欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)

著者 :
  • 美術出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784568502770

作品紹介・あらすじ

デザインで恥をかかないための欧文書体のルールとマナー。

感想・レビュー・書評

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  • タイポグラフィの世界にすっかり魅せられています。

    欧文って視覚的に本当に美しいですね。
    (内包する意味、響きは俄然日本語が好きですけれど)

    わたしは別にデザイナーでも何でもなくて
    ただただ趣味の範囲での興味だけれど、非常に学びが多い。
    実務にも活かせる良書ではないでしょうか。

    いつだったか、友人の@Umechusか@KeigoSakatsumeかが
    こんなことを呟いていたのを急に思い出しました。
    「アートとデザインは全然別のもの。
    デザインは明確なコンセプトがあって、
    目的達成のための手段である創作活動。」
    とかこんな感じの内容だったと思う(あやふやでごめん)。

    つまるところ、デザインには構成のひとつひとつに意図があって然るべき。
    だから神は細部に宿るわけですね。

    本書ではフォントそのものの効果的な活用法を
    実例を用いてレクチャーしているわけですから、
    デザインを業にしている人はもちろん、わたしみたいなミーハーにも
    役立つことこのうえなし、な一冊です。

  • 世界に名を馳せるタイプデザイナーと協業してきた著者による、欧文書体の使い方、代表的な書体が書かれている入門書。

    いかんせん20年近く前の本なので、少し情報や通例が古いところもあったけれども「こんな書体もあるのか」「これはこんな用途だったのか」と発見や気づきがあったので面白かった。(個人的には著者の自慢が薄々紛れ込んでいるのが気になったけれども…。)

    読んでいて、書体はルールに従わなければならないお堅いものではなくて、状況や伝えたいメッセージに応じて変えていく、スタイリストにとっての服のようなもの。引き出しはたくさん持っておくに越したことはない。

  • 欧文フォントの作法や歴史、書体製作の考え方の奥深さを垣間見た。
    筆者は欧文書体の日本におけるパイオニアで、たづがね角ゴシックをはじめ、多くの欧文書体を手がけた方。眼識あるのがよくわかる。

    デザインの嗅覚やセンスはもちろん、書体製作にあたり、歴史や背景からひもとき、突き詰めるする一流の姿勢は、どの分野の職業人にも参考とすることができる。

  • 欧文書体のいろいろ。欧州における日本語の扱いと日本における欧文書体の扱いが対比的に書かれている部分があり、わかりやすいし、おもしろい。

    メモ
    ・平筆で書いてみることで、ローマン体大文字の理解が進む。書きやすい方向で書いたものがそのまま特徴になっている。明朝体の止めのような部分と同じ。
    ・小文字は大文字の筆記体から生まれる。平仮名の成り立ちと似ている。
    ・恥をかかないためのルール
    間抜け引用符を使わない。""
    強調したいときは大文字でなくイタリックで。
    長い単語は次行におくらずにハイフンで分割して使う。大きな凹凸が生まれないように。
    ・時代別の書体
    紀元前から4世紀ごろ。大文字しかなかった時代。
    13-14世紀 ゴシック様式が生まれる。
    ・フォント検索ツール
    ライノタイプ。条件で検索できる。
    ほか、myfonts.comも。

  • 実務で欧文の本文組をする機会は少ないにしても、それぞれの書体のバックグラウンドや最低限のルールを知ることができたのは本当に良かった。実践を繰り返してより深くノウハウを身につけていきたい。

  • 欧文タイポグラフィのバイブル。
    小林さんの著書はどれもわかりやすいし、そのうえ実践の仕事でも世界的な功績を挙げ続けているので、とても説得力がある。

  • 面白かった。いつもながら小林章さんの本はとても明快かつ納得感のある説明ですごい。この方が現在の仕事に就くまでの略歴も述べられており、とても興味深かった。

  • 非常に基礎的であり実践的でありかつわかりやすい内容だった。組版の基本的なルールが記されているため、欧文書体だけでなく日本語書体を使う上でも参考になる。詳細に書かれた有名書体の特徴や背景を知ることで書体に対する見方が大きく変化した。フォントを使うなら一度は読んでおくべきだし、何度も読み返すべき本であるように感じた。

  • ・カウンターと字間の空き具合が視覚的に同じような幅なら、リズムが取れているといえる。
    大文字はOの文字のカウンターを基準にする。
    ・白抜きには少し太めのフォントを選ぶ。
    ・強調したい部分、慣れ親しんでいない外国語、はイタリックで書く。
    ・文章組みでは、長い単語は分割して改行させる。ただし分割する部分は音節がまとまるよう注意を払う。

  • タイポグラフィ初心者の私も楽しみながら勉強できた。フォントが持つ印象や歴史などたくさんのことがわかる本。欧文を組む前に絶対に見るべきだと思う!素晴らしい本。

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著者プロフィール

ドイツ・モノタイプ社タイプディレクター。欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して2001年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏と共同で欧文書体開発を手がけたほか、日本語書体「たづがね角ゴシック」のディレクションを担当。欧米、アジアを中心に講演やワークショップを行い、世界的なコンテストの審査員も務めている。著書に『欧文書体』『欧文書体2 』『フォントのふしぎ』(美術出版社)、『まちモジ』(グラフィック社)、共著に『英文サインのデザイン』(BNN新社)がある。

「2020年 『欧文書体のつくり方 美しいカーブと心地よい字並びのために(3,000円+税、Book&Design)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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