「おまけ」の博物誌 (PHP新書 265)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569627854

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  • 魔法の小箱に収められたいっぱいの夢…子どものころ、だれもが一度は夢中になったおまけたち。いまでは大人までがその虜になっているというのだから、日本文化の象徴なのかもしれない。宣伝合戦から生まれた「たばこカード」に始まり、ご存じグリコの豆玩、壮大な『少年倶楽部』の組み立て付録。社会現象にもなった「紅梅野球カード」に「ライダーカード」「ビックリマンシール」―。あのころのときめきを胸にタイムスリップ!明治から平成へと激動の時代を駆け抜けた制作者たちの人間ドラマ、夢の世界の舞台裏を覗く。(袖)

    最初期の置き薬から始まり、お菓子に雑誌と綿々と続く「おまけ」の歩みをコンパクトにまとめた新書。
    個人的にはもっとおまけそのものを掲載してほしかったけど、思った以上に面白くて読みごたえがあった。

  • 新書文庫

  • 日本のオマケ文化の歴史を紹介した本。著者は、テレビ番組でよく登場するおもちゃ評論家。
    コンビニに行くと、販売促進のためにオマケがついた商品を良く見掛ける。オマケが付くと購入意欲が湧いてくるのは、今も昔も変わらない。そもそもオマケという言葉は、関西が発祥だったらしいが、言葉の由来はよく判っていないらしい。
    オマケ文化に貢献したのは江崎グリコで、商品にオモチャを付けて売る商売が大ヒットし、それを真似た他社も様々な企画でオマケ文化の発展に寄与した。お菓子についたオモチャからカード、雑誌の付録まで著者が収集したオマケの事例を写真付きで紹介している。戦前戦後のオマケについてはよく知らないが、本文の最後のほうに出てくる仮面ライダースナックのオマケの話は、小学生の頃だったのでよく覚えている。友達が仮面ライダーのカードを集めるため、親に頼んで仮面ライダースナックを一箱まとめ買いし、お菓子だけを箱ごとくれた記憶がある。カードには興味が無かったので、タダで大量のお菓子を貰って喜んだ。
    オマケは、子供にコレクションの楽しみを与えてくれる。それは今も変わらないと思うが、逆にお金の無い子にはコレクションの世界は厳しいと思う。著者も実家が割と裕福なので、コレクションを趣味にすることができたのだろう。彼が集めた素晴らしいコレクションをこれからも紹介して欲しいと思う。

    ちなみに、子供の頃は友達と給食の牛乳瓶の蓋を集めて、自分たちでゲームにして遊んでいました。蓋を集めるのもコレクションですが、当時は何の価値も無いと思ったので、小学校卒業時に捨ててしまいました。今思えば、これも歴史的には貴重なコレクションになったかもしれない。
    コレクターにはモノに対する愛着や集める情熱が必要ですが、牛乳瓶の蓋に愛着は湧かないし、もし当時、牛乳瓶の蓋を必死に集めていたら変人扱いされていたでしょう。世間の視線に耐えられる図太さと長く続けられる情熱も必要です。そういう資質が無いと、コレクションを趣味にするのは難しいかもしれません。

  • ペーパークラフトのおまけが紹介されてるのですが、そのクオリティに驚かされました。

  • 単なるエッセイかと思ってましたが、『博物誌』と仰々しく銘打ったのもうなづける力作です。おまけのルーツは富山の薬売りに始まり、明治期のたばこカードによる販売合戦、そして戦後の学習雑誌の付録を経て、チョコエッグ次代のフィギアまで、とても面白く、流れを追って解説してくれています。写真も豊富で、こういう講座があったらぜひ聴講したいと思わせてくれる逸品です。。

  • 多色刷りで、おまけの写真が載っているのが楽しい。
    テレビでも著名な作者の、人柄が思い浮かぶ。
    楽しいことは、良きことかな。

  • おまけが納められた小さな箱――人はそれを“魔法の小箱”と呼ぶ。<br>
    戦前の「たばこカード」に始まる日本のおまけの歴史。<br>
    雑誌の付録、「ライダースナック」、「ビックリマンチョコ」、そして現代の「チョコエッグ」。<br>おまけ製作者の舞台裏や、時代考証を含めた“おまけ解説書”ともいえる一冊。<br>
    ビックリマンシールもグリコのおまけも、子供の頃の懐かしい思い出。おまけの箱を開ける時の、あのワクワクする感じはいつになっても好きだなぁ。

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