孫正義大いに語る: ネット革命新世紀への挑戦

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  • PHP研究所
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569608938

作品紹介・あらすじ

ヤフー、ナスダック、Eトレード、デジタル情報革命のトップに立つ!日本人の生活を劇的に変える「ネット財閥」戦略。

感想・レビュー・書評

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  • 15年前に書かれた本だが、孫氏の言う事がどんどん実現されている。もはやインターネットは当たり前でなくてはならない存在になっている。孫氏が歴史を勉強し、自身の経営哲学に反映させているか感じられた。今後の動向が楽しみである。(図書館)

  • (2001.03.06読了)(2001.02.09購入)
    ネット革命・新世紀への挑戦
    (「MARC」データベースより)amazon
    日本が不況で苦しんだ1990年代に、自ら経営するソフトバンクをとてつもなく成長させた孫正義。インターネットにすべてをかけるという、その「ネット財閥」戦略を語る。

    ☆関連図書(既読)
    「石原慎太郎・日本を変えるリーダーシップ」竹村健一著、PHP研究所、2000.06.05

  • 1999年に刊行された内容。当時はwindows98という遅いOSで、何となくネットを利用してた記憶がある。携帯電話もまだ白黒画面が主流だった。90年代は失われた10年と呼ばれるが、ソフトバンクの時価総額は大きく飛躍した。2012年に読むとその先見性、実現度がよく分かる。アメリカの通信大手を買収し、再び兆を超える負債を抱えたがその意図を知るにも面白い一冊。

    ◉第一章
    『新しい日本経済への挑戦』
    ・インターネットという言葉は認知されたが、早くからその重要性に気付いた人物はビル・ゲイツなど一部である。その一人である孫正義は、インターネット関連以外の事業からの撤退宣言をすでに出しており、この分野に集中していた。重要な物差しとして時価総額を意識し、この時点で東京電力を上回る水準まで引き上げている。
    ・インターネットの可能性を信じ、企業・テクノロジーの方向性が一致したと見るや迷いなく資本を投入し株主になる戦略を取り続けている。赤字のYahooを100億で買収した裏にも、この戦略が強く反映されている。
    工業社会でのハード製品は時間の経過とともに価値が減少していくが、情報化社会では逆に増大していく側面がある。MicrosoftのOS、IntelのCPU、シスコシステムズのルーターなどがそれで、事業の土台であるプラットフォームを生む、抑える事が重要になる。情報検索のポータル(入り口)であるYahooを買収したのもそのためである。
    ・変化が早い情報産業にあって、孫正義氏の目指す理想の事業形態は、各事業ユニットに権限を委譲し、経営・発展の独立性を確保する自己進化モデル経営であると語っている。また組める相手とは徹底的に組むことの意義も語られている。
    ・21世紀型のビジネスは通信・放送の複合体となる。テレビ局がネット事業者の傘下に入る可能性を示唆しており、現にアメリカの4大ネットワークはその形に組み込まれているという。
    ソフトバンクは、ネット上での財閥を目指すことを明確にしている。流通、金融のインフラを抑え、その上にあらゆる産業を創っていく。インターネット革命は財閥を創造するチャンスだと捉えている。

    ◉第二章
    『インターネット革命と企業大変革』
    ・アメリカではシリコンバレーを中心として、次々に新しい生命であるベンチャー企業が生まれている。仕組みが整備されている点、挑戦の賞賛・失敗の許容という風土が下地となり、新しい企業が経済に活力を与えている。日本では、整備面、風土面でも大きく遅れをとっているのが現状だ。そこで、資金調達を容易にするべく打ち出したのがNASDAQの日本版である。
    ・情報社会では、時価総額が企業の価値を決める。
    氏がインターネット産業の繁栄を確信していたのもこの業界の時価総額の推移である。これから価値を生み出すと期待された総和が時価総額であり、将来を判断する重要な指標と捉えている。
    ⇒Amazonは、まだ赤字経営であった時点で株価は10〜20倍をつけていた。
    ・今後の10年(2010年前後)で、インターネット産業は10倍になる。これはインターネット株はバブルとの見方が大勢であった時点での見方である。バブルではなく成長と捉え、規模の拡大は続く。最も尊敬を集めるウォーレン・バフェットは、大衆消費財であるコーラ、ジレット、ディズニー株で財産を築いた。大量生産・大量消費の時代では理に適っているが21世紀には全く違う理が誕生する。それが情報社会であり、大衆消費財が10倍の規模になることは考えられない。
    ・宝島へ向かう際、地図とコンパスは必需品である。位置と方向を示す情報には、無限の価値がある。技術の分析を図る会社を数千億円で買収した意図はこれにある。

    ◉第三章
    『志を貫くためのM&A戦略』
    日本にはM&Aにはマイナスイメージしかない。マネーゲーム、経営の失敗、敵対的買収である。しかし、興銀との関係を絶ってまでも買収を貫いたのは正に孫氏の志に沿った結果である。アメリカのように会社を生き物のと捉え、最善の環境を与えることにもっと腐心すべきである。健全なM&Aはそれを可能にする。
    上場間もないSoftBankは、株式市場の仕組みを駆使し、数千億の買収を完了し、メディア王・マードック氏とも手を組むことに成功した。その孫氏が買収する会社の条件として挙げるのは、①デジタル情報革命を推し進めるための会社、②その分野の圧倒的No.1企業、③かつインフラ・基盤となる事業を展開している、の三点である。
    独占事業は時にメリットを生むこともある。プレミアリーグの放送権を独占したマードック氏によって、コンテンツが充実し、リーグの人気・魅力が高まったのはその最たる例である。
    孫氏はリーダーとして、理念(志)・ビジョン・戦略が必須だと考えている。  そして次にインセンティブである。正式な報酬が無ければ人は動かない。銀と塩を駆使したジンギスカンの例にもその原理は見られる。日本にはインセンティブという考え方が希薄であり、形を考える時期にさしかかっている。

    ◉第四章
    『日本人再生への構想』
    何かを始めるには構想力が必要で、リーダーは全体を見渡し、どのような方向へ導くかを把握していなければならない。
    今の日本はまさにどこに向かうべきかを分かっていない。
    新しい会社が次々と生まれ、デジタル産業で日本の何周も先を走るアメリカは、活気がみなぎっている。このアメリカにかなり遅れをとっている現実をしっかり受け止めなくては始まらない。 
    大変革期には、リーダーは新しい技術・道具に触ってその有用性を肌で感じなくては進路を判断出来ない。鉄砲と織田信長、船と坂本龍馬がその例として挙げられている。
    DNAレベルでは、およそ90パーセントの日本人が保守的だという遺伝子研究があり、まずははみ出しもの許容する、失敗を賞賛し再チャレンジを与える社会の再構築がまずの日本再生の第一歩となるだろう。

  • ネット革命 新世紀への挑戦

  • 10年前に出た本だが、インタビューので予測していることが結構当たっていて、すごい人だなと思う。10.5.15

  • 大下英治氏の「起業の若き獅子」を読んだ後なんで・・・

  • ヤフー、ナスダック、Eトレードデジタル情報革命のトップに立つ!日本人の生活を劇的に変える「ネット財閥」戦略

  • 孫さんすごい!

  • 我がホークスのオーナーになるかもしれない人。時の人である。私はこの本を読んで、好印象を持っている。日々キャッシュを確認しながら経営をしているという件を読んで、決して無謀な経営ではないのだなぁ。と感心したことを思い出す。

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著者プロフィール

1931年生まれ。政治評論家。

「2008年 『国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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