心を伝える技術: 自分を知り、相手を知る心理学 (PHP文庫 こ 8-6)

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  • / ISBN・EAN: 9784569575391

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  • 心を伝える技術
    自分を知り、相手を知る心理学
    著:國分 康孝
    PHP文庫 こ 8 6

    よい関係を築きたいと思っている相手に、どうすればその気持ちをストレートに伝えることができるのか
    これが本書のテーマです。

    カウンセリングに詳しい筆者が、心理学の立場から、感情や考えなどの心を伝える方法から自己主張の仕方、さらに上手な助言のコツまでを説いた、よりよい人間関係を築くためのバイブルである。

    気になったのは、以下です。

    ■心を伝えるわけ

    ・人に心を伝えるのは人を動かしたいからです。なぜ人を動かしsたいか、人を動かさないと生きられないからです。
    ・心を伝える技術を学んだほうがよい主な理由は
     ①現代社会における人口移動の激しさ
     ②現代人の民主主義思考。

    ・心を伝えるとは具体的に何を伝えるのか。
     ①事実、②感情、③思考

    ・心を伝える方法は
     ①言葉によるもの
     ②言葉によらないもの 声の調子、間、視線、表情、服装、ジェスチャー、座り方、歩き方、熱意
     ボディコンタクト、リチュアル(共同行為)、プレゼント

    ■相手に応じて加減するコツ

    ・やりとり、会話の骨子
     ①伝えないほうがいいこととはなにか
     ②好意・敬意をどう伝えるのか
     ③伝え方の技法の他に心がけるべきことはなにか

    ・不用意にふれないほうがいいトピック
     ①金銭、②地位、③学歴、④身体、⑤異性関係、⑥レッテルはり(ノイローゼとか)

    ・コミュニケーションは、好意・敬意を伝えるところから始まる
     ①受身的表現
     ②能動的表現
    ・好意・敬意を能動的に伝えるコツ
     ①事前調査 相手に関する情報をする
     ②時間観念 相手の時間を大切にする
     ③会う場所 会う場所を親切に説明すること
     ④環境設定 会う環境を整える、失礼のないようにする
     ⑤服装 会うにふさわしい服装
     ⑥報連相 こまめに情報を交換する
     ⑦立ち振る舞い

    ■グループにとけ込むコツ

    ・グループを見る観点
     ①役割
     ②力 ボス、インフォーマルリーダ
     ③下位集団
     ④メンバーの感情関係
     ⑤情報 メンバーの人並みの情報をもっているか
     ⑥集団の規範 しきたり

    ・グループの話し合いで注意すること
     ①脱線しないこと
     ②人にも発言の機会を与えること
     ③グループの話し合いのメリット
      人も自分と似ている
      自分が気づかなかった考え、感情、行動があり態度を修正できる
      自分の発言に反対の意見があって、自己盲点に気づく
     ④まず、受動的発言から、次に、能動的発言へ
     ⑤発言のタイミング

    ・司会者としての注意
     ①時間配分
     ②脱線させない
     ③目標を目指して進行する
     ④発言を促す
     ⑤介入をためらってならない瞬間を逃さないこと
     ⑥起こりうることへの準備をしておく

    ■パブリック・スピーチのコツ

    ・対話のあるスピーチとは、聴衆の反応を見ながら話すこと
    ・原稿をつくらずに、スピーチプランをつくる(内容をメモ程度にとどめる)
     ①まず話しのテーマを、1行できめる。⇒トピック
     ②トピックは、自分の知っている分野、自分が好きなトピックにする
     ③内容を、おもしろくて、かつ、ためになる ものにする
     ④ためになるとは、新しい考えへの刺激、新しい行動への刺激、或る感情が刺激されて意欲がでる
     ⑤トピックがきまったら、自分が何を言いたいのか、要旨を自問自答します
     ⑥要旨を、聴衆に伝える順番を決める
     ⑦いくつか筋立てをつくって、メモ書きを作る
     ⑧それぞれの筋立てに肉付けをする
     ⑨結論を考える、そして、要旨と矛盾がないかを確認する 要旨とは一般的であり、結論は具象的である

    ・スピーチには非言語的表現を活用すること
     ①会話風にインフォーマルに話す
     ②全員に聞こえる声で話すこと
     ③定刻にスピーチを終えること

    ■ヘルピングのコツ

    ・しないほうがよいこと
     ①相手が自発的にならない限り、突っ込んだ質問をしない
     ②相手に簡単に加担しない
     ③相手の状況や問題を推論しているにすぎないのに、事実であるごとく断定をしない
     ④自分の能力を超えない

    ・相談には4つの段階がある
     ①声かけ
     ②現状把握
     ③何がネックなのかを発見する
     ④問題解決の処方箋を考える

    ・相談相手への4つの責任
     ①秘密の保持
     ②恩を売らない
     ③独占欲、嫉妬に注意する
     ④アドバイスをした以上、逃げ隠れしない

    ・留意点
     ①いやがること、乗り気でないことに、無理させない
     ②アドバイスを与えるときに、いいことづくめでないこともあると伝える
     ③アドバイスがうまく行かない場合は、気持ちよく相談にのってあげようと覚悟をきめる
     ④明日は我が身ということ
     ⑤自分の手にあまるときは、いいかげんなことをいわずに、しかるべき人のところにいかせること

    ■使えるものを使うコツ

    ・文章表現の4つのねらい
     ①事実の伝達
     ②説明
     ③説得
     ④感情の伝達

    ・文章を書く時のコツ
     ①目的と方法を意識する
     ②読む人がイメージしやすいように書く
     ③文章表現様式

    ・以心伝心の5つのパターン
     ①逆表現 わざと冷徹に扱う
     ②口実を作る
     ③焦点ずらし
     ④見ぬふり、知らぬふり
     ⑤ふりかえ

    ■いうべきことはいう能力を養うべし

    ・自己主張と攻撃とは違う
     自己主張とは相手の立場を認めた上で、自分の立場も認めてもらおうとするもの
    ・攻撃の感情とは
     ①恐怖
     ②勝ちたい一心
     ③我慢する能力が低い
     ④過去を清算できずこれまでひきづってきている

    ・人の迷惑にならない限り、自分の好きな方法で幸福を求める権利
     ①自尊心を守る権利
     ②ノーという権利
     ③感情表出の権威
     ④行動を起こす前に考える権利
     ⑤変心する権利
     ⑥人に依存する権利
     ⑦ほどほどにする権利
     ⑧情報を求める権利
     ⑨失敗する権利

    ・自己主張6通り
     ①欲求表現
     ②感情表現
     ③ありがた迷惑の表現
     ④共感的主張
     ⑤対決的主張
     ⑥不快の表現

    ・必要ならば、自己主張できるが、状況からして、今は自己主張しないだけである。
    ・自己主張できないのと、自己主張しないのとでは雲泥の違いがある

    目次

    文庫版のためのまえがき
    まえがき
    第1章 心を伝えるわけ
    第2章 相手に応じて加減するコツ
    第3章 グループにとけ込むコツ
    第4章 パブリック・スピーチのコツ
    第5章 ヘルピングのコツ
    第6章 使えるものを使うコツ
    第7章 いうべきことはいう能力を養うべし
    あとがき

    ISBN:9784569575391
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:240ページ
    定価:476円(本体)
    発売日:2001年04月16日第1版第1刷

  • 誰かにオススメされて読んだ一冊。特に1対1でコミュニケーションをとるときに、「ひとつ付け加えるなら」くらいの項目が心理学の視点から書かれていて、参考になりました。こういうところにも気をつけてコミュニケーションをしている人と比べれば自分は相手へのていねいさが全然足りないので、気をつけたいと思います。ただ、少し技術よりというか、テクニックよりも大事なのはスピリッツでしょ、という気もした一冊でもありました。

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