きみのいた森で (海外ミステリーBOX)

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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024311

作品紹介・あらすじ

祖父と母と三人で暮らしていたスチューイ。嵐の日、祖父を失い、元気をなくしていたが、引っ越してきたエリー・ローズという少女と仲良くなって、毎日のように森の秘密の場所で遊ぶようになる。ところがある日、エリー・ローズの姿がぼやけて……消えてしまったのだ。スチューイの世界ではエリーが行方不明、エリーの世界ではスチューイがいなくなっている、というパラレルワールドを描くミステリー。二人の家族の過去には、思わぬ因縁があった。謎を解く鍵は、祖父がつづっていた「秘密の書」。二人の世界はまたひとつに結ばれるだろうか? 一気に読ませる巧みな展開で、2019年のエドガー・アラン・ポー賞を受賞した作品。

感想・レビュー・書評

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  • なんとも不思議な味わいのある物語。

    スチューイは隣に越してきたエリーと出会い親友になる。母親たちが仲違いをし、表だってはあえなくなったが、森の中で二人はいつも遊んでいた。
    ある日、スチューイの目の前でエリーの姿がかき消えていった。
    行方不明になったエリーの捜索と疑心暗鬼で町はギクシャクし始める。
    建設される巨大ショッピングモールの話もからみ、年月が過ぎてゆく。
    スチューイはある秘密を抱えたまま、おじいちゃんの残した『秘密の書』が鍵であることを確信していく。

    〇読み手はドギマギしながら読み進める。どこが着地点かわからず、思わず諦めかけたほど。
    〇忘れていく記憶が切ない。無かったことになるのかな。

  • 図書館の新刊コーナーから、事前情報ゼロで借りてみた。

    仲の良い子供同士、お互いの曽祖父の秘密を知った直後から、別々のパラレルワールドに引き離される。

    森の中のある場所でだけ、2人は会うことができる。他の人には見えない。

    同じ町に住んでいても、2人それぞれの町は、年月の経過によって違う様相へと変化していく。


    後半は一息に読んだ。
    2つの世界がどうなるのか。どちらかだけなくなるのか。2人の存在はどうなるのか。別々のままなのか。出会えるのか。消えるのか。

  • ミステリーと聞いて読みましたが、不思議な話というカテゴリーだと思う。面白いポイントを説明するのは難しいが求心力のある物語。スチューイとエリーに起こる不思議を体感しているような気持ちになるラストだった。

  • 現代は造語なのかな?
    ポチポチくんはないだろ、訳。

  • スチューイが夏休みに森で出会った少女エリーは、誕生日が同じだった。スチューイのひいおじいさんが作ったゴルフ場の跡の秘密の場所で二人は合うようになる。けれど、ある日エリーはだんだんぼやけ、いなくなってしまう。大人たちは総出で探すが、エリーは見つからなかった。ところが、スチューイは時々森でエリーと出会う。なんと、エリーのいる世界ではスチューイが行方不明になっているという。二人がそれぞれに住んでいるパラレルワールドはどうやって統合されていくのか?

    エダガー・アラン・ポー賞(児童図書)受賞作だというけれど、ミステリーなのか?違うと思うけど。ラストもなんとなく終わってしまったようで、すっきりしない。メデタシ、メデタシなんだけど…。

  • 豊かの森のある町で親友同士になったスチューイとエリー。しかし、ある日エリーの姿はぼやけて消えてしまった。そのまま行方の知れないエリー。だが後日エリーが消えた場所に行くと、スチューイはエリーに会えた。ところが、エリーはスチューイが行方不明になってると言い……。

    不思議なファンタジーで、ミステリーという感じはしない。少年少女の成長物語でもある。

    エリーとスチューイの二人は別の世界に分かれてしまったようで、それを起点に二人の世界の形はどんどん離れていくのが面白い。片方の世界では森はなくなったのに、もう1つの世界では森が残っているというように。

    ただ、最後の部分は展開が急だし、なぜまた二人がそのタイミングで会えたのかよくわからない。完全に分かれていたパラレルワールドが突然ぎゅっとくっついたかのように収束する展開に戸惑った。

    印象的だったのは、おそらく傷ついた子どものための役職であるダナさんとの面談のあと、突然スチューイが、自分の見たものよりも、周りの現実を受け入れだしたことだ。そして、おそらく精神科医であるミズー先生に対しては、心を閉ざしてウソをついてごまかすようになる。大人の立場からすれば、スチューイの言ったことが現実のわけがなく、そのように対処することは理解できるが、ちょっと考えさせられてしまった。

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著者プロフィール

1952年生まれのアメリカの作家。ヤングアダルトから大人向けまで幅広い年代に向けて小説を執筆。日本で紹介されている作品に『時の扉をあけて』『手ごわいカモ』など。『きみのいた森で』で、2019年のエドガー・アラン・ポー賞(児童書部門)を受賞。

「2021年 『きみのいた森で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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