働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 129
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569619415

作品紹介・あらすじ

就職後の現実に失望する若者、疲れたミドルと元気なミドルの二極分化…。たった一度の仕事生活を納得して送るにはどうすればいいのか。入社、昇進、転職…人生の節目には自分を見つめ直し将来の方向性をじっくり考える-これが本書のおすすめする「キャリア・デザイン」。これさえすれば、後は偶然に流される生き方も長期的にはプラスに作用する、と著者は言う。自分らしく成長していくためのヒントを、代表的なキャリア研究、発達心理学の概念を通して紹介。働く自分の問題として、世代を超えて役立つ本。

感想・レビュー・書評

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  • 最近読んだ本でいうと、「ナナメの夕暮れ」と「四千万歩の男」と「子どものころ、自分がほしかった親になる」の3冊を掛け合わせたような人生のエッセンスが詰まった本でした。

  • キャリアは働くすべての人の問題であり、筆者の言いたいことは「節目の時だけはキャリアデザインを強く意識すべき」「節目さえデザインして不確実な中にも方向感覚さえ持っていれば、多少とも流されてもよい」ということである。

    シャインやマイケル・アーサーの3つの問いに基づいて自らのキャリア・アンカー(キャリアの拠り所)を明確にする。
    その際に気を付けなければならないのは、人はしばしば自らが得意なこと=好きなことだと勘違いしてしまうことである。

    ブリッジズの「終焉-中立圏-開始」そしてニコルソンの「準備-遭遇-順応-安定化」というキャリアサイクルを繰り返す中で、あるサイクルと次のサイクルの間のつながり/関連性を見出す重要性と、毎回回り方が高度化し、スパイラル状に経験をくぐるようにすることが大切であると説く。

    経営戦略的に言えば、ポーターのような内容学派的ではなくミンツバーグのような過程学派的立場であり、「まずは動いてみること。その上で次の流れはどこに乗るかをデザインするまではドリフトする」ことを推奨している。
    いいものに出逢い、偶然を生かす(=掘り出し物に巡りあう)ためにも、むしろすべてをデザインしきらない方がよいということだ。

    これから就職する若者、30~40代のミドル、そしてリタイアが近づいているシニアそれぞれのキャリア発達課題にも触れている。

    冗長的で同じことを何度も繰り返している感がなくもないが、読んでおいて損はない一冊であると思う。

  • 私の敬愛する講師にキャリア相談していた時のことから、改めてPlaned happenstance theoryについて学びたいと思った。

    ・キャリアについて毎朝自問自答している日が長らく続いている人も調子が良くない。
    →このままでいんだろうか?というのは、3カ月に1度考える時間と、考えるためのFWを作ることが大切。

    ・自分は何が得意か?いったい何をやりたいのか?結局は自分が得意、これをやりたい、と思うものが大切。アドバイスはもちろん大切だが最終的には自己決定。
    →志なんて言うと途端に難しくなる。内向きにベクトルを向けて、今のは楽しかった、昨日は●●に腹が立った、と感情を問うところから始めるべき。

    ・いいものに出会い、偶然を活かす(掘り出し物=セレンティビティには、むしろすべてをデザインしきらないほうがいい。ドリフトしてもいいというよりも、節目以外はドリフトすべきだといってもいい)。
    →Connecting Dotsと同じ考え。

    ・ドリフトの恩恵を受けるためにも、この方向を目指したいという強い希望・思いや夢、その方向に行けば絶対になにかいいことがありそうだという強い信念が必要だ。でないとただ流されているだけになってしまう。
    →1年なり3年なりで、到達していたいイメージはもつこと。できれば、口外することで、沖から離れて溺れ死ぬ確率は下げられる。

    ・関係性の中での自分探し、つまりひとり悶々と自分の生き方、自分らしさを考えるのではなく、大切な人たちとの関係のなかでそれを捉えることが重視されている。
    →一人では思い浮かばないことが、周囲から気づかされることっていっぱいあるよね?

    ・石の上にも3年、ではないが、「最低必要努力量」と呼ぶものはある。
    →何も頑張ってないのに、これだめ、あれだめ、で転々としていると、Dots(点々)は形成されない。

    ・節目と気づかせてくれる要素
    ①危機感。このままでいいのかという焦燥感やキャリアのどん詰まり感を感じたとき。
    ②メンター。節目だと気づかないときに、その種の節目を先にくぐってきた先輩の声を聴く。
    ③カレンダー。年齢的な目印を持つ

    ・ドリフトにセレンティビティに会うには、活動水準高く、様々なことを実際に行動にうつすのがよい。
    →行動しなきゃ結果は出ないし、周りも気づかない。

    ・自己実現とまではいかなくても、自分をそこで磨きたいというところではとことん努力する。その仕事では自分の望むことは実現できないと思ったら、へんに勤め上げるのが美徳なのだと現実にいやいやなれあうのはよした方がよい。
    →デザインするときにはじっくりと悩み決めること。その先では120%でドリフトする。最低努力年月頑張ってもキャリアに思い悩むなら、いっそ道を変えるべき。

    ・石を運ぶのか、天に近づくのか。外から見ていると同じ仕事に見えるものでも、その根底にある想いに触れる必要がある。つまり、1つ1つのことに意味づけをできるかどうかが大切。
    →Valueある仕事をするため、となれば、日々の仕事がちょっと変わってくるでしょ?それは社会のためという大それたものでなくても、目の前のチームメンバーのため、一お客さんのためでもいいと思う。

    →尊敬する師からの言葉。「ユングも言っているが、本当の個性は40歳過ぎてから。焦らなくても、戸惑っても、志は宿る(実は小3くらいまでに宿っている、はず)。もがきの幅が大切、眠れない夜もとても大切。」

  • これまで出会いや機会に恵まれた人生を送ってきたと感じる者にとって、デザインするという考え方は、七面倒臭いし合わないのだけど、「節目はデザインすべき」という考え方も心に残る。

  • キャリア・デザインは転換期においてしっかりとなされなければならない。それ以外の時期はむしろドリフトさせる方が自由・出会いがあって良いというキャリア・トランジション論の立場からの素晴らしい本でした。前回と異なり、現在、正に大学4年の長女が就職活動をしているということも重なっていることから著者が大学卒業期、中年期を2つの転換期ととらえ、双子の鏡のような存在と説明していることに全くの同感です。長女の就職活動を見ながら、自分の人生をどうしても重ねて見ている自分を感じるからです。人生を考えるためにも、何度でも読み返したい本です。

  • 少し立ち止まって、真剣に、仕事を含めた人生について考えようという人に薦めます。逆に、今、仕事がうまくいっているなと思う方は読む必要はありません。

    「キャリア」って何なんだろう!? ここ最近のテーマであるのですが、改めて考えてみようと向き合った最初の一冊が本書になります。新書だしサクッといけるかと思いきや(会ったことはないですが)さすが金井先生という名著で、考えることが多すぎてとにかく時間がかかってしまいました……(苦笑)

    読み進めながら僕が思い出したのは、北京の勉強会でお会いした梶原文生さん(都市デザインシステム・代表取締役会長)のプレゼンでした。「考え抜く」ということを土台に語られた物語は、学生時代の部活の話、入社から独立起業、既得権益との戦いと会社の発展、そして事業での失敗とそこから立ち上がるお話でした。梶原さんはとても静かに語られているのに、なぜか「自分への甘さ」をすごい勢いで突きつけられる——。不甲斐なさを感じながらも、あんな風に魅力あるキャリア磨き上げたい、素直にそういう風に思った夜でした。

    課題図書がまだ続くので一旦、本書は置きますが、また夏頃にでもKindleで読み直そうと思います。まずはこの時点では2013年第1位!!(2013.01.28読了)

  • キャリアデザインをするためのハウツーではなく、
    そもそも「キャリアとは何か?」「キャリアをデザインするとは何をすることなのか?」というミカタを持つ一冊。

    仕事について、働くことについて悩むとき、
    その価値を知り、悩み方の目線を持てるかもしれません。

    そして、”働く人のためのキャリア・・・”というところから、
    長期的な仕事生活のあり方について考え、
    自分らしく生きることとのつながりを見出す手助けになる一冊。

  • 著者の姿勢に非常に好感が持てる良本。
    何が好感かって、初めの章で
    ・この本でいいたいこと
    ・読者のターゲット
    ・本書の限界と読み方の希望
    ・本書の構成
    を明示してること。読み手にとって非常にありがたい。
    著者のメインメッセージは、
    キャリアは方向感を持ちながら通常はドリフト=偶然に身を任せる姿勢を持ち、要所で意識して自ら切り開きデザインすべきものだ、
    ということ。
    本書の主題とは少しそれるが、自分がキーワードとして印象に残ったのは、「ミドルのキャリア発達課題」という章の中の『対立項のバランスやハーモニーという発達上の課題』という言葉。このテーマ、最近の自分のテーマとして捉えていたのだが、さらりと「発達上の課題」と言われると、なにか
    人間誰しも通る道にたまたま今いるだけ、という風に思え、なにか俯瞰感を味わいながらも物悲しい気分になった。
    「目からウロコ」という類の内容ではないが、一つ一つのテーマやメッセージがじっくり身にしみる誠実な内容。

  • 非常に読みにくい・・・。書いてあるのはいいことっぽいのに、表現が難しくて、どうも長いのでかなりしんどかったです。
    なのであんまり頭に残っていませんが、過去と現在とこれからのキャリアについて考えてみるいいきっかけになりました。
    キャリアはデザインとドリフトのバランスが大事ということで。

  • 「新卒入社時」と「ミドルのキャリア開発時」という人生の2箇所でのキャリア転機をターゲットとして書かれた指南書。
    著者の長年の経験に基づいた研究の成果が本書で読める!
    エクササイズ付きなので、自分のことを考えながら読み進めることができる。

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著者プロフィール

神戸大学大学院経営学研究科教授。経営人材研究所代表
1954年神戸市生まれ。京都大学教育学部卒。同大学院経営学研究科修了。MITのPhDと神戸大学からの博士号(経営学)を取得の後、39歳で神戸大学経営学部教授。2010~12年3月、神戸大学大学院経営学研究科長・経営学部長。

「2017年 『どうやって社員が会社を変えたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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