魂食らい (クロニクル千古の闇 3)

  • 評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024137

感想・レビュー・書評

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  • 雪と氷の世界の話。
    レンとトラク、それぞれが少しずつ大人になるのが感じられる。
    助けてくれる大人たちの優しさが沁みる。
    ウルフが本物の尻尾なしにならなくてよかった。

  • ウルフ最大の危機!

    魂食らいとのかけひきで、ドキドキしながら読みました。
    だって、トラクとレンとウルフでは心もとなすぎる!
    でも、トラクは助けを求めるよりもすぐにウルフの元へ行きたかっただろうし(それは愚かなんだけど)…
    それが最善ではないとおもいながらトラクと一緒にいくことを選んだレンの三人(?)の絆を改めて感じました。

    そして、限られた、絶体絶命?という中で道を見つけだすトラクがかっこいいです。

    レンにまだ打ち明けられない想いを持つトラクがもどかしく感じます。

    これからトラクがどう変わっていくか、人を信じて打ち明けることができるか、魂食らい達はどんな手を使って来るか、先が気になります。

  • 今から6000年も前の、北ヨーロッパの森で暮らす人々の生きざまに焦点を当てた壮大な物語は3冊目に突入した。
    生きとし生ける者。
    その血肉を食らって生かされていること、
    その恵みを与えてくれる大自然への畏敬の念を忘れず、知恵を重ねて暮らす人たちすべてが(ある意味で)主人公だ。
    人間の生きていくチカラって本当にすごいなぁと、毎回思う。

    トラクとレンが狩りに出かけた先で、何者かに攫われてしまったウルフを取り戻すため、二人は未だ踏み込んだことのない極北へと向けて旅立つ。

    レンの慎重な考えを、意地かプライドか焦りか、意固地になってはねつけてしまうトラクの姿に何度か歯噛みしてしまう。
    向こう見ずな勇気も大事だけれど、状況を鑑みる余裕が欲しいなぁ…というのは、物語の外にいる「オトナ」の考えなんだろうか。
    この事件の顛末は、なんとなく予想がついた。落ち着くところに落ち着いたっていう感じに似てる。
    ウルフの、レンに対しての呼称がいつの間にか「女の尻尾なし」から「女のきょうだい」になっていたのは、ちょっと嬉しかったな。

    トラクに刻まれた、逃げられないしるし。
    それがもたらす不安に打ち克つためにトラクを待ち受ける運命とは、どのぐらい険しいものなのか。
    先が気になるシリーズ折り返し地点。

  • 巻頭から、すぐに大きな事件(ウルフがさらわれる)が始まり、そのまま怒涛のような展開が続く。
    次々と新しい氏族と出会い、新しい真実と出会い、トラクの運命は、さらに過酷になっていく。
    でも、巻末で自分の胸に刻まれてしまった魂喰らいの入れ墨=魂喰らいから襲われる危険を思って悩むトルクにイヌクティルクがかけた言葉のように、今巻はシロギツネ族のイヌクティルク、前巻はアザラシ族のベイルなど、本当のトルク、苦しみながらも闘っていこうとする彼の本質を知って、支えてくれる「友だち」は増えていく。1巻から言えば、レンとフィン=ケディンもそうだし、入れ墨を舐めてくれる(トルクの本質に変わりがないことを知ってくれている)兄弟のウルフもそうだ。
    闘いは、さらに激しくなりそうだが、進んでいくしかない。

  • ようやく2巻でウルフと再開できたのにはなればなれにつらいよう。魂食らいたちが恐ろしすぎる。
    自然のことや生き抜く力など相変わらずすごい知識でのめりこんじゃう。
    6000年もの前の太古の時代。こういうふうに人々は生きていたのだなあ。ちゃんと「死」へ対しての儀式しないと恐ろしいことになる、という考え方が、きっとまた地域によって違うのだろうな。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00559908

  • <魂食らい>にウルフをさらわれ、トラクとレンが追跡して氷の世界へ。雪山・氷山を越えて、<魂食らい>と戦う。
    前回は海に生きる民の描写、今回は氷に生きる民の描写に人々の姿や生活が目に浮かぶ。約6000年前、自然の中で暮らし、呪術に恐れ縋る人々と、<魂食らい>と戦うトラフの「闇」は微妙な違和感と誰もが背負う宿命と怒らざるを得ない深淵とを感じる。
    印象的なフレーズは下記:
    ★「怒りというのは、狂気の一つだよ。力をむだに使うことになる。」「だけど、怒りが必要なときもあります」
    ★命を助けてくれたその人は、もう死んでしまった。だから、もう決して恩返しはできない。そう思うと、とても心苦しい。恩を受けるというのは、恐ろしいことなんだよ。
    ★ときには、自信がなくても決めなくてはいけないのだよ。その決断が、いい結果を招くか、悪い結果を招くかはわからない。でも、何もしないよりはましなのだ。
    ★跡をさぐることは、耳をすますことにもつながる。それは、森が語ってくれることに、すなおになるということだ。…。誰の言葉にも耳を傾けはしなかった。自分が正しいと信じ込んでいたからな

  • トラク、北の大地に立つ。
    敵は4人、こちらは2人と一匹。
    レンが大活躍する回。

  • 運命に選ばれていたのはトラクだけではなかったのですね。
    決して軽い話ではないのに、読みやすい。
    続きも気になっています。

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