東洲しゃらくさし (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569576008

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎と写楽。
    歌舞伎に詳しい著者らしい作品。

  • 歌舞伎ちらっと好きなので、へえ〜、歌舞伎脚本とか書いてらした方なのね〜!と言う興味で読んでみた。
    蔦屋さんあたりは芝居でも見てるので、面白かった〜、
    が、菊之丞サマに萌えたよね!w

  • 写楽は上方の舞台芸術の人間だったという前提に、江戸の舞台や文化について概論的な小説。
    個人的にはもっと写楽について掘り下げて欲しかったけど、途中で作者が得意の分野に筆が走ったのだろうなあという印象。

    江戸の蔦屋あたりの濃さは異常だよなあ。
    地方の文化人も把握してるのだから。
    蔦屋についての小説ないかなあ。

  •  直木賞を受賞した松井今朝子の作品です。写楽本ということで、最初に手を出しやすいですが、これから読むことはおすすめしません。写楽の正体は?という謎解き本ではありませんし、話の展開がややぶれることがあります。何冊か他の作品を読んでからならおすすめしますが、これから読むと、たぶん他の作品を読んでみようという気にはならないと思います。やっぱり『仲蔵狂乱』から読んでもらいたいです。


  • 東京国立博物館の「写楽展」から帰ってきて、引っ張り出した。

    写楽展で見た役者や版元の蔦谷重三郎が、動いて歩いて苦悩して笑う。
    男たちの友情や信頼、だまし合い、足の引っ張り合いなど、芝居小屋を舞台に、生身の心がぶつかり合う、もしくは見栄をはりあう。

    写楽自身の言葉は数多くないけれど、十分に楽しめる。

  • 上方の人気狂言作家・並木五兵衛が江戸に進出。五兵衛の目から東西の歌舞伎文化の違いや、有名役者たちとの関わりが語られる。同時に、五兵衛に絵の才能を見初められ江戸へ出た道具彩色方の職人・彦三は、見たものの本質を大胆に描き映す才能を見いだした版元・蔦屋の元で、雅号を東洲斎と名付けられ役者絵を描き始める。

    実在人物の生涯の中に写楽の謎を絡めている。小説にしては説明臭さも感じるが、歌舞伎文化の説明を、芸事に生きる芝居者たちの物語として読ませてくれるという感じだった。

  • これがデビュー作。
    歌舞伎界を描くのは独壇場ですね。
    今に伝わる名門の名前に感慨が。
    上方と江戸との違いが、上方で名をうって、江戸に乗り込んでくる狂言作者(脚本家)並木五兵衛の視点から描かれます。
    若い頃に親しくしていたことがあった女形の富三、が今では瀬川菊之丞を継いで、大きな存在になっていました。
    しきたりの違いから、五兵衛は当初は大失敗しますが、辛抱が足りないと菊之丞に諭されます。しだいにこつを覚えて成功の道を歩むのでした。
    田沼の時代が終わり、贅沢は禁止され、政道を批判などしたら手鎖の刑を受けたりという~厳しい時代。
    生き残りを賭けた絵師や版元の工夫や努力。
    芝居をかけるには大金がかかる。歌舞伎役者が座元をつとめるような江戸のやり方では、大借金を背負って、芝居小屋がつぶれてしまう。
    それでも、何としても芝居をやりたいという人が必ずいるので、その熱意で続いてきたというのは、作者の実感でしょう。

    詳しいことがわかっていない写楽。
    実像はこんなだった…?
    正式な絵の修行をした形跡はなく、突然現れたそのわけは…
    芝居の背景を書く絵師の彦三の才能に五兵衛が目をつけ、江戸での仕事に強力を頼んだのがきっかけで、上京。
    新しい才能を求めていた蔦屋重三郎に、役者絵を依頼され、大首絵のユニークさで評判を呼ぶ。
    無口で無骨な彦三だが、深川になじみの女も出来る。
    公式に認められた吉原と、張り合うほどに栄えた深川の岡場所。
    たまに手入れがあると、女達は吉原の最下層にやられるという残酷さ。
    この頃、彦三を引き回していた二八という男が最後の方で十返舎一九となったり、売れるのが遅咲きだった狂言作者がこののち鶴屋南北になったり。
    曲亭馬琴や葛飾北斎の名も見えます。なんとゴージャスな時代!
    いかにも江戸時代の濃厚さで描かれます。

  • <FONT COLOR=#000066><B>江戸者は、何事によらず、わっさりとしたことを好むものだ。なまじに理屈をいうのは野暮とみるのが江戸者の気質
    時代違いを脚色(しぐ)むのは江戸狂言の通例にござる。狂言に江戸近辺の土地が少しでも出て来なければ見物が承知しませぬゆえに、斯様な時代違いも敢えて致しまする<BR>

    人はおのれの分さえ守れば、ものなぞ考えずに済むのである。</B></FONT><BR><BR>

  • 12/2? 今朝子さんの小説デビュー作。設定がごちゃごちゃしてたりする部分はあるが、小説としての面白さや時代に対する想像がふくらんでいく部分は変わらずおもしろかった。

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著者プロフィール

1953年京都生まれ。小説家。早稲田大学大学院修士課程修了。松竹株式会社で歌舞伎の企画・制作に携わる。97年『東洲しゃらくさし』でデビュー。『仲蔵狂乱』で時代小説大賞、『吉原手引草』で直木賞受賞。

「2018年 『作家と楽しむ古典 好色一代男 曾根崎心中 菅原伝授手習鑑 仮名手本忠臣蔵 春色梅児誉美』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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