「物流管理」のすべてがわかる本: 真の物流改革を実現する最新手法 (BUSINESS SELECTION)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569636771

感想・レビュー・書評

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  • 在庫管理のシステム作りというか、第三者とどのように信頼関係を築くか、そしてそれを継続していくかってことですね。

    湯浅和夫著「物流管理のすべてがわかる本」PHP研究所(2004)
    * 物流レベルの5段階 ①管理不在の段階、②見込み物流の段階、③物流システムの段階、④ロジスティクスの段階、⑤SCMの段階である。
    * 物流の最適化に向かうにあたって、常に頭に置いておくべきことは「物流管理とは物流をやらないで済ますためのマネジメントであり、物流を小さくすることが我々の役割」という認識である。本来は物流センターなしで物流を行うことを考えるのが物流部門のはずである。
    * 物流を管理するとは何をすることか?それは、「適切に顧客に届けられているかどうか」という点で間違いはない。その判断はどのようにするかというと、顧客との約束である、注文は何時に締められるのか、注文を締めてから何時間以内で納品するのかという納期に関するものをベースにして、注文単位や流通加工に至るまでの顧客との取り決めである。「顧客との約束の遵守度合いをチェックする」ということである。
    * 在庫の量を管理するとは、「在庫を減らすための取り組みである」。一言で言えば、在庫を持たざるを得なくしている「制約条件」をいかに排除するかという挑戦である。
    * 在庫管理は突き詰めれば発注方式にいたる。発注方式として、在庫管理論では、4つの方式が説明されている。定期的に発注をするか不定期に発注をするかという発注の「タイミング」と、定量に発注するか不貞量に発注するかという「発注量」である。この2つを組み合わせることで4つに区分している。つまり「定期定量発注」「定期不定量発注」「不定期定量発注」「不定期不定量発注」である。
    * これからの物流管理に必要な在庫管理手法は、IT化により実現が容易になってきた「不定期不定量発注」方式である。そしてこのメカニズムは単純である。「出荷対応日数」「リードタイム日数」「在庫日数」の3つが柱となる。そしてすべて「日数」で管理する点に特徴がある。出荷対応日数とは、現有在庫量を1日あたり平均出荷量で割ったものである。平均出荷量は一定期間の出荷量を出荷日数で割ったものであり、移動平均値とみればよい。つまり出荷対応日数とはいまの出荷状況で推移するとした場合、あと何日分の出荷に対応できるかという数値である。
    * 在庫をすべて「日数」で把握、管理することで、過剰在庫も欠品もない理想的な在庫管理が達成される。
    * 物流アウトソーシングは時代の流れであり、それは「コアコンピタンス経営」と切り離せない関係である。コアコンピタンス経営は、企業の経営資源が限られている中で、まはや企業が自社で担っているすべての機能に経営資源を投下することができないため、自社の核となり、競争力たり得る機能を選び出し、そこに集中的に経営資源を投下することで勝ち残りを目指すという経営方針である。
    * 3PLとは(サードパーティーロジスティック)で、物流のアウトソーシングと同義と解釈できる。究極的には、荷主企業が物流部門全体をアウトソーシングした場合、荷主企業にとってアウトソーシング先である3PL事業者が新たな「物流部門」になるわけだ。その意味では、荷主企業と3PL事業者との関係はアライアンス(戦略的提携)といえる。
    * 3PL事業者との関係は「信頼関係」が重要である。この信頼関係は具体的には「ビジネスライクな取引」と「情報共有体制の構築」から形成されると思われる。

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著者プロフィール

株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役社長
1971年早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了、同年日通総合研究所に入社。経営コンサルティング部長、常務取締役を経て2004年3月に退職し、同年4月株式会社湯浅コンサルティングを設立。一貫して企業の物流コンサルテーションに携わり、2000年(社)日本ロジスティクスシステム協会より、物流ABC理論構築で2000年度「物流功労賞(理論学究面)」受賞。『この1冊ですべてわかる 物流とロジスティクスの基本』(日本実業出版社)、『結果が出る物流とロジスティクス』(ナツメ社)、『物流危機の正体とその未来』(生産性出版)など著書多数。

「2019年 『図解入門ビジネス 最新 在庫管理の基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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