- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569621982
作品紹介・あらすじ
仕事でも趣味でも、たえず新しい知識や技術の習得が、人生を豊かにする。英会話、パソコン、ゴルフ、さらに、あらゆる資格や稽古ごと等々。やる限りは上達したいものである。万年初心者ではつまらない。では、上達を極めた人と、そうではない人と、どこが違うのだろうか?本書は、記憶と認知の心理学に基づき、上達の力学が"スキーマ"や"コード化"にあることを解明。その理論から、独自の精密練習法やスランプ脱出法を紹介する。努力が報われるために、本人、親、教育者、コーチ必読の書。
感想・レビュー・書評
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努力の仕方を学び、効率よく上達する日常的にできることを学ぶ
〇上達を積み重ねていくと、ある日突然、ものの見え方が変わるという経験をする。(p4)
☆自分の好きなもの、のばしたいものを見つけて、それを極める。
今の私・・
①習字 その中でも筆ペン はがき
②社会のしくみ 地理 日本
上達とは
〇本書で上達というのは、ふつうの生活をしている私たちが、人並みの適性のある技能に、そう無理ではない練習量で、まあまあ一人前のレベルに達しようとする過程。(p23)
〇上達すると運動機能や認知機能に質的な変化が起こる。そしてその変化は未学習の状態には戻らない可逆的な変化なのである。(p30)
初級者から中級者へ
〇勉強のやり方は、勉強を始めたら、自分で分かるようになってくる。
☆とにかくはじめてみる。というか、人それぞれあった方法があるのだろう。まず、①入門書を読む②わくわくする。
〇技能の習得は、技能の構成要素を有意味処理する能力の向上を伴いながら進む。
☆つまり、技能を習得する時に、今まで何も感じなかったことが、コード化される。で、記憶へと進んでいく。
コード化→言語化。
〇忘却は、学習から24時間後、72時間後、そして、6~7日後に大きく生じる。(p50)
☆だから、練習の頻度を決めることが大切。著者の意見は、①週2回。あと大切なのは②場を決める③得意を見つける。
〇アイコニックメモリ、ワーキングメモリ、長期記憶(p63)
☆アイコニックメモリは、「生の記憶」見たまま、聞いたまま。これを揮発させないために、覚えておきたいことはワーキングメモリへ入れる。容量は7チャンク~9チャンク程度。このワーキングメモリで繰り返し取り出されたり、入れたりしたものが長期記憶に入る。
中級者から上級者へ
ノートをとる
〇実際には、どの人も、習った日には大急ぎで帰宅して、忘れぬうちにノートに書き留めるのである。(p134)
☆動作や所作は、記録しにくいが、その言葉のないところに自分なりに言葉を作っていく。
技能→コード化→言語
〇一の量の経験をしても、それを二の量、三の量にするように工夫するのが上達の要諦である。ノートは、それを可能にしてくれる。
☆やはり記録。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすく書かれているけれど、ほとんどがなんとなく経験でわかっていることではある。ただ、言葉になってそれを読んでみると、なるほどとひざを打つことも多い。そういう観点からも、この本を読むと、スランプ状態から抜け出せるヒントはつかめるかもしれないと思う。
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初級者から中級者、中級者から上級者になるための方法と
上級者は何が違うのか認知心理学、学習心理学、記憶心理学をベースに書かれている
やり方がわからないという人は、やり方がわからないのではなく、それで上達したいという気持ちがまだ高まっていない。
入門書は書いた人の情熱が感じられるものを選ぶ。
頻度は週2回がが良い
習得している技能の中でなるべく早く、自分の得意なもの、好きなものを見つける
→それを中心に全体が見えてくる
知識が貯蔵されるには、知能を言語に準じた形式に、その人の思考の中で表現されたりする必要がある(コード化)
目隠し将棋でワーキングメモリを使用
→コード化システムの統合が進む
ワーキングメモリから長期記憶の形成には、自我関与の深さが関わっている
→辞書ひけ
わからないことをうやむやにしておくのと、一応調べてみるというのでは雲泥の差 -
「練習の頻度があまり高いと、続けられないときの心理的負担が重い」→なるほど。
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・復習は、忘却直前の24時間後、72時間後、1週間後に行うのが効率的
・週に二度の頻度。練習の頻度があまり高いと、続けられないときの心理的負担が重くなる面がある。
[中級→上級]
・得意なものにこだわる
・ノートをとる(言語になりにくいものも言語化する)
・概論書を読む → 理論書を読む
・一つのものを深める(精密練習・模倣)
[上級者になる特訓法]
1. 反復練習
2. 評論を読む
3. 感情移入する
4. 大量の暗記暗唱をしてみる
5. マラソン的な鍛錬をする
6. 少し高い買い物をする
7. 独自の訓練方法を考える
8. 特殊な訓練法を着想するプロセス
9. 独自の訓練から基本訓練に立ち返る
10. なにもしない時期を活かす -
これ!これです!僕はこの本大好きなんです。
上達、ということには内視鏡を持つ医師として本当に悩まされてきました。
細長い消化器内視鏡・・・みなさんは、大学を卒業するまで内視鏡というものを手にしたことがありますか?
医者だって同じ。内視鏡みたいなものを、手にしたことも何もありません。
そもそも体を動かすのだって、どっちかっていうと苦手な人種なのです。
手先の器用さも、入試には必要ないんですから持って生まれた才能だけが頼り・・
ところが!
医師になって内視鏡を志した時点で「上手いか下手か」ということがついて回ります。
最初は自分がうまくなれるのかどうかすら想像がつかないぐらいに、初めてのギアが内視鏡でした。
研修医だろうが、内視鏡初めて握った医師だろうが、患者さんからは上手いかどうかだけが評価になります。
「僕はまだ経験がないから、下手でも仕方ない」「そのうちに上手くなるさ」という甘い気持ちは許されません。
患者さんは、ほんっとに下手な医者に苦しめられるのです!!
吐血の治療に至ると、失敗すると死んでしまいます。。
なんとか上達したい!!と思いながら、10年以上がもう過ぎてしまいました。
岡本浩一先生は、リスク心理学というのを先行されている現役の教授とのこと。
amazonから
「著者はリスク心理学を専門とし、文部科学省の委員、通産省技術顧問、カーネギーメロン大学大学院学位審査委員など内外で多くの要職を歴任している現役の大学教授。この略歴から想像すると、何やら難解な専門用語に満ちた心理学書のように感じられるが、じつは優しい語り口で誰にでもわかりやすく「上達するための法則」を説明した本である。」
ご自身の茶道や将棋などの上達とからめて、上達をするときや上達者の特徴を観察研究の上で記されています。
質的研究を学ぶまで、この本が質的研究の本だとは思ってもいませんでした。
「よく観察してるなぁ〜」「ようこんな内容を、本に出来たな!」
などと、間抜けな感想を持ってたのですが・・
これは「観察研究」という研究手法によって、「何かに上達した人」を観察した結果なんですね。
上達、というのはこの本ではイチローのような超一流ではなくて、日常生活において結構高いレベル、という定義です。
英会話なら、海外でも困らず、外国からのお客さんも案内できる。絵なら小さいコンクールならばちょっと賞がとれる。パソコンならばインターネットで困らない、ブラインドタッチはもちろんOK・・・などなど。
これって、生活のなかでも欲しいレベルですよね?
でも達成してないことが多いはず (^^; 。
英語ペラペラ?何かの趣味で、ちょっと教えられるぐらいのレベル?
上達する人はそういうレベルに、効率よい努力で達します。そこには法則がある、というのです。
これは知りたい!僕は知りたいですね〜。
この本は僕にとって、あちこちにキラキラと砂金が光るような本でした。
家と職場に2冊かってしまったぐらい、愛読書です。
もちろん、内視鏡のような専門技術の上達とはちょっと対象が違うかもしれませんが、でも怖いぐらいに内視鏡の上達と、本書の内容は合致しています。
なんとなく毎日頑張って内視鏡に取り組む、だけでは駄目なんですね。
・自分の技術を正確に把握する
・全体の鳥瞰的な視野をもつ
・直接関係ないようなことも知ってる
・達人の技術に触れる
・・・などなど、そりゃそうだろ〜と思うかもしれません。
が、当たり前のようでやってないことが沢山あるのです。
何が大事かわからないと、やらないことが多いんです。何をしたら良いのか判ったら、最短の努力でレベルが上がるかもしれません。
その過程の心理的変化にまで、この本は洞察を加えています。
うーん、これでは、おもしろさが伝えられないなぁ・・・
是非お読み下さい。それしかないです。
そして、ご自身の趣味でも、仕事でもレベルアップすることをイメージして、どんなことが次にすることなのかに思いを馳せて欲しいです。 -
上達という行為は、知覚情報の処理の繰り返しにより、その情報をコード化して知識と蓄え、再び同じ状況に出くわした際に、コード化された知識を呼び覚まして対応する過程で、知覚情報のコード化とアウトプットの体系化が進み、情報に対する処理能力が上がる状態のことを指す。本書では、初級者、中級者には見られない、上級者ならでは特徴について事細かに説明されている。こうした特徴を知っておくことは、自身の上達度合いの客観的な評価に使えると感じた。
勇気づけられるのは、上達の法則は普遍性があるものとして説明されている点。すなわち、何らかのスキルにおいて上達した経験は、他のスキルの上達にも活かせるということである。このことを知っておくと、人生を有意義に送ることができそうだ。 -
正直将棋や音楽、スポーツに全く精通してないので例に挙げられてもあまりピンとこなかった部分が多いが、参考になる部分も多かった。いずれ再読しようと思う。
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初心者脱出するところから上級者になるまでにすること、など。
週に二回の反復練習とか、好きでついやってしまうことの上達の速さと言ったら。
ただし間違った練習だけはダメと。
素直にこの通りにできる人は伸びるだろうなと、思う。 -
とてもわかりやすい説明で、何を学習するにも上達の手助けになる内容だと思います。
良書。おすすめです。