学ぶ意欲の心理学 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569618357

作品紹介・あらすじ

子どもの自主性を尊重する日本の教育は世界の潮流に逆行しているのか?教育心理学が「自律的な個人」をモデルにすることで、社会階層差の拡大などマクロな問題が見過ごされてしまうのか?本書では、心理学の「動機づけ」理論の基本的な流れを踏まえ、最近の教育改革をめぐる論点を、精神科医・和田秀樹氏、教育社会学者・苅谷剛彦氏と徹底討論。人間の「やる気」を考えるための新しい枠組みを提示する。学ぶ意欲、働く意欲など、私たち一人一人の「やる気」を引き出すヒントも見つかる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 教育心理学のエッセンスをわかりやすく述べている。特に内発的動機と外発的動機について、専門家の視点から丁寧かつ詳細に語られている。一読をおすすめする。

  • PHP新書ってだけでダメ本って感じがするが、この本はいい本。


    動機付け理論の簡潔な俯瞰
    教育心理学を応用する際の注意点
    自分でモチベーションアップする方法

    あと、第四章で著者のインタビューを読むと、若い時は体力的に色々と挑戦できる貴重な時期だなと改めて思う。

  • 最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00184120

  • 全四章。第一章では動機づけに関する心理学理論をコンパクトに紹介。心理学の教科書よりもわかりやすい。
    二章、三章は精神科医、教育社会学者との対談。良い動機づけとは、外発的vs内発的のどちらかという単なる二項対立ではないことがわかる。
    第四章では著者の提唱した二要因モデルをもとに話が進む。具体的にどうすれば人は動機が高まるのか。この章では実証的な議論というより、著者の想いが語られる。

    全体を通して、よくまとまっているなあと感じる。本の構成としても、心理学や生徒指導の入門としても活用できるだろう。

  • 啓蒙読みものとして理想的だと思う。対談入ってるのもいい。トピック自体が魅力的ではあるんだけど、こういうのがたくさんあるとよい。

  • 学習動機を外的内的だけでなく、2要因モデルで6分類で示した。実用性と内容に関係してるかの2要因。

  • 心理学の観点からみた学習における動機「やる気」についての考察。
    内発的動機(学ぶことそのものに楽しみをみいだす)
    - 充実志向、訓練志向、実用志向
    外発的動機(報酬や罰などを理由に勉強する)
    - 関係志向、自尊志向、報酬志向
    これらの2つの軸を中心に、「なぜ人は学ぶのか」「教育において勉強をどのように教えていくのが望ましいのか」などについて考察している。
    外発/内発動機に関する意見を異にする人たちとの対談も交え、話し言葉でわかりやすく書かれている。

  • 教育心理学の立場から「動機づけ」にかんする研究成果をわかりやすく解説するとともに、教育問題について活発に発言をおこなっている精神科医の和田秀樹や、教育社会学の観点から教育問題についての議論を展開している苅谷剛彦との対談が収録されています。

    主として初等・中等教育が念頭に置かれて議論がなされていますが、大学生や大人がみずからの勉強のしかたを見なおすためのヒントも引き出すことが可能です。また、アカデミックな心理学の研究と、現実の社会における教育制度とのあいだにはかなりのギャップがあることにもあらためて気づかされました。

  • もう少し実用書的な内容を期待していたが、かなり教育心理学の学問的な内容が多い。

    最終章では、学ぶ意欲をコントロールして、成果を上げる実践方法が記されている。学生時代の学習は、「なりたい自己」と「なれる自己」を広げることが大切だという部分には納得できる。

  • 198円購入2018年11月4日

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著者プロフィール

1953年東京生まれ。東京大学文学部卒業。文学博士。現在,東京大学名誉教授,帝京大学中学校・高等学校校長。中央教育審議会教育課程部会委員として学習指導要領の改訂に関わる。専門は教育心理学。認知心理学を基盤にした個別学習支援や授業づくりなどの実践に携わっている。著書に、『考えることの科学』(中公新書)、『学ぶ意欲の心理学』(PHP新書)、『学力低下論争』(ちくま新書)、『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館)、『「教えて考えさせる授業」を創る アドバンス編』(図書文化社)など。

「2023年 『これからの学力と学習支援 心理学から見た学び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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