バンクシー 壊れかけた世界に愛を

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  • 美術出版社
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本棚登録 : 98
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784568202755

作品紹介・あらすじ

「アートの世界は、最大級のジョークだよ。」――バンクシー
なぜ、作品はオークション会場で細断されたのか?世界各地で巻き起こされる“事件”から、覆面アーティストの真相に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年にロンドンのオークションハウスで100万ポンドで落札された瞬間に起きたシュレッダー事件でバンクシーを知った人は多いだろう。
    東京日の出駅付近にある防潮扉の一部に描かれた「バンクシー作品らしきネズミの絵」が都庁舎で一時的に公開され、小池百合子都知事と共に映った映像も記憶に新しい。

    バンクシーはシニカルでユーモアのある風刺をストリートに描き、政情や差別の問題をユーモアを含めながらも痛烈に批判する。
    批判の矛先は、政治経済を司る政府や大企業だと思っているだろうが、実は「これは我々の問題なんだ」という自覚の足りない私たち一人ひとりに訴えている。
    賛否を含め、さまざまな視点からの議論がおこること自体が、多くの人が考えるきっかけになっている。

    バンクシーはしばしば美術館にも牙を向けている。(これは知らなかった)
    なぜその作品が美術館に展示されているのかという疑問を投げかけているのだ。
    本書の著者は、博物館や美術館と社会の関係を専門にしているので、多くのページをこちらの問題提起に割いている。
    確かに私自身も美術館に行くと、何でこんな絵に価値があるの?と思い、「わかる人にだけわかればよい!」と言われているような排除感を感じてしまう。

    バンクシーの映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」は、アーティストとしての才能も知識も技術もない男が一夜にして有名になり、その作品が高値で売れまくるというシンデレラ物語だそうだ。
    この映画のタイトルは、「クソのような作品をバカに売りつける方法」にしたかったとバンクシーは語っている。バカとはもちろん富裕層のことだ。

    バンクシーのアートに関する問題意識は、次の言葉に集約されている(と思う)。
    『僕らが見るアートは、選ばれた一握りの人がつくったもの。その小さいグループにいる人達だけが作ったり、プロモートしたり、買ったり、展示したりする。そして、「アート」の成功って何かをきめるのさ。世界で、たった数百人の人達だけが発言権をもっているんだ。美術館に行く君は、大金持ちのトロフィーのキャビネットを見る、ただのツーリストでしかない。』

  • 正体不明のストーリートアーティスト、バンクシー。世界を驚かせ作品を通して強烈なメッセージの本質を代表的作品・活動から探る。現代美術とは一線を課していたバンクシー作品が美術館に収集されるという事実が皮肉めいて爽快である。‬

  • イギリス、ブリストルのストリートアーティスト、バンクシーについて考察された本。バスキアなどとは異なり、匿名を貫き続けるバンクシーは、サロン的なアートの世界とは一線を画し続けた。その姿勢が端的に表れたのがオークション開場でハンマープライスになった瞬間にシュレッダーが作動して作品が細断されてしまう、という事件。ブリストル美術館で完全にシークレットで展覧会をやった時には、相当の動員数を叩き出すが、同時にアート界にすり寄ったと批判も受ける。常にアート界との距離感を保ち続けながら、刺激し続ける注目のアーティスト。なだけに、バンクシーを考察するというのが矛盾した事にも思えた。街で偶然出会える環境にいる人が羨ましい。日本だとチンポムか。もっとハジけてほしい。

  • ストリートアートは一括して「迷惑なラクガキ野郎」と認識してたが、ここまで文脈のはっきりとした主張をされると、アートかどうかはともかく作品であることは間違いないと認識を改める。追随者、模倣者の程度が低いだけか。

  • オークションでの落札と同時に、自らの作品を断裁した、「シュレッダー事件」の仕掛け人、バンクシーについての本。

    美術、現代アートについて、興味があったので購入。

    バンクシーは、素顔を隠したまま、この事件以外にも、多くの面白い事件を発生させている人物で、その人物を通して、世界の矛盾や、分断について、掘り下げさられている。

    装飾も、美術出版社に負けない、オシャレさ。

  • 「誰だって、15分で有名になれる。」(ウォホール)

    グラフィティ 1960年代~ 文字
    ストリートアート 1980年~ 絵

    ブリストル生まれ?
    1999年~ ロンドンへ

    公的な美術館 1800年前後
    自文化至上主義

    Exit through the gift shop
     ドキュメンタリー映画

    パレスチナ ベツレヘム
     The Walled off Hotel 世界一眺めの悪いホテル
     バンクシーの建てたホテル
     一泊 ドミトリー60USD~
     バンクシールーム からのリアリティな眺め
     「flower Bomber 花束を投げる青年」
     
     

  • ☆ストリートアート

  • バンクシー初心者の私には十分な内容でした。今までの活動と主要な展覧会の様子が解説されています。

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著者プロフィール

吉荒夕記
大学共同利用機関法人国立民族学博物館でミュージアムエデュケーターとして勤務。その後、英国レスター大学大学院博物館学部での修士課程を経て、ロンドン大学美学部で博士課程を修了。現在、ロンドンでミュージアム・コーディネートのプロジェクトをおこしながら、ミュージアムに関する社会学的研究を続けている。

「2014年 『美術館とナショナル・アイデンティティー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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