知ってるようで知らない日本語 (PHP文庫 し 17-1)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569575094

感想・レビュー・書評

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  • 以前外国の方に日本語を教えていたことがあったときに日本語が実に幅広くて奥が深いと感じたことがある。言葉のもう一歩の意味を知りたいときにはおすすめの一冊です。よく口にしたり、聞いたりする言葉をさらに知りたいとき学びたい。
    この一冊で説明している言葉をいくつか紹介したいと思います。
    例えば

    「手を焼く」
    大やけどをしてしまう?
    子どものやんちゃに困り果てた母親が、"お前は本当に手の焼ける子だね"と言ったところ、"それじゃ、ママお手々がやけどしてしまうの?"と、心配のあまり泣き出したという笑い話がある。

    子どもの“世話”をするのには「手」をあれこれ使うところから、「手」には“世話”の意味がある。また、「焼く」のは、物だけでなく、心も焼くことがある。「焼く」に、“心を悩ます”“気を配る”の意味があるのはそのためである。つまり、「手を焼くのは」、“あれこれと世話をさせられる”ことだ。

    子どものうちはともかく、大人になっても変わらないと、本人が大やけどすることになる。



    「花道を飾る」
    どんな道を飾るの?
    「花道」は、歌舞伎の舞台で客席を縦断する橋廊下のことである。しかし、単なる通路ではなく、舞台の延長であるから、役者は出入りのとき、格好よく見せようと、「花道」での所作をひときわ派手につとめる。「花道を飾る」というと、人の退陣に際して、道を花かなにかで飾って送り出してやるというイメージを抱きがちだが、本来は、本人がはなばなしく降る舞うことなのである。

    外国の舞台には、エプロンステージといって、エプロンのように前に降り出した舞台はあっても、花道はない。「花道を飾る」のは、日本の美学といえるだろう。



    「一目を置く」
    “二目”“三目”置いたらどうなる?
    ゴルフの試合には、ハンディをつける場合がある。つまる、ゴルフの上手な人に対して、それほどでもない人が、前もって点数を乗せてもらうというものだ。
    囲碁にも、同じようなやり方がある。それが、“一目”だ。先手必勝というが、その教えにのっとって、弱いほうが一に一目置かせてもらい、優位に立たせてもらうのである。ここから「一目置く」とは、自分より優れた人に対して、敬意を表する、という意味になった。
    ただ、ゴルフでもあまり半デイのありすぎる人とプレーしても、おもしろくない。“二目”“三目”も置くような相手は敬遠したくなる。

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