人生心得帖 (PHP文庫 ま 5-39)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569575605

作品紹介・あらすじ

本書は五月に一挙に六冊文庫化された松下幸之助の「心得帖シリーズ」の四作目である。他の五冊が商売と経営をテーマにした作品であるのに対して、本書は表題どおり、人生についての考えを述べたものであり、その人生論はまさに松下自身の体験と鋭い洞察から得た“生き方の智恵”“人生の指針”といってよい。▼たとえば、「病とつきあう」という項がある。そこで松下は、病から逃げてはいけない、病を恐れて遠ざけていると、病は後から追いかけてくる。反対に、病を味わい病と仲よくすれば、最後には病のほうから卒業証書をくれる、という。▼実際、松下はもともと体が弱く、二十歳の頃に肺尖カタルを患い、三日働き一日休むというような生活をしていた。その後、体の調子と相談しつつ仕事を続け、結局、九十を超える人生を送った。▼人間としての成功とは何か、悩みはどう解消すべきか、生きがいとは何か……。人生の達人・松下の言葉には時代を超えた説得力がある。

感想・レビュー・書評

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  • audiobookで聴読。

    1894年11月27日生まれの松下幸之助氏が本書の前書きを書かれたのは1984年5月。

    まもなく90歳を迎えようというときに、それまでの人生を振り返って、自らの人生から得たことをまとめられた書である。

    前書きでは、こう述べられている。
    「奥行きが深く、複雑で微妙な人生。まだまだ修業途上にある私が、人生について語るのはおこがましい限りです。しかし、私なりの体験とそれに基づく考えが、みなさんのよりよき人生のために、いささかなりともお役に立てばとの願いから、あえてまとめてみた次第です。ご意見、ご感想等お聞かせいただければ幸いです。」

    日本を代表する人物の90歳での言葉である。この謙虚さこそが偉大さの証明のように感じる。

    内容もすばらしく、何度も読み返し聴き返したい書だ。
    目次を追うだけでも生き方のエッセンスが見えてくる。

    01 まえがき
    02 人生の航海術
    03 運命に光彩を
    04 磨けば輝く人間の本質
    05 人間としての成功
    06 天分の発見
    07 まず信頼すること
    08 感謝する心
    09 こわさを知る
    10 人情の機微
    11 日々の体験を味わう
    12 長所も短所も
    13 流されずに聞く
    14 仕事と運命
    15 熱意と誠意
    16 学問を使いこなす力を
    17 病とつきあう
    18 悩みの解消
    19 続けること、辛抱すること
    20 自己観照
    21 無用なものはない
    22 物を泣かさず
    23 年齢と持ち味
    24 女性と仕事
    25 親の責任
    26 人生を生ききる
    27 ”生きがい”ということ
    28 よき人生とは
    29 天寿を全うする

  • 松下幸之助の著書は定期的に読みたくなる。
    何か人生の岐路に立った時はいつもヒントになる言葉を得ることができる。
    自分の心を外に出て自分を見つめ直す、というそこらじゅうでよく聞く内容も松下幸之助が言うと重みが違う。
    90歳の時に書いた本との事だが、最後までエネルギッシュな人だったんだなと伝わった。

  • ■目的
     人生の決断の一助とするため

    ■ひとことで言うと
     運命に身を任せつつ、自らの価値観に沿った選択を

    ■キーワード
     ・自然の理に背かない
     ・他人に意見を求め、素直な心で聞く
     ・人知を超えた力に身を任せる
      →人事を尽くして天命を待つ
     ・「自己観照」=自分を客観視する
     ・自分の人生に対する考え方=人生観を持つ

  • ありきたりな内容だな、と思いつつ読んでいくと、たまにはっとさせられるフレーズが出てくる感じ。
    きっと今読んだときの感想と、年老いてから読んだときの感想は違ってくるんだろうな…

    • ふくしかくブログさん
      20代になったばかりの頃に買いましたが、30代になった今でも、本に内容は色あせてないなと思います。10年前と本の内容は同じなのに、自分の感じ...
      20代になったばかりの頃に買いましたが、30代になった今でも、本に内容は色あせてないなと思います。10年前と本の内容は同じなのに、自分の感じ方が全く変わっています。不思議ですが、とてもためになる本棚と思いました。
      2021/09/25
    • EVEさん
      ふくしかくブログさん

      現在の感じ方と数十年後の感じ方、どちらが素晴らしいということではなくて、今現在、自分が感じていることや思っていること...
      ふくしかくブログさん

      現在の感じ方と数十年後の感じ方、どちらが素晴らしいということではなくて、今現在、自分が感じていることや思っていることを大事にしていきたいですね。
      私は今20代ですが、いつか30代や40代になったときに読み返すのが楽しみです。
      2021/09/26
  • 松下幸之助の心得帖はこれで二冊目。とても説得力がある一冊。大きな病気になったときに読み直したい。

  • 悩んだり苦しいときに読んでます。読む時期やタイミングで作品の色、語りかけるカラーが違い著者の人間的深さを感じられて素敵です。

  • 30代で突然経営者として親の後を継ぐことになった時、この先どのように生きるべきなのかに迷った時、とてつもない困難にぶつかった時、この本を繰り返し読みます。

    いつ読んでも、その時々で感じることがあり、前向きに生きる原動力になる一冊です。

    「自分に与えられた運命をいわば積極的に受けとめ、それを知らず識らず前向きに生かしてきたからこそ、そこに一つの道がひらけてきたとも考えられます。

    みずからの意識や行動のいかんによっては、与えられた運命の現れ方が異なってくる。つまり、「人事を尽くして天命を待つ」と言う言葉ありますが、お互いの生き方次第で、自分に与えられた運命をより生かし、活用できる余地が残されているとも考えられます。」

    など、数えきれないくらい名言がぎっしり詰まった一冊です。

  • 90歳目前に幸之助さんが書いた本。示唆深く、彼の偉大さが味わえます。特に前書きが良い。

  • 90歳の松下幸之助さんですら、「人生について語るのはおこがましい」とおっしゃる謙虚さに、普段忘れていたものを思い出させられたような気がした。
    今のわたしに必要なことがたくさん書いてある。偉大な経営者の言葉ながら、10代、20代といった世代でも今日からの生活、心構えに活かせることばかり。
    人間はダイヤモンドの原石のように、光り輝く本質をもっている
    人間というものは非常に偉大にして尊い存在である
    ともすれば綺麗事になってしまうような言葉でも、松下幸之助さんの人生経験に裏打ちされた言葉やエピソードによりすっと入ってきます。
    特に「感謝する心」の項は何度でも読みたいです。

  • 松下幸之助さんの本を初めて読みました。
    今までに読んだ経営者の方々の本の中には必ずと言っていいほど出てくる松下幸之助というお名前。
    松下電器の創設者ということが知ってはいたけれども、この本を読むまではやっぱり私のような凡人にはできないような生き方をしてこられたんだろうと勝手に思っていました。

    でも、この本を読んだら松下幸之助さんに対するイメージががらりと変わり、みなさんがなぜこの方を目指したり、ロールモデルとするのかが分かりました。

    文章がまったく難しくなく、すっと心に染み入ってきて、自分の今の状況や考えを省みるいい時間でした。

    最近、人生で悩んでいる友達がいるので、この本をプレゼントしようと思うそんな本でした。

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著者プロフィール

パナソニック創業者

「2019年 『現場で闘うリーダーに知っておいてほしいこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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