だと"Great Eye"らしい。手軽に調べられるとは、いい時代になったものだ。

    引用したセオデン王の言葉は「悪は自らを蝕む」という言葉を思い出させる。パランティアといい、『ドラゴンランス戦記』はヒロイックでありながら直系でもあったのだなと。

  • 朝がきて夜がきて、星が出て月が出ていない夜で、また朝がきて。読み続けていくことに挫折してしまいました。ただその挫折はわたしにとってはじめての出来事ではないから、またいつか読むこともあるでしょう。

  • ガンダルフとの再会。サルマンとの対決。そしてピピンはやっぱり映画の通りのドジっ子だった…
    フロドとサムは登場せず、旅の仲間のうちメリー、ピピン、アラゴルン、レゴラス、ギムリの物語。ガラドリエルを悪く言われるとすぐさま立ち向かっていくギムリが微笑ましい。サルマンとの対決はハラハラした。

  • 「二つの塔」に入る。
    飛蔭のように一気に読みつくした。面白すぎて記録をとどめる暇なし。

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】933||T||3
    【資料ID】10202965

  • もう、こりは・・やっとエピソード2の上を読み終えました~~。おっそいマラソンランナーさながらの読みっぷりですが。

    すごい巡礼の物語。背景描写が素晴らしい。読んでいてもぜんぜんイメージできない自分が情けない。
    して、上にはフロドが全く出てこない!
    背景、周辺事情でこんなページを費やせるなんてすごすぎな作家です。
    子どもが読めるのが不思議なほど長く難しいじょ!

  • 指輪一向の離散。そしてある人物との再会。
    そしてサルマンのいるアイゼンガルドの陥落な巻。

    ボロミアのの裏切りとその結末が悲しかった。

    確かに力あるものが目の前にあり、力を欲している時ならそれを求めないことは難しいが・・・。

  • ブログにレビューを書きました。
    http://yo-shi.cocolog-nifty.com/honyomi/2003/04/3-836f.html

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著者プロフィール

(1892-1973)オックスフォード大学教授。言語・神話への豊富な知識を生かして創造された別世界ファンタジー『指輪物語』は世界中に熱狂的なファンを持つ。他に『ホビットの冒険』等がある。

「2022年 『終わらざりし物語 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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