大人のための勉強法 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569610863

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容を一言で】
    人生を終えるまで、一生分の「大人の勉強法」


    【内容まとめ】
    1.能力主義・長寿社会というこれからの世の中に向けて、勉強に期限は無く一生必要になってくる。
    2.他力が1番!自分一人でするのではなく、できる人から直接学び、吸収し、追いつき追い越すこと。
    3.記憶のポイントは「理解」「興味関心」「実行」、それと「復習」。
    4.勉強時間の作り方や管理方法、ポイント、3日坊主にならない継続の仕方なども書かれている。


    【感想】
    この本は非常に参考になった。
    大きな理由としては、以下の3点である。

    ①この手の本に多い「小手先のテクニック本」ではなく、精神科医による論文形式の書物である。
    ②20年近く前に出版された本なのに、現在でも十分に役に立つくらい最新の情報である。
    ③勉強する意欲をどう作り出すか、時間管理はどうするか、それをどのように継続させるか、またどのように「記憶」させるかのポイントがキチンと書かれている。

    また、大人向けという事もあり、自分だけではなく自分の子どもへの勉強法も書いてあり、育児に関する本としても非常に評価が高い。
    まぁ要するに、「何歳になっても勉強し続ける事が大切」っていう事と、「ただ漫然と勉強するのではなく、キチンとその内容を身につける為の思考法や取り組み方」っていうのが大切なんでしょう。
    それらのヒントが、ギッシリとこの本には詰まっている。

    内容は多くて難しいけど、いくつか今後の自分の人生において試したいなと心から思った。


    【引用】
    21世紀を迎えるにあたって、何が変わったかと言えば、これまでのライフサイクルのモデルが通用しなくなったこと。
    学生の学力低下、就職後も一生の保証はされない、失業の心配、長寿化と年金財政破綻により老後の保障もあやふや・・・
    →簡単な解決法は「勉強」。
    能力主義だからこそ、長寿社会だからこそ、勉強は一生必要!

    実利的な目的以外のどんな意義があるかということ(勉強の目的)を、勉強することで何を得るのか(勉強における獲得目標)を伝授する。


    p22
    ・これからの時代における「頭の良さ」とは、「できる人」から学ぶ姿勢である。
    →できる人から学び、できる人に追いつき、できる人を追い越せ!
    情報が氾濫している今だからこそ、まずできる人からわかりやすく話しを聞くことが、今後入ってくる情報を生かす能力を身につけることに直結する。


    p51
    ・認知心理学の考え方
    ①考える材料として十分な知識があること
    ②その知識をもとに色々なケースを想定していくつものパターンの推論ができ、その中から一番適切な推論を選択できること
    ③自分の知識が十分か、また感情に流されていないかなどを適切にモニターできる「メタ認知」ができること


    p52
    ・クリティカル シンキングという方法論
    ①問題に対して注意深く観察し、じっくり考えようとする態度
    ②論理的な探求法や推論の方法に関する知識
    ③それらの方法を適用する技術


    p63
    ・他者を利用した「頭の良さ」
    外部情報(他人の知識やインターネットで得られる知識)を含めてなるべく幅広い知識が利用できて、それを用いてなるべく幅広いバリエーションの推論を行ない、メタ認知的にそれをモニターしていく。

    人を使ったり、人に頼ったりしながらでも問題解決ができるならそれで良い。


    p67
    EQ「感情的知能、心の知能指数」
    5大要素
    ①自分の感情を正確に知る
    ②自分の感情をコントロールできる
    ③楽観的に物事を考える
    ④相手の感情を知る
    ⑤社交能力

    しかし、いくらこの5つの能力に優れていても、あまりに知識が乏しかったり、推論の能力に欠けているなら、社会的な能力が優れているとは言われないだろう。
    IQなど、頭の良さも必要なのである。


    p78
    様々な情報が入力されるが、これらの入力情報がすべて知識になるわけではない。
    それらが脳の中に残る、つまり「記憶」しないといけないわけだ。


    p81
    ・記憶のポイント
    入力段階に大きな影響を与えるのは「注意」と「理解」

    【注意】
    ①関心を持つこと
    ②動機があること、強い動機が持てるものを記憶する
    ③邪魔などのマイナスを減らすこと、余計な関心事をへらす
    →受験勉強などは禁欲せずにやりたいことをきちんとした上で、メリハリを持って勉強すること。


    【理解】
    理解していると、面白く感じられる。
    理解を通じて関心が高まり、注意力を高めることができれば記憶力も高まる

    とにかく、まず分かるようにならないと記憶に残らない!「分かるための努力や費用を惜しまない」というのが必須条件

    もう1つ大事なのは、自分の理解状態の確認
    →1番の方法は、学んだ事を他人に教える事である。

    ただのんべんだらりと、勉強したり読書したりテレビの教養番組を見たりネット検索をするのでなく、一つ一つ確実に理解するように努めるだけで、かなり知識の豊富な、頭の良い人間になれる!


    p88
    ・翌朝と週末の復習が効果的
    エビングハウスの記憶の保持曲線

    記憶、知識を増やすためには復習が1番大事!!

    翌朝、週末の他にも、「思い立ったが吉日」で復習すること。
    大人の勉強は復習がないがしろにされるが、若い頃と比べて20代以上は記憶力が落ちているからこそ復習が大切!


    p93
    ・大事なのは、「興味」と「実行」
    関心や興味を持たないと、そもそも知識そのものに出会うことができない。
    興味を持ったことはなるべく調べてみる習慣が必須!!


    p110
    ・メタ認知の基本
    自分の認知パターンを上から見る。
    知識が足りているかどうか、知識に振り回されていないか、感情に左右されていないかなど、基本的なモニタリング技術を身につけること。

    【基礎】自分の思考パターンを自問する。
    ・この問題に対して、十分な知識はあるか?
    ・自分にある知識の中で、この状況に1番適しているものはどれか?
    ・推論がワンパターンになってないか?
    →「推論は自己を守りたがる」傾向を知る
    ・最近読んだ本や会った人の意見に影響されすぎてないか?
    ・感情に振り回されてないか?
    →感情状態によって推論が偏る事を知る
    ・自分の立場に有利な考え方をしてないか?

    自分の知識や教育、経験に振り回されていないかをチェックするメタ認知を行う。


    p121
    ・他者のサポートを得るテクニック
    ①共感能力を高める
    →他者との共感能力を高めることが、取りも直さず対人関係を円滑にし、豊かにする。相手の背景情報を知った上で、その立場に自分自身をおいてみる。

    ②人が他者に求める3つのニーズ
    →この3つのニーズを満たしてくれる人のことは好きになるし、この相手を手放したくない気持ちが強くなる!

    1.鏡自己対象機能
    褒めてあげる、一緒に喜んであげる、注目してあげる。
    →相手に好かれるだけでなく、相手の事も発達させることができる!

    最近の研究では、叱るしつけより褒めるしつけの方が、子どもの知的機能の発達を促進させることがわかっている。

    2.理想化自己対象機能
    親や治療者が相手の神様役を引き受け、相手に安心感や生きる方向を与えてあげる機能。
    →安心感や尊敬を相手に持ってもらうことで、相手の不安を打ち消す!

    3.双子自己対象機能
    相手に自分のことを「同じ人間」だと感じてもらうテクニック。
    →同じ人間だという感覚を持たせるだけで、相手の態度も変わり、リラックスを与えることができる。



    p132
    【今までのまとめと展望】
    前章までは、現在求められている頭の良さとは何かを検討し、その頭の良さを身につける方法を述べてみた。
    この章ではもう少し具体的に、要領の良い大人の勉強を提案。


    p134
    ・時間のやりくり術
    →時間は物理的に増やすことは出来ない!

    ①睡眠時間を削るのはマイナス
    →うつや不安神経症を誘発するし、能率も落ちる。(睡眠時間に個人差はある)

    ②無駄な時間(=役に立たない時間)をどこまで減らせるか
    →睡眠時間は極力NG
    →息抜きをなくす、禁欲するなども極力NG
    →息の詰まるような勉強生活はあまりよろしくない

    優先順位をつけて、いらない時間をなくす!
    =のんべんだらりとテレビを見たり、ゴロゴロして何のメリットもない時間

    【勉強のポイント】
    ・興味関心をもつこと
    ・わからないことは早く調べたり、人に聞いて理解に努めること
    ・適度に復習をして、これまで勉強した時間を無駄にしないこと

    p140
    ・週末は借金返済と復習に充てる
    月曜~金曜は毎日勉強し、土曜日は予定通り勉強できなかった分を取り戻す、また今週分の復習に充てる。
    →土日のみの勉強は億劫になるし、一週間のうちに忘れる可能性もあるので、NG


    p148
    ・ノート術、読書術
    ①大きめのノートに、一心不乱にノートを取る。
    →メモ帳は要点のみなので、後で読み返して理解しづらい。
    ②何でも1冊のノートに書き込む

    ③必要箇所だけのつまみ食い読書
    →目次を読んで、面白そう・役に立ちそうなところだけを飛ばし読みふる。
    (まだ理解が十分でないジャンルについては危険なのでNG)


    p152
    ・文章術、プレゼンテーション術
    ①「型にはまった文章」を書くことに慣れる
    1.問題提起
    2.問題提起に対する自分の意見
    3.意見の補強説明や参考文献の引用
    4.明快で簡潔な結論を述べる

    また起承転結、5W1Hを意識!

    ②プレゼンテーション
    1.問題提起or結論の提示
    2.背景情報や解説を述べる
    3.最後に結論


    p206
    ・いきいき勉強する姿を子供たちにみせよう
    大人が時間して勉強することで、子どもが勉強する習慣を取り戻す!

  • 押入れから引っ張り出して10年ぶり?に読みました。
    きっかけは、最近読んだ和田先生の新刊が物足りなかった(すみません)から。

    やはり、このころの著書のほうが脂が乗っている気がいたしました。

    感情コントロールの力が足りない、と考えている私には113ページあたりの「自動思考」のところを思わずコピーとってしまいました。
    また2階にしまっておきます。

  • 大学受験、資格取得、語学習得、論文などについての勉強方法について書かれています。

    真新しい知識は少ないですが、今の自分の状況から比較して、どういったアクションを起こせばよいか。という一連の流れが詳細に書かれているため一種のルーティンワークを確立させたい方には参考になります。

    作者が心理学者というのこともあり対人関係についてのライフハックのようなものもあり、コラムくらいのノリで楽しめます。

  • 学ぶことについて知り立てて読書。

    勉強法というよりは、能力向上、学ぶことの必要性についての内容という印象。13年以上前の本だが、学び続ける必要性は変わっていないため、古さは感じない。

    自動思考、不安や感情のコントロールについては興味深く読ませてもらった。

    後半は資格取得など生涯学習の勧め。『最短で結果が出る超勉強法』(荘司 雅彦)の内容と近い部分が多いと感じた。

    新しい資格が狙い目。取得するなら国家資格、公的資格。
    忘却曲線の性質を生かした復習方法。翌朝、週末に復習して記憶を強化する。
    定着させ方を工夫する。理解すること覚えやすい。

    読書時間:約55分

    本書は知人からいただいています。有り難うございます。

  • 精神科医にして受験技術研究家の和田秀樹さんが
    満を持して著したという本書。和田信者として受験を乗り切り、
    今も資格試験の勉強をする身としては手に取らざるを得ません。

    紹介される方法論それぞれについて
    根拠となるデータや精神医学的解説が記されていたりして、
    ハウツー本と思いきや読み物としてもなかなか面白いです。
    ただ脱線気味と感じる部分も少々あり、また学生からお年寄りまで
    幅広い「大人」を対象としているので一部は飛ばし読みになりましたが、
    エッセンスを拾うだけでも充分読む価値があると思います。

  • 時間は1日24時間で増やせない。
    効率よく勉強する為にはやらないことを決める。
    1週間毎の具体的な目標設定をする。
    土日どちらかに、その週のキャッチアップ時間を確保する。

  • 「勉強法」というタイトルですが、「自分の能力を高める方法」が書かれていると感じました。まあ、「勉強法」の方が売れやすいかもしれませんが...

    いい本です。参考になりました。この本で得た知識を深め、実践していけば、効率よく、記憶に残る学習ができることでしょう。

    という意味で、動機づけになりました。

  • 東京までの新幹線で読破。ライトな内容。
    覚えておこうと思った点は6つ。
    1.集中できるとうまく記銘できる。
     →収集できる環境づくり
     →動機づくり
      環境については朝5時半起きで勉強時間を確保。
    2.理解できるとうまく記銘できる
      これは大学に入ったあたりからよく感じる。
      小学生のころは意味のない数字の羅列でも暗記できた(円  周率は100ケタ以上覚えた)。しかし高校のころから数学の  公式などは理解しないとすぐに忘れてしまうという事態に)。
    3.復習する
     →エビングハウスの忘却曲線は、高校生に心理学の説明を  する時にも使うくらいスタンダードなもの。
    4.アウトプットトレーニングをする
     →問題集を使うことはこのためだ。
    5.単位時間当たりの効率をあげる。
     →いままではこの考えが甘かった。
    6.計画の単位は一週間。
     →最後に取った資格は基本情報処理技術者だけど、たまた  ま大震災で試験日程が延期になったからなんとかなった。  非常にスケジューリングはあまかった。

  • 豊富な知識を使って適切な推論ができる人
    新商品一つとっても
    ・これまでの経験でどのようなものが売れたのか
    ・どういう点で評判がよかったのか
    ・どういう点で不満があったのか
    ・他社の製品でどのようなものが売れているのか
    ・他の分野での流行や売れ筋のトレンドはどうか
    などの知識を用いることで、どのような商品をどのような価格で、どうやって売ればよいかなどの推論を行う。
    その思考の結果で開発のプランを立てていくことだろう。
    人の意見やアドバイスが素直に聞ける能力、自分にそのような意見をいってくれる人を友人やブレーンに選ぶ能力、そしてそのような友人が自分の味方になってくれるような共感力は「頭のよさ」につながる。
    独創性とは、基礎的な知識を積み上げ、その上でさまざまな形での推論を行うことによって成り立つものと考えることができる。「つめこみなくして、独創はありえない」

  • 「大人のため」とか「勉強法」とか、タイトルに惹かれて買った記憶があります。
    タイトルから期待される内容も入っていましたが、人に教える立場の人間にもタメになることが書いてありました。

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著者プロフィール

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)。和田秀樹こころと体のクリニック院長。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。1998年、2003年に日本人で初めて、米国最大の精神分析学派である自己心理学の国際年鑑Progress in Self Psychologyに論文が掲載される。
劇映画初監督作品の『受験のシンデレラ』が、2007年モナコ国際映画祭で最優秀作品賞受賞。公式ブログ、『テレビで言えないホントの話』http://ameblo.jp/wadahideki/ は、ほぼ毎日更新されている。

「2020年 『こんなに怖いアフターコロナ心の病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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