日本の反省: 豊かさは終ったか (PHP新書 7)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569553719

感想・レビュー・書評

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  • 日本は、日本による頑張りによって
    豊かにはなりました。
    ですが…

    何というかいろいろと考えさせられますね。
    それと、危惧していた問題の何点かは
    すでにその牙をむき始めています。
    なんというか、自分しか考えられない人
    本当に多いよね。(某SNS)

    少数派の著者ですら残念なことに
    今の経済に対する
    明確な答えを出すことができていません。
    適宜適切な方法を取る、
    しか方法はないのでしょうね。

  • 飯田経夫の発想は、おもしろい。
    素直な話がよくできている。
    1996年12月に出版された。
    そのころの状態を明らかにすることができる。
    しかし、経済学は、いまの状況を切り開くことができないでいる。

    経済学者・エコノミストとしての反省
    経済学がいかにわかりやすく説明できるかということである。
    経済学は、「社会哲学」でなければならない
    と信じている。
    よき社会とは一体どういう社会なのかを考える学問のことである。

    「足を知る」時代にふさわしい「経済学」を、
    新たに構想する必要がある。

    (1)なぜ、高学歴のエリートを、オウムに走らせたのか?
    「科学の無力感」ー科学は、人間のこころを救えない。
    「科学技術の成果に期待しない時代」がやってきている。
    科学の成果が幸福につながらない時代

    「私の経済学が、一人の若者に、
    オウム真理教への入信を思いとどまらせることは、
    できそうもない。」

    (2)日本は、豊かではないのか?
    豊かになり、人々は、不平不満を心おきなく言動に
    あらわすようになって規律は失われる。
    腹一杯食べて、満腹しもう食べたくないと
    いっている人の口を力ずくでこじ開けて、
    「もっと食え、もっと食え」と無理に食べ物を
    押し込むようなものである。
    買いたいものがなにもない。

    インターネットは、「電子チラシ」にすぎない。
    さまざまな商品も、「差別化」の極に達して、
    本当に必要かどうかわからないような、
    どうでもいい「新機能」をくっつけて値を上げ、
    「過剰品質」を誇った。
    時短は、意味があるのか?

    (3)空洞化について
    国内生産をより付加価値の高いものに
    特化させるとともに、新産業を育成する。
    個性あふれ、独創性に満ちた「天才の待望論」

    「日本とは人情も風俗も違い、
    制度も習慣も違う外国で工場を設立し、
    それを動かしてものをつくり、
    その製品を売って利益を上げるということは
    本当に大変である。
    ものづくりを含む経済が、実は一つの文化だからである。」

    (4)なぜ、バブルに踊ったのか?
    ハーヴェイ・ロードの前提
    1、政策エリート自身が、判断ミスを犯す
    2、判断が、正確であるが、政治的圧力によってねじ曲げられる。

    バブルのおこった原因
    金融の超緩慢状態が生じ、カネがダブついた。
    1、ダブついたカネが、いったいどのように使われたのか
    株と土地に投入された。
    株価と地価の値上がりが、
    永遠に続くに違いないという判断ミス・錯覚・集団的狂気
    なにか途方もなくすばらしいことが
    おころうとしているかに、錯覚していた。

    2、ダブついた理由はなぜか
      
    バブル時期に警鐘を鳴らすことができなかったか。
    日本経済の「失速」は、なぜおこっているのか
    日本人は、反省ばかりしているのではないか
    アメリカの失敗の原因は、レーガノミクスにある。
    アメリカは、本当に好調なのか?
    製造業の「空洞化」が存在している。
    今必要なのは、「規律」ディシプリンにある。     
    真の豊かさ 精神的満足の追求 「簡素な生活」 

  • (1997.12.05読了)(1996.12.10購入)
    「豊かさ」は終わったか
    (「BOOK」データベースより)amazon
    “もういいや”の言葉に象徴される無力感と相次ぐ金融不祥事に象徴される「規律」の喪失。物質的「豊かさ」を実現し、ほんとうに買いたいものがなくなったとき、私たち日本人は、これまでどおり「よき社会」を維持していくことができるのだろうか。日本的経営の再評価、悪しきアメリカニズムとの訣別を柱に、「飽食」の時代にふさわしい「足るを知る経済学」のあり方を問う。「経済学とは社会哲学である」を信条としてきた、飯田経済学の集大成。

    ☆関連図書(既読)
    「円高歓迎論」飯田経夫・水谷研治著、PHP研究所、1995.08.31
    「アメリカの言いなりは、もうやめよ」飯田経夫著、講談社、1995.11.20

  • コーヒーをこぼして訴訟を起こし、それが正当化される社会に警鐘を鳴らす本。確かに節度とか大事やと思います。

  • [ 内容 ]
    “もういいや”の言葉に象徴される無力感と相次ぐ金融不祥事に象徴される「規律」の喪失。物質的「豊かさ」を実現し、ほんとうに買いたいものがなくなったとき、私たち日本人は、これまでどおり「よき社会」を維持していくことができるのだろうか。
    日本的経営の再評価、悪しきアメリカニズムとの訣別を柱に、「飽食」の時代にふさわしい「足るを知る経済学」のあり方を問う。
    「経済学とは社会哲学である」を信条としてきた、飯田経済学の集大成。

    [ 目次 ]
    第1章 「豊かさ」は終わったか
    第2章 「豊かさ」のなかの不況
    第3章 ケインズ経済の落とし穴
    第4章 バブルはなぜ起こったか
    第5章 アメリカ支配からの脱却
    第6章 「飽食のハードル」への挑戦
    第7章 真の「豊かさ」とは何か

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    [ 参考となる書評 ]

  • 豊かになって飽食になったから経済成長が止まったというところからスタートするので、すごく主観的で違和感が否めない。というか、バブル崩壊で日本が世界の覇権国になれなかった鬱積した感情(+資本主義自体への反感?)が爆発した“斜陽”感がすごく強い。

  • いい本だと思う。
    ただ、データに基づく話は少なく、主観的な話なので、
    賛否両論あると思う。
    後半は話があまり進まなくてだれる感じがする。
    それでも、個人的には重要でいいことが書いてあると思ったので、
    経済や社会を考えるなら読んでおきたい本としておすすめしたい。

  • 2010/03/26

    「豊かさ」について、バブル前後の日本とアメリカの関係から考察する内容。
    不況が叫ばれてはいるが、冷静に見れば日本は明らかに豊かである。
    「豊かになった結果、社会のレベルが低下する」「日米問題を考えるとき、日本はいつも自分が悪いと考える癖がある」といった話は、自分の実感に大方合致しているように思われた。
    アメリカや他の欧米諸国が越えられなかった「壁」を日本は越えることができるのだろうか。そのためには、欧米的個人主義の見直しと日本的価値観の再興が必須条件であろう。

  • 「経済学は社会哲学である」を信条としてきた飯田経済学の集大成。個人的には、第3章:ケインズ経済の落とし穴 第4章:
    バブルはなぜ起こったか をオススメします。

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