指輪物語 (8) (評論社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566023697

作品紹介・あらすじ

恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ-。旧版の訳をさらに推敲、より充実して読みやすく美しい、待望の「新版」。

感想・レビュー・書評

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  • アラゴルンが王であることが、初めてゴンドールで証明される。この場面がなければ、アラゴルンの王としての素晴らしさは半減してしまうだろう。
    ペレンノール野での戦いがこんなにも悲壮で感動的であったことに今更ながら気がつく。ロヒアリムの姫、エオウィンが大好きな私にはたまらない。そして今まで、あまり好きになれなかったセオデン王がなぜかとても好きになり、その戦いにおいては涙しそうになった。
    そして、映画では蛮勇にも見える「死を!」というシーンにももっと深い意味があったことを思い出した。何度読んでも発見があり、新しい感情が湧いてくることに驚くとともに嬉しさも感じた。

  • ようやく終わりが近い。映画と原作では登場人物に若干の違いは感じるが、アラゴルンやその仲間達ローハンの騎士達は勇ましく格好いい!

  • 再読中。ミナス・ティリスへ先行したガンダルフとピピンは、ゴンドールの執政デネソールと面会する。ピピンは衝動的にゴンドールに忠誠を誓い、デネソールにボロミアについて語る。そしてピピンは近衛兵のベレゴンドに城内を案内してもらい、ベレゴンドの10歳の息子ベレアスには城下を案内してもらう。ゴンドールには共に戦うために近隣諸侯が続々と集まってくる。その中にはドル・アムロスのイムラヒル大公もいた。

    一方、アラゴルン、レゴラス、ギムリ、メリーとローハンの一行も角笛城まで戻ってきている。メリーは仲良しのピピンが先にガンダルフと行ってしまったので寂しく、自分がお荷物のような気がして来る。しかしセオデン王はそんなメリーにとても優しく、メリーは嬉しくてローハンに忠誠を誓う。

    そしてアラゴルンの仲間である北の野伏、ドゥナダンのハルバラドが仲間たちと裂け谷の双子(エルロヒア&エルラダン)を伴い一行を追って来て味方に加わる。これによりアラゴルンは、予言通り死者の道へ向かうことを宣言。アラゴルンとレゴラス、ギムリ、野伏仲間と双子らは、帰国するローハン一行とセオデン王に従うメリーとは袂を分かち、馬鍬谷へと先行。そこから精霊山の地下にある死者の道を通って、かつてゴンドールとの誓言を破ったため彷徨っている死者たちを従え、エレヒの石に集う。

    一人ローハンへ伴われたメリーらも、アラゴルンらに遅れて馬鍬砦に辿り着くが、そこでローハンの姫エオウィンが迎えに出る。アラゴルンに惹かれている彼女は、彼らが死者の道へ向かうことを止めるが聞き入れられなかったことを語る。そこへゴンドールからローハンへ援軍を求める使者が到着し、セオデン王はエオメルらと出陣を決意、しかしエオウィンとメリーのことは置いて行こうとする。なんとしても一緒に戦いたいメリーに、デルンヘルムという騎士が手を差し伸べ同行してくれることに。実はデルンヘルムの正体は男装したエオウィン。

    ミナス・ティリスのピピンとガンダルフは、偵察から戻ってきたファラミアにようやく対面、彼がフロドとサムに会ったことを聞かされる。しかしその話を聞いたデネソールはファラミアに指輪を奪い持ち帰るべきだったと叱責、ボロミアを溺愛していたデネソールは、ファラミアを悉く否定する。しかしその後いよいよモルドール軍がオスギリアスに攻め込んできて、ナズグルによりゴンドール軍は苦戦。ファラミアも負傷、高熱に冒され生死の境を彷徨うことになり、急にデネソールはファラミアへの愛情に目覚める。しかしすっかり敗戦モードで失意のあまり狂気に陥ったデネソールはファラミアと一緒に焼死しようとする。

    なんとかファラミアを助けたいピピンは奔走、ガンダルフを捕まえて戻りファラミアの救出には成功するが、デネソールは実はパランティアを持っていたことを明かし、それを抱いて自らに火を放ち焼死する。ガンダルフはゴンドールの指揮をイムラヒル大公に任せファラミアを療病院へ。

    一方セオデン王とエオメルの率いるローハン軍はゴンドール救援のために長征、ついにペレンノール野に到着、いったんはオークたちを薙ぎ払う。セオデン王は南方国ハラドリムの王と一騎打ちに勝利するが、到来したナズグルの首領に殺されてしまう。男装してセオデンの側で戦っていたエオウィンはナズグルの首領と対峙、ナズグルに盾と腕を砕かれ危機一髪となるがそこへ飛び出したメリーがナズグルに渾身の一撃を加え、エオウィンは「生きた人間の男には殺されない」というナズグルを仕留める。

    それでも苦戦するローハン軍だったが、そこへアラゴルン一行が船で到着、一気に形勢逆転、なんとか一同はミナス・ティリスへ。セオデン王の遺体は安置され、瀕死のエオウィンと負傷したメリーは療病院へ。メリーはそこでピピンと再会する。アラゴルンがアセラスと王の手でファラミア、エオウィン、メリーを癒し、王が帰還したといううわさが広まる。

    レゴラスとギムリは、メリーとピピンに会いに療病院へ。4人は再会を喜びあい、レゴラスとギムリは死者の道からハルロンドの波止場へ至るまでの道程をホビットたちに話して聞かせる。途中でいくらかのオークたちを蹴散らし、味方の軍にゴンドールへの集結を依頼しながら彼らは進むも、ペラルギアで敵の大艦隊に遭遇。しかしそこでアラゴルンに従っていた死者たちが誓約を果たし、敵を全て滅ぼして消えていった。レゴラスは海から来た鴎たちを目にし、海への憧れを抱く。(つまりそれはエルフたちが潜在的に抱いている西方への旅立ちの願望を意味している)

    アラゴルン、ガンダルフ、エオメル、イムラヒル大公、裂け谷の双子らは会議でモルドールへ最終決戦を挑むことを決める。レゴラスとギムリ、ピピンは同行することになるが、怪我の癒えないメリーはミナス・ティリスに残ることに。軍勢は十字路を経由して黒門(モランノン)を目指す。黒門に現れたサウロンの副官「サウロンの口」と呼ばれる者は、サムの短剣やロリアンでもらったエルフのマント、フロドのミスリルの鎖かたびらなどを見せ、彼らを捕えたことを示唆、一行に引き上げるよう脅迫するが、ガンダルフは拒否、ついに最後の決戦が始まった。



    いよいよ『王の帰還』に突入!ペレンノール野の合戦!!1冊あたりが急に分厚い。指輪の一行は分散してしまい、章ごとに視点が切り替わる。メリーはローハンに、ピピンはゴンドールに、ガンダルフも基本はゴンドールだが縦横無尽に飛び回り、アラゴルン、レゴラス、ギムリの三人は死者の道経由でゴンドールへ。終盤でやっと全員合流するが、メリーだけは病院に置いてけぼり。

    ローハン軍がゴンドール救援に到着する場面は、映画を思い出してめっちゃテンションあがった!ローハン軍キター!!!!!っていうあの興奮!序盤の、ゴンドールの狼煙リレーも好き。エオウィンとメリーがナズグルを倒す場面もかっこいい。そして映画で割愛されて残念シリーズ、引き続き裂け谷の双子に加えて、ドル・アムロスのイムラヒル大公が登場。白鳥の騎士たちかっこいい!

    デネソールは一人だけシェイクスピア悲劇の登場人物のようで、溺愛していたボロミアを失った悲しみから、ファラミアにお前が死ねばよかった的な暴言を吐き、いざその通りファラミアが出陣して瀕死で戻ってきたら発狂、可愛いファラミアちゃんと一緒にパパも死ぬ!となってしまう。冷静に考えたらなかなか傍迷惑なパパだ(苦笑)対照的にセオデン王は最後までカッコイイ。思ってたよりエオメルが今のところ地味。

    ピピンがメリーと一緒に死ねたらいいのにと思う場面は切ない。基本、ごはんのことしか考えてない明るいホビットもどんどん死の影に囚われていく。ノーテンキなレゴラスでさえ、ガラドリエルさまの予言どおり、海のカモメを見たことから西方へ想いをはせるようになる。

  • 読了。
    王の帰還 上

  • モルドール打倒のため、ガンダルフ、アラゴルン、ローハン軍は己の使命を感じ個々の道を突き進むが、進むべき先は同じ。運命のようにペレンノール野の地で相まみえ共に戦う本巻の後半は盛り上がる!

  • メモをとりながら読むべきであった。

    物語の波に押されて、もはや初期の仲間のバックグラウンドすらなんとなくになってしまい、あれこの人誰だっけ?も、気にならなくなってしまった。

    フロド、どうなった?

    最終巻、行きます。

    再読する事があればその時は必ずメモりながら読む。

  • いよいよ最終決戦へ
    これだけ壮大な物語を、生み出した作者は本当に凄い。
    ただ、大人向けに書かれているのか文章が固い。

  • 雑文乱文の注意されたし。

    まず、文の、リズムの緩急がしっかりしていて、これぞという見せ場を明確に示してくれる。その技術にまず感嘆する。セオデン王とデネソール候の比較(メリーとピピンの目から見る対比)も見事だと思う。とくに、デネソール候の狂気は、いままつりごとを司っているものにも当てはまるのではないなかろうか……
    ベレゴンドやベアギル、ヨーレスばあさんの出番は、ホビットたちとやりとりする馳夫のユーモアも含めて、戦や幽鬼に少々食傷ぎみになった気持ちを少し和ませてくれる。

    しかしその前、エオウィンの(行動はさておき)ことばには首を傾げたくなることもある。この点ではル・グウィンによる「西のはての年代記II ヴォイス」はメマーの疑問、残念ながら手元にいま実物がないのでうろ覚えになるが、「どうして男性たちは、きょう明日の糧、お客さまを迎えるごはんのことを考えないでいられるのだろう?」という問いに代表されると思う。実際の食物や饗応のことではなくーー指輪物語においては「悪」の立場で省かれている、本来「自分たち」(消費者・生産者)なしでは存在のおぼつかない相手(兵士など)をいかにこちらに呼応させうるかという問題だ。

    作者が、ガンダルフをして「戦い」それ自体を、指輪が葬り去られる陽動だと、そうでなけれど意味なきこと、と位置付けていなければ、数々のいさおしも、わたしにはむなしく映ってしまっただろう。指輪を原水爆に、敵味方もろともにほろぼしてしまうような兵器に喩えるなら、そうでなければならない。戦いはいかに果敢であろうと、ほぼ無為にひとしかろう。ただ、スイッチをいかに無効化させるか、スイッチを持たせないか、スイッチを持ちたがる者をどう制するか、わたしたちは別の本に学ばなければならないかもしれない。

  • 感想は最終巻にて。

  • 恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ――。旧版の訳をさらに推敲、より充実して読みやすく美しい、待望の「新版」。
    原題:The lord of the rings
    (1955年)

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著者プロフィール

(1892-1973)オックスフォード大学教授。言語・神話への豊富な知識を生かして創造された別世界ファンタジー『指輪物語』は世界中に熱狂的なファンを持つ。他に『ホビットの冒険』等がある。

「2022年 『終わらざりし物語 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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