復讐の誓い (クロニクル千古の闇 5)

  • 評論社
4.25
  • (62)
  • (54)
  • (25)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 465
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024151

作品紹介・あらすじ

まさか!こんなことが!…大切な友人が、若い命をうばわれた。「魂食らい」のしわざと知り、復讐を誓うトラク。犯人を追って、自分が生まれた「深い森」へと入っていく。そこで見つけたものは?母がたくした思いとは?-さまざまな秘密が明かされる人気シリーズ第5巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 前巻からの幸せが続いているような気持ちで読んでいたら、まさかあの大切な人が殺されてしまうなんて…

    一気に物語の空気が変わりました。

    そして、ウルフの気づき。
    「<背高尻尾なし>はオオカミじゃないんだ」
    トラクから距離を置こうとするウルフが切なすぎる…
    そんな中、黒毛がウルフに、でも群れの仲間でしょ?と言うシーンが好き。
    なんて素敵な人(?)を奥さんにしたんだウルフ!
    自分にとって大切なことをわかっていてくれて、支えてくれる、元気を与えてくれる。そういう夫婦っていいなあ…。

    そんなのがあったので、ラストは感動して泣いてしまった…。
    ウルフと黒毛のトラクとレンに対する気持ちが…
    自分の子供たちを見せることで、深い信頼を表した二匹の気持ちに涙。


    ところでトラクはどんどん友達を増やしていきますね。
    今度は馬も友達になったのかな?
    馬と心を交わすトラクはめっちゃかっこよかった…
    ワタリガラスにも助けられ、トラクの心通わす技も、彼の武器の一つだなあ。

    レンとトラクの関係も少しずつ変わってきましたね。
    ウルフは大分前から二人はお互い好きあってると気づいていたのね。
    次がラスト!
    色々気になります。早く読みたい!
    (本だけ読んで暮らす人になりそうで怖い)

  • トラクとレン、それにウルフにも、これでもか、という試練が襲い掛かる。命の危険が、それぞれに繰り返し降りかかる。助かったか、活路を見出したか、と思っても、さらに絶望的な状況になり、先が見えない。
    前巻でトラクはハズシになり、自分のアイデンティティである氏族を失うが、レンと親族であるベイルの復讐を思い詰めることによって諍いを起こして分かれ分かれになってしまい、さらには、唯一の群れの仲間で兄弟であるはずのウルフにも「兄貴はオオカミじゃない」と逃げ出されてしまう。
    レンのほうでも、これまでの経験と知恵を総動員させて活路を探し続けるが、ついに魂食らいシアジの手に落ち、大事にし続けてきた弓を折られ、ウルフに呼びかける笛も焼かれてしまう。
    絶体絶命の危機の中で、森の木々や動物たち、かつての親や氏族たちのしてきたこと、氏族たちの暮らしの決まりが、最終的には二人を助けた。
    トラクは復讐をすることを誓って、シアジを殺すために追っていくが、たとえ魂食らいであっても「人を殺す」ことが許されない、という時代の掟がトラクを縛る。生きるため、食べるために、ハンターではない生き物を狩ることはあっても、いたずらに殺すことは許されないということになるが、現代から考えると(そして数多の物語から考えると)、相手側がここまで追い詰めて殺しに来ているのに(実際にベイルは殺された)、そんなことで納得がいくだろうか、とも思ってしまったりする。
    でも、実は、この考え方が、人間の歴史の中にある戦争を生み出し続ける根源なのではないか、とも考えてしまう。
    過酷な環境、過酷な宿命、過酷な生き方の中で、トラクは生きて、生かされている。
    ウルフのパートナーとなる黒毛は言う。
    「オオカミは、仲間を見捨てないものよ」
    たとえ、それが尻尾なしであったとしても、だ。

    終盤で、トラクの母の謎も語られていく。
    トラクが生まれた時、父親が手を貸した邪悪な行いをただすため、魂食らいや悪霊と闘う定めとなったトラクに、天地万物の精霊から母の命の代わりにトラクに「生霊わたり」の力が授けられた。
    過酷な運命。でも、母は命をかけて、トラクに宿命とともに力を授けることを選んだのだ。

    いよいよ次で最終巻。
    氏族は失ったものの、トラクの名前を憶えて受け入れてくれたレンとフィン=ケディン、ウルフ、リップとレックを含めた群れの仲間たち、これまでの旅で出会った人たちとともに、最後の戦いになる。

  • トラクの頭に血がのぼっちゃうのはあれかな、魂食らいとかがそう仕向けているってことでいいのだよね…!だとしたら、思い直して修正する力、すごいことだ。
    いやしかしレンちゃんとウルフが大変だよう…!
    話をきいてトラクーーー

    魂食らいたち恐ろしいなあ。
    ラストはとても、とてもよかった。ウルフよかったねえ…!

  • 冒頭、ベイルが殺されてしまう。責任を感じたトラクは、いきなり「復讐」の鬼に変貌。<魂食らい>魔導師シアジ(ファイアオパールを盗み出す)を追って深い森に向かう。
    いつも一人で責任を背負ってしまうトラクが、かわいい。

    深い森では、種族間で争いが起こっている。6000年前から、人間は”復讐”のために心を失っていたのか、戦いを避けるにはアカシカ族のように逃げ回るしかないのか、いずれも極端?、わかりやすい。だから、騙されやすいし、解決も早いのかもしれない。

    今回は、禁断の”樹木”への生霊わたり。生き物は単体生物へ乗り移っていったが、木ではそうはいかない。1本の木ではなく、森と調和していく、同化していくイメージでしょうか。スケールが大きすぎて…。

    シアジとの決戦は、あっけなく、山火事が燃え移って焼け死ぬ。最強と煽った割には拍子抜けかな。しかも、オパールは、イオストラに奪われるし。また<生霊わたり>のシーンでも目立った活躍がなかったから、これも次回(最終回)への伏線かもしれない。

    「確かなことなど、どこにもないのだよ。お前に勇気があるなら、遅かれ早かれその事実に直面するだろう」フィン=ケディンは語る。そう、勇気をもって信じて進む。それが、ファンタジーの真骨頂。

    ウルフが<黒毛>の嫁と仔オオカミの親になった姿は微笑ましい。トラクの将来像を暗示しているの? でも、オオカミと人間(尻尾なし)の違いを知ってしまったウルフは少し哀しい、けど。 

    さて、残るはワシミミズク族の魔導師。決戦の最終話。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00559911

  • オオカミの言葉がわかるトラクと、トラクを「兄貴」と慕うオオカミのウルフ、そしてトラクの友達レンたちの古代冒険ファンタジー。前は海が舞台でしたが、今回は深い森が舞台。
    ト・ラ・ク……お前はほんとに懲りない奴だなあ……なんか毎回トラクが「大切なひとを信じられなくて」間違いを犯しているような気がー。いや、面白いんだけど、トラクのダメっぷりがなんとも。ウルフが「気付いて」しまったのがもうドキドキもんでした。黒いの、よくやってくれた。ありがとうよー。
    あと、フィン=ケディンは本当にいいなぁ。最初はトラク目線だったのでやな親父なのかと思っていたんだけど、この数巻、めちゃくちゃいい人かつ有能ではないか!と思っている。(だからこそ、メインストーリーになかなか出てこれないんだけど(笑))番外編のフィン=ケディン視点とかあったらすげー読みたい(笑)。
    シリーズタイトルから、暗い話なのかな?とか思われそうですが、トラクのだめっぷりとウルフの可愛さ、レンとフィン=ケディンのむくわれなさにやきもきする話です(笑)。大人にもおすすめ。オオカミ目線があるのも特筆すべきことですね。オオカミ好きには絶好です。

  • ベイルの死。復讐を誓うトラク。ウルフの心の成長。
    オーク族の魔導師との対決。
    トラクのレンの距離も近づいて、二人の成長と恋の行方も気になるところ。

  • 一度読みだすと止まらないですね。ノンストップで読みました。毎度毎度辛い現実や試練を与えられる主人公の運命。まだ年齢的には中学生と同じ年にそんな辛い局面に何度も立たされなきゃいけないと思うとしんどいなと思います。(主人公の生きていた時代と私達の生きている時代は全然違うので年齢的に同じだからといって重ねるのもあれなんですけども)
    まだ大人になり切れていない主人公は、いつでも正しい決断や行動ができるわけでありません。そこで生まれる怒りや、やるせなさを読むと胸が痛くなります。
    ずっと共にいた狼の友人との関係の変化にも泣けてきます。女の子友達とのギクシャクしたぎこちなく不器用な関係の変化は、口元のゆるみが抑えられないですね。そこがメインではないのですが、そういう関係の変化の中で主人公や他の登場人物にたまに垣間見える幸せな場面がいいです。最終巻を読むのが楽しみです。

  • 面白かった…面白かったはず…この巻で読むのが止まったのでいつか再開したい…

全44件中 1 - 10件を表示

ミシェル・ペイヴァーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
上橋 菜穂子
有川 浩
上橋 菜穂子
梨木 香歩
荻原 規子
上橋 菜穂子
荻原 規子
上橋 菜穂子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×