新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下 (評論社文庫)

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レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566023703

感想・レビュー・書評

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  • 再読中。キリス・ウンゴルでフロドをオークに攫われたサムは、フロドを取り戻すべくオークたちのいる塔へ突撃する。運よくオークたちは恒例の仲間割れで殺し合い自滅しており、なんとかサムはフロドを救い出す。死んだオークの装備を使ってオークに偽装した二人は再び滅びの山を目指す。途中、重さのあまりオークの鎧をフロドが脱ぎ捨てていくが、追跡してきたオークたちの会話により、それをゴクリが見つけて着ていたこと、結果的にそのおかげでフロドとサムは命拾いしたことがわかる。サムはフロドに、シェロブの巣でゴクリの裏切りがあったことを話す。

    アラゴルンらの陽動作戦で、オークやナズグルたちは黒門付近に集結しており、おかげでフロドとサムは一度オークの行軍に巻き込まれ(仲間と間違われ)途中のどさくさで逃げ出すトラブルがあった以外は、戦うことなく滅びの山へ辿りつく(ただし飢えと疲労は限界)。そしてついにその亀裂へ指輪を投げ込む段になってフロドは誘惑に負け指輪をはめてしまう。しかしそこへ二人を尾行していたゴクリが飛び出し、指輪を奪おうとフロドと格闘、ついにフロドの指ごと噛み切られた指輪と共にゴクリは亀裂へと落下していく。こうして指輪は滅ぼされた。

    噴火で逃げ場を失い死を覚悟したフロドとサムを、ガンダルフの要請で鷲の王グワイヒアらが救い出す。サウロンが滅びたためモルドール軍も潰走、ゴンドールにも平和が訪れる。療病院で出会ったファラミアとエオウィンは恋に落ち、指輪の仲間たちも再会。アラゴルンの戴冠式が行われ、ミナス・ティリスに王が帰還する。ローハン王となったエオメルや裂け谷の双子らはそれぞれ故郷へ。指輪の仲間たちは滞在するよう頼まれ、やがて裂け谷から花嫁アルウェンがエルロンドやガラドリエルらと共に到着、アラゴルンとアルウェンの結婚式が行われる。

    指輪の仲間たちもゆっくりとそれぞれの故郷へ帰国の旅に出、レゴラスとギムリはファンゴルンの森の探検へ。フロドは裂け谷でビルボと会ったあとホビット庄へ向かうが、ホビット庄は戦乱のどさくさでやってきた人間のごろつきたちによって占領されていた。実は敵の親玉はサルマンの成れの果て。しかし見違えるように勇敢な戦士となっているメリーとピピンを中心にホビットたちは反撃、サルマンは蛇の舌グリマの裏切りによって殺され、ホビット庄にはようやく平和が訪れた。しかしフロドの心が癒されることはなく、やがて彼は灰色港から、指輪所持者としてビルボ、ガンダルフ、ガラドリエル、エルロンドらと共に西方へ旅立って行くのだった…。


    終わっちゃった(泣)滅びの山のサムとフロドのやりとりは、映画の場面ともオーバーラップして涙なしには読めない。大事にもってきた料理道具を捨てるサムの決意、美しい記憶がもう思い出せないというフロド、指輪は持てないがフロドは背負えると言って彼を負ぶってゆくサム、そしてゴクリの最期。

    アラゴルンがミナス・ティリスに帰還して、盛大な戴冠式、そしてアルウェンとの結婚式。めでたしめでたし、で終わることもできるのに、実はこのあと文庫本1冊分くらいの分量がまだ残っていて、指輪の仲間たちの帰国の様子が丹念に辿られる。木の髭とファンゴルンの森で再会、裂け谷に立ち寄りビルボと会って、踊る仔馬亭に宿泊…と、彼らが来た道を、もう一度逆に辿りなおす旅。ホビット庄でもう一波乱あったのはすっかり忘れていました。メリーとピピンの勇敢なことよ。そしてフロド以上に真の主役だったサム。彼はロージーと結婚し、子供も生まれ、ホビット庄で平和な人生を送る。

    映画の記憶と混ざっているため、文章で読むと意外とレゴラス活躍してないな、と気づく。アラゴルンは王様なので一目置かれてはいるけれど、やっぱり活躍らしい活躍をする場面は実はそれほどなくて、原作の主役はあくまでホビット4人とガンダルフという印象。映像になるとやっぱり華やかなエルフのレゴラスは注目を集めざるをえないし、アラゴルンのみならずボロミアやファラミアの存在感も素晴らしかったので、映像と演技の力、やっぱり大きいなと改めて。エオメルも小説だとやや影薄いのだけど、ガラドリエル様推しのギムリとアルウェン推しのエオメルのやりとりは可愛いかった。

    地図だけを1冊にまとめた本(https://booklog.jp/item/1/4566023761)があるので、今回はそれも参照しながら再読しました。とりあえず今猛烈に映画のDVDを見返したい!指輪滅却は中つ国の暦で3月25日なので、ちょうどいいタイミング。週末引きこもって一人指輪祭り開催しようかしら(笑)

  • 再読。ようやく読破!
    1回読んだだけだったからいろいろ忘れてたけど、読み返して良かった。
    やっぱり映画よりも原作のほうが好き。
    終わりかたも全然違っていて、原作ではホビット村でもうひと悶着ある。この話でホビット達が指輪の旅で大きく成長したことがよく分かるので、やっぱ原作がいい。
    最後の最後、フロド達を見送るシーンは映画以上に感慨深かった。

    読破してみて思うことは、原作はとっても長いけど、長い分だけいろんなキャラクターについて細かいところまで描かれているため、各キャラクターに対する印象がよい方向に変わったということ。
    映画ではあまり好きでないフロド、ピピンなどなどが、かなり好きになった。
    前から好きなサムや馳夫なんかは、さらに好きに。やっぱサムは訛ってる方が好きだな~

    映画しか見てない人にはぜひおすすめ…だけど9冊はちょっと勧めにくい。

  • 繰り返し読んでも読後の印象がいつも鮮やかな本というのは、何に起因しているんだろう
    登場人物の成長物語だから
    正統な王の帰還の物語だから
    異種間の友情の物語だから
    善と悪の物語だから
    最後にカタルシスがある

    フロドの場合、成長物語と簡単にはくくれない何かがある
    私は、指輪はフロドが聖人の列に加わる物語なんだろうと思っている
    (『指輪物語』はあからさまな宗教的要素は排除されている(基底はともかく)ので、そういう風に思うほうがおかしいのかもしれないけど)
    第1巻であんなに無邪気に生き生きとしていたフロドが、最終巻までに、なんだか透明でもの静かで、でも存在が強く印象に残る人物へと変貌していく
    小さな頃に(幼稚園がカソリックであった)聞いたイエス様の生涯にもどこか似ているよう

    『なんちゅう誉れ、なんちゅう晴れがましさ!そしておらの望みは何もかも実現しただよ!』
    全編通して、これほど印象に残るせりふはない
    だからラストの別れのシーンが、よりいっそう物悲しく、胸を打つものになっているように思う

  • あー、遂に終わった…
    本当に読み終えるのに苦労した。
    訳詞が古くて骨が折れ、途中かなり他の本に浮気とかしたけどとにかく読み終えた。
    読み終えたらこれまた苦労した分感慨もひとしお…本当にフロド達と長い長い旅をしてきたような気持ちがある。
    最後のホビット庄に帰ってきてから、映画では省かれた戦争の話があってびっくりした。
    長旅から帰ってきたのにまた一悶着…なんとも大変。
    でもラストの終わり方は、映画は原作に忠実に再現したんだなぁ。
    読むのは大変だけど、壮大なストーリーでやっぱり面白かった。

  • 途中から、特に滅びの山に登り始めてから、フロド視点が減っていってサムに移っていくんだよね。
    それが悲しいけれど暗くはない、このラストにつながっていく流れなのかなと思った。
    やはり時々読み返してみるべき名作。ってかファンタジーの基本だよね。

  • フロドとサムにはかけてあげる言葉がないくらい。
    彼らがホビットで本当によかった。
    ボロミアのような弱さを持った人間が大好きだけれど、この場合はホビットという特有の人種でなくてはこの大役は務まらなかっただろうし、作者もそれを意図していたのだろうし。
    しかし、ゴクリの最後の役割には改めて感慨深いものがある。

    最終章はもしかしたら不要と思われる方もいるかもしれないが、指輪戦争を通じて得た力を自らのものとして発揮することができるかどうかというのがそれまで安穏と暮らし、また虐げられてきた種族としての本領発揮だと思うので私は重要な場面だと思う。

    なんにしてもラストは切ない…。

  • 上巻のレビューをご覧ください。

  • これを映像化したことがすごい

  • 『指輪物語』9分冊の最終巻。指輪所持者・フロドとサムの使命達成、サウロンの滅亡、アラゴルンの戴冠、旅の仲間の帰郷、そして最後に中つ国を後にする者たちとの別れ―――。長い本編がついに完結した後に、著者ことわりがきと、訳者あとがき、そして巻末には道程を振り返るように中つ国全図が広げられている。

    著者ことわりがきでトールキンは言う。「わたしは、寓意というものが、どんな形で示されようとどうしても好きになれない」と。ここで言う寓意とは、「著者の意図的な支配に委ねられるものであ」り、本書が現実の政治や戦争の比喩として書かれたものだ、という見解を指している。トールキンは続けて言う、「読者の自由な読み方に任され」る「読者の考えや経験に応じてさまざまな適応性を持つ歴史のほうがずっと好きである」と。
    ここで述べられているのはきっと、物語を何か別のものの手段にしない、ということなのだと思う。歴史と言語と人々への愛によって織りなされた物語を、ただ物語として読むことだと。何か実用的な役に立てるためでなく、読書それ自体を目的に読むこと(それは多数派ではないかもしれないけれど)、それを思えばトールキンの言葉には、強く勇気づけられるものを感じる。

    全編を通じ言葉は美しく、人々は魅力的で、様々な事件に心を踊らせられた。訳者の注釈も過不足なく添えられていて、長大かつ深遠でありながら読みやすかった。
    読み終わっても、物語の持つとてつもない強度と包容力を感じる。またいつか読み直したいと思う。

  • 全部読んだ達成感はありました。
    まぁ一度読んでみても良いかも。

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