現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784568104691

作品紹介・あらすじ

現代スペイン・リアリズムの巨匠アントニオ・ロペス、待望の作品集。

感想・レビュー・書評

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  • おすすめ資料 第203回 (2013.9.13)
     
    スペイン現代芸術を代表する芸術家アントニオ・ロペス(Antonio Lopez, 1936-)の日本初となる個展が巡回しています。
    開催地は近畿圏から遠方ですが、図録は市販され、入手しやすくなっています。

    作品鑑賞はもちろんですが、スペイン語学習者の方は、スペイン語による作家自らのメッセージ(巻頭)とインタビュー(巻末)にも注目してみてはいかがでしょうか。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784568104691

  • 成長するマルメロの木、子供、朝の街角、工事現場、夏の夕暮れ、と成長、変化していくものを表現することの難しさを感じる。
    「最初に受ける感動を表現する能力は、現実の世界を正確にコピーする技量や正確さとは別のものなのです」とのこと。

    表紙の「グランピア」の夏の夜明けのグレーがかった冷たい光は、ウジェーヌ・アジェの人のいないパリの写真を思い起こし、高い視線からのマドリードの景観を描いたシリーズは、地平線が画面の中央で何も描かれていない空と密度のある都市の描写の対比によってスケールの消失を生んでいる。

    現実を理想化しない、態度に感銘を受けた。

  • 昔は図録って展覧会でしか買えないものが多かった気がするんですが、最近は出版記念の展覧会のようというか、まぁ普通に一般流通もする方が確かにいろいろと効率が良い気はするのだけど、なんとなく「本屋で作品集を買う」より「展覧会で図録を買う」意識の方が格段に財布の紐が緩みやすくなるので、書店売りもあるのかと思うと「いつでも買えるのか」とそのままにしてしまうことが結構ある。
    自分にとってそれが良い事なのか悪い事なのかはよくわからないけど、とにかく書店売りしてないと思っている方が自分はあっさり買ってしまう。

    で、これも展覧会を見に行った時点では普通の図録だと思っていたので即購入したのだけど、書店売りもされてたんですね(苦笑)。

    繊細な写実性という作品イメージが先行していたけれど、初期作品はむしろざっくりした絵を描いている人だったんだなと。けれどそのざっくりした色の塊をどんどん細分化していって、浮かび上がるようにしっかりとした形が描かれる過程が見えるような作風がとても面白い。それが後の写実性に繋がっていくのだけど、平面のみならず立体の卓越した表現力は、本当にこの人は目の前のものを捉えて形にする能力が高いんだなぁと。だからこそ素描や描きかけのような絵でさえも、一つの作品となりうる美しさや力や存在感がある。
    その描写力が『室内の人物』などにはハッとさせられる「絵」ならではの表現の面白さだなと思う。

    マドリードの風景作品群は作品のサイズがとにかく大きくて、まさに風景そのものの空気ごと感じられるような感覚は実際に見ると本当に心地良い。
    作品集だけでは到底感じる事の出来ないものはたくさんあるけれど、実際に見た後に作品集を見る事で、その時の感覚を思い出す事が出来るので、自分はなるべく展覧会図録は買いたいと思っている。

    のだけど、その場の勢いで買わないと後日はなかなか手を出し辛くなってしまうもので…やっぱり良いのか悪いのか(苦笑)。

  • 時間作れず、断念。。。
    現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展
    http://www.antonio-lopez.jp/

    美術出版社のPR
    「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス
    光と愛を描くリアリズムの真髄、日本初の回顧展がこの一冊に。
    磯江毅にも影響を与えた、マドリードにおけるリアリズムの中心人物であり、スペインで最も重要な現存の芸術家であるアントニオ・ロペス。
    日本初、そして東洋初の開催となる記念すべき回顧展「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展」に出品されたドローイング、
    油彩、彫刻あわせて64点の傑作を収録しました。
    身の回りの家具や植物、家族など、何の変哲もない日常の生活の中に見出された美を描くロペス芸術。
    20世紀半ばにスペインで台頭した革新的な芸術の潮流と、スペインの伝統である魅惑的なリアリズムとの間をみごとにつなぎ合わせた初期
    作品から近作まで、ロペス芸術の粋を存分に堪能できる1冊です。
    2011年に行われたロペスへのインタビュー(日本語・スペイン語)も掲載。

    [掲載内容]
    作品図版64点(+作品解説)
    「アントニオ・ロペスの絵画についての瞑想」木島俊介
    「アントニオ・ロペスという画家」「アントニオ・ロペスのマドリード都市景観作品 」木下 亮
    「アントニオ・ロペスの終わりなき旅」ギリェルモ・ソラーナ
    「アントニオ・ロペスの初期作品と古代美術との関わりについて」森園 敦
    アントニオ・ロペスへのインタビュー/年譜/主要個展・グループ展歴/主要参考文献一覧」

  • そうか、光は色なんだな、絵は感動の表現なんだ、だからこれほどまでに惹かれるんだ と思った画家です。
    マリアの肖像はすごかった。鉛筆でここまで滑らかに描けるなんて、すごかった。やわらかい鉛筆のタッチが何とも言えない感動。
    本の表紙のグラン・ビアの構図、空間、すべてが美しい。
    特に、ルシオのテラス、と、バリェーカスの消防署の塔から見たマドリード、がとても好きです。もうこれは現実としか思えない。本当にこの光の空間の中にいるかのように思える。画面の中央で切り替わり上が空で下が景観という構図がすごく好きだからさらに惹かれます。この人の都市景観が好き。
    彫刻の男と女には命が宿っているとしか思えない。
    確かにしっかりと絵画や彫刻的な要素が表れているのにでもとても写真のような、実際に肉眼で見ているような空気と魂を感じる。
    これほどに感動を創作物に表現しまた鑑賞者に感じさせることができるなんて。

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