学問のすすめ―自分の道を自分で切りひらくために

  • PHP研究所
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569636436

感想・レビュー・書評

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  • 「学問のすすめ」は日本人なら当然読むべき書であると語る知識人が何人かいます。まるで健全な書であるかの様に。なのでようやく大人向けのを読みました。

    子供の頃に福沢諭吉の伝記を読み、中学生の頃に「学問のすすめ」のジュニア本を読んだ記憶があります。当時は同様の「論語」と同じ様な感覚で解釈してました。

    今の年齢で読んだ感想は「全く同意できない」若しくは「激しく不快」と感じました。自分の感覚では到底受け入れられず狂った思想性と感じる内容が多々ありました。解釈は様々な人がしているので、肯定派がまとめた記事を読んでもその異常さが垣間見えます。

    現代の役人や政治家の汚職を持ち出し「諭吉の精神に学べ」と言うのは解りますが、それ以外の本書の内容を一切無視して必読の書とするのは安易過ぎます。

    「男尊女卑、封建的である!」という諭吉の批判については、男女は常に平等であるという考え方がベースになっているのでしょうが、男には子宮が無く子供を産めませんから一生出産の悩みとは無縁で生きていきます。
    男女平等など狂った思想としか思えません。当時、女子教育規範の『女大学』を批判した行為も女性冒涜としか思えません。「男は強く女は弱い」単に腕っぷしだけでそう決めつける事こそが危険思想だという事に諭吉は一切気付きません。
    女は弱者なんかじゃない。男よりもメンタルの強さはずっと上です。
    諭吉は母子家庭で育ち、母親も無神論者のリベラルだったそうなので母親の影響が強いのだと思います。


    徳川幕府と朝廷の戦争を傍観した諭吉が、戦争後に勝海舟を全否定して批判するのも到底納得できません。
    勿論著者は諭吉信者なので勝海舟との一件を「本当に怒っていたのは勝海舟というより世相に腹を立てていたのである」とほとんど無茶苦茶な解釈。

    さすが「30代で未婚は人格障害者と思われても仕方ない、でも離婚は良い。祖母祖父が子供好きで育ててくれるから」なんて本を出す差別主義者の斉藤孝が大好きな人物だけあります。

    尤もらしい内容や都合の良い部分だけを切り取って偉人に仕立て上げられた一万円札の顔。
    その実態については「学問のすすめ」の全体像を見れば解ります。読解力があれば誰でも気付くはずです。
    男女双方にとって到底受け入れ難い教育論である事は明白であり、この書は現代日本の深刻な問題である離婚率に直結するジェンダーフリー教育の祖の様に感じとても不快でした。

    ついでに赤穂浪士に関する記述も酷過ぎました。「政府に訴えなかったのが気に入らない。専制政府の幕府が訴人を殺したら47名全員の命が消えるまで訴え続けろ、それでこそ忠義」ここまでくると単なるエゴイストでしかない。諭吉の考え方も単なる感情論にしか感じません。とても理性的とは思えない。

    こんなレビューでは斉藤孝に「極端な右傾化が見られる」とか批判されるでしょうが、机上の空論で女性問題を語る本を出版する、贅沢な暮らしを維持したいだけの中年オヤジよりはずっとマシです。

    論語だ諭吉だと説教を垂れる人間の本質を見れば「尤もらしい言葉を並べ立てる人間を安易に信じてはいけない」という事がしっかりと学べます。

  • ”明治時代の名著。2007年5月に一度読んだのだが、メルマガで紹介するために再読中。

    <読書メモ>”

  •  江戸時代が終わったばかりの時期に学問にこんなにも通じていることに驚くばかり。平等、社会契約説、経済学など外国から学ぶために相当の努力をしたのだと思います。
     ただ、ユダヤ人迫害の一因となった「悪法も法である」という法治主義を妥当とするなど今では古くなってしまってる点もあるので、全てを鵜呑みにせずに考えることが必要です。
     赤穂浪士は忠義ではないと何度も否定してたのが印象的でした。
     メインの話は西洋列強に対抗するため、社会のために勉学に励めということであって、自分のために学べ、というのはサブの話なので、その点には注意が必要かもしれません。

  • 初めて読んだけど、とてもよかった。
    福沢諭吉が一万円札に描いてあるのも納得できる。今後も折に触れて読みたい本。

  • よく読む

  • 他者と優劣を比較するのは低次元の話。自分自身の道を辿ることに集中せよ。そしてそのためには物事の原理原則を学ぶこと。

  • 精読

    原書で読むと分かりにくかった学問のすすめ。でもこの本現代風に訳してくれているのでとてもわかりやすかったです。 

    個人的にこういう哲学本とか自己啓発本のたぐいが好きっていうのもあるんですけどね

  • チェック項目9箇所。人間にはもともと貴賎や貧富の差はない、その差が生じたのは、学問を修め、物事をよく知った人は出世し、金持ちとなる、それに反して学問に励まなかった人は、出世もできず、貧乏となって身分の低い人となるのである。国民の一人ひとりが自分の行動を正しく保ち、学問に志し、広く知識を取得し、おのおのの立場に応じた才能と人徳を磨くことである。国民がもし暴政をイヤだというのなら、すみやかに学問を志し、みずからの才能と品格を磨き、政府と同等の資格と能力を保つような実力を身につけなければならない。人間、独立心をなくして他人に頼る者ばかりが多くなると、国民全体が依頼心の強い者ばかりとなって、個人的な援助をする人はいなくなる。なぜ今川義元は滅びフランスは生き残ったのか? 独立とは、一軒の家に住み、他人に世話にならない、というだけのことではない、これは単なる個人的な義務である、一歩進めて社会的な義務を考えれば、日本人としての名誉を辱めず、国民がともに努力し、日本国を「自由と独立の国」であると諸外国に認めさせてこそ、初めて個人と社会との義務を果たしたといえるのだ。西洋諸国の経済力に恐れてばかりいてはだめである、なぜ西洋諸国は発展したのか、その文明を学び、内外の状況を比較検討して、さらに学び吸収することが大切なのである。人望とは、ただ個人の力量だけで得られるものではなく、財産がたくさんあるからといって得られるものでもない、その人の活発なる才能と知恵、そして正直さ、誠実さが、積もり積もって得られるものなのである。

  • 学問の重要性を再認識することができました。また,真の独立を再考するきっかけとなります。

  • 文字を知っていても、物事の道理をわきまえない者は学問を志す者とは言えない。なるほど。

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著者プロフィール

1935~1901年。豊前中津藩(現・大分県中津市)下級藩士の次男として生れる。19歳の時、長崎に蘭学修行におもむく。その後、大阪で適塾(蘭方医、緒方洪庵の塾)に入塾。1858年、江戸で蘭学塾(のちの慶應義塾)を開く。その後、幕府の使節団の一員として、3度にわたって欧米を視察。維新後は、民間人の立場で、教育と民衆啓蒙の著述に従事し、人々に大きな影響を与えた。特に『学問のすすめ』は、17冊の小冊子で、各編約20万部、合計で340万部も売れた大ベストセラー。その他の著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』など。

「2010年 『独立のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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