私はいかにして「日本信徒」となったか (PHP文庫 お 36-4)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569579702

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  • 呉 善花の自伝。幼少時代から来日まで(高校・軍人・病院)〜来日後(大学・大学院・仕事)を描く。

    著者の書は2冊目である。韓国人でありながら、日韓の反目は、どちらかという韓国側に問題があると問題提起しており、韓国では売国奴呼ばわりすることもある。

    幼少時代:日本統治時代を経験している父母から日本の悪口を聞いたことはない。日本を含め海外に憧れを持つ。

    小学校時代:半日教育を受ける。反共・半日が韓国の国策。韓国人の反日思想の背景には、中華思想に基づく日本蔑視もある。

    アメリカへ留学する目的で、そのステップへ日本へ留学する。来日1年目は日本のことが新鮮。来日2〜3年目は日本のことが嫌いになる。韓国人のほうが人間関係がベタベタしている。日本人は人間関係にも遠慮がある。そこですれ違いが起きる。

    来日後5年以上経つと、日本人への理解が深まる。そして定住を決意し今日に至る。

    目次
    プロローグ はじめて知った日本
    第一章 不思議な国の住人たちー東京下町の生活
    第二章 どこまでも深い日韓の谷間ーアイデンティティの喪失。
    第三章 転機のための「スカートの風」−生きられる場所の手応え
    第四章 済州島の女たちーその逞しき生活力の秘密
    第五章 島から半島へー軍人・学生として生きた日々
    エピローグ 定住すること

    メモ
    p73 私たちには(日本人と韓国人には)、相手を文化的・民族的に無意識のうちに身内世界に取り込んでしまう、無作為の錯誤の意識がある。日本人と韓国人の間のさまざまな行き違いの大部分が、この無意識の身内世界のもとで起きている。
    p89 韓国語を使っているときわめて情緒的な揺らぎの激しい自分を感じ、日本語を使っているととてもクールな自分を感じる。漢字で表記した概念後は、表音文字のハングルでよりも、意識の客観的な対象化をより明確にしてくれるのである。
    p171 漢字の廃止は韓国人から抽象度の高い思考をする手立てを奪ってしまった。韓国も日本と同じように、概念語のほとんどが漢字語である。そういう文化で育ってきたため、高度な概念を漢字の表意性を抜きに、表音性だけで自在に用いることには、さまざまな無理が伴う。

  • 2009/5/5

  • 作者の体験した日本(人)を知ることによって、自分は良くも悪くも「日本人的」なんだと改めて認識してしまいました。

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著者プロフィール

韓国・済州島生まれ。1983年に来日、大東文化大学(英語学専攻)の留学生となる。その後、東京外国語大学大学院修士課程修了(北米地域研究)を経て、現在は拓殖大学国際学部教授、東京国際大学国際関係学部教授。評論家としても活躍中。1998年に日本国籍取得済み。
主な著書に、『攘夷の韓国・開国の日本』(文藝春秋、第5回山本七平賞受賞)、『スカートの風』(三交社・角川文庫)、『韓国を蝕む儒教の怨念』(小学館新書)、『韓国「反日民族主義」の奈落』(文春新書)、『日本にしかない「商いの心」の謎を解く』 (PHP新書)、『反目する日本人と韓国人』(ビジネス社)など多数。2021年から「呉善花チャンネル」を開設、「相反する日韓学」を配信中。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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