サービスの底力!: 「顧客満足度日本一」ホンダクリオ新神奈川が実践していること

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569640235

作品紹介・あらすじ

日産カルロス・ゴーン社長が来日直後に視察に訪れ、ホンダ福井威夫社長に「CS世界一」と言わしめた「CS界のガンコ職人」が、独自の顧客満足論を語る。

感想・レビュー・書評

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  • ・お客様の要望、クレームは不安の裏返し。お客様は弱者である。理由のない値引きはお客様を不安にさせる。
    (凄く細かくてうるさい顧客に、自分は契約料も払って、製品も買って、時間を使って話しているが、そっちは応対でお金をもらっているんだから、立場が有利だと言われた事がある。クレームを言うお客様は弱者なんだとその時感じた。)

    ・そもそもクレームのトラブルはお客様とこちらの問題に対する温度差が原因で起こる事がほとんど。プラグが一本駄目でも車は止まってしまう。プロはちょっと直せば元通りと思うが、お客様にとって車が動かないというのは、100万円クラスの大問題。
    「ある部品のチェックをするとシールを貼るが、切らしていたのか貼っていなかった。他は大変素晴らしかったが、それだけが不満だった。」とアンケートに書いてあった事がある。
    その店の店長は、「もう5台も買ってもらって親しい人だから大丈夫です。一か月後の点検の時に点けることになっています。」と言った。「バカヤロウ!親しさっていうのはそこからこぼれ落ちていくものなんだ」と言ってすぐに行かせた。その人はこの先一か月毎日、車を見るたびに、ああ、ここにシールが貼ってないと思う。原価5円とかのシールが、100万200万の自動車そのものの価値を下げてしまう。

    ・サービスマンが椅子に座らずに片膝ついて説明するのには理由がある。アンケートで何度勧めても座らなかったが、私はああいうのは好きではないという声があった。服が汚れているのでお客様の椅子には座れないとちゃんと説明すれば良かった。
    社員がいつも小走りで忙しそうで可哀想だというクレーム(?)も残業しないようにしているので、と説明できれば理解してもらえる。

    ・社員は息子か娘のつもりで育てる。本は月に一度か二度会社のお金で買って読ませて感想文を書かせる。その本代だけで年間1000万円は使っている。最初はちゃんと書いたら3000円出すと言って書いてもらっていた。感想文を結婚式のスピーチで発表してしまうので、皆真剣に書く。茶髪、濃い化粧、喫煙(女性は子供を産むから)も禁止。新入社員にちょっと痩せた方が良いと言ったこともある。

    ・顧客アンケートで購入の決め手となったのが、「商品に魅力があったから」と答える人は40%。残りの60%は接客や社員の良さを決め手としている。商品力はあった方がいいが、それに頼りすぎてはいけない。

    ・基本理念は30S。マニュアルは無い。
    1「整理」無駄なものを捨てること
    2「整頓」必要なものを必要な場所に置く
    3「清掃」拭き、掃き、清めること
    4「清潔」衛生的であること
    5「躾」礼儀正しいこと
    6「作法」行儀のよいこと
    7「清楚」飾り気がなく美しいこと
    8「素直」注意や忠告を受け入れること
    9「親切」困っている人を助けること
    10「誠実」嘘やごまかしがないこと
    11「信用」間違えのないこと
    12「真剣」命がけで行うこと
    13「正義」純粋な心 損得より善悪
    14「辛抱(忍耐)」向上心を持ち続けること
    15「債権ゼロ」売掛禁止 出来心防止
    16「スピード」すぐ実行すること
    17「スマイル」常に笑顔を保つこと
    18「サンクス」全てに感謝の気持ちを持つこと
    19「サービス精神」心のこもった応対をすること
    20「センス」磨けば光る
    21「ショールームはリビング」車を置かないショールームも
    22「節約」無駄を省く 顧客、社員のためのお金は無駄ではない
    23「率先垂範」上司がやって部下に見せること
    24「切磋琢磨」競い合うこと
    25「趣味の推薦」読書と貯金と親孝行
    26「心配が仕事」幹部の仕事は心配すること
    27「先輩がマニュアル」先輩は全員がマニュアルに
    28「失敗は会社の財産」失敗の公表
    29「創意工夫」独創的な考え、新工夫
    30「先生はお客様」お客様は月謝を下さる先生
    3S、4Sじゃ足りないが、社員に挙げさせて出た47じゃあ多い。新入社員は全員覚えさせる。

    ・入りやすい店の条件は、「売る気」が派手に出ていないことと、人が常にいること。納車も店頭で、雑談のお客さまも歓迎。点検の予約も、いつ来ても良いと言って時間を決めていない。社員に緊張感も生まれる。

    ・使い込みや訪問販売の時にサボるという誘惑に社員が耐えるのは難しい。だから、不正が出来ないシステムを作っておかなければならない。社員が顧客のお金を持ち逃げしているのが分かり、退職させた事があるが、ウチの管理が悪くて不幸にさせちゃったね、と奥さんの顔を見れなかった。
    (応対結果の入力でとても時間をかけてしまう人。それができないように管理すべきなんだろうな。)

  • タイトル通りの内容。素晴らしい会社です。

  • ホンダクリオ新神奈川の社長、相澤賢二社長の自伝的著作。語り口調とわかりやすい内容で、「経営哲学」などと気負わずに読める良書

  • 読んでおいて損はない

  • メルセデスUSのディーラー改革の本と合わせて読むとすごくタメになる。現場の実態がわかる。

  • "満足度「普通」は不満足だと思え

    "

  • カスタマーサービスって、ただ単にお客様に頭下げればいいってものじゃない。本当にお客様のためになるなら、しっかり言ってあげることも重要だし、そのくらい自分たちのサービスに自信を持てと、明確な指針を提示してくれる本。

  • 2014年10月13日 中小企業の小売店におけるバイブル。
    以前相澤社長の講演会をDVDでみる機会がありました。内容はこの本とほぼ同じでした。
    理想はここに書かれている内容が、経営者が何もいわなくても実践できる社風だと思います。でも実際には、顧客視点のために、何度も口うるさく言うのが現実。
    きっと採用段階から、ここの社風でも働ける人を採用しているんでしょうね。特に素直な人を。
    こんな会社になればいいとは思いますが、社員全員が同じ想いを共有できるのだろうかとも思います。

  • No.631

  • 接客業とは何ぞや。
    お客様は神様ではなく弱者。彼らをサポートし、購入し、満足してもらうために必要なことは何か。
    朝の掃除も論理がしっかりしている。やるからにはスーツではなくジャージを着て徹底的にやる。結果的に地域の方からの信頼はピカイチ。
    全社員の顔写真のある広告などもお客様視点が生きている証拠、苦情は即時過剰なほど対応し、お客様に面食らわすほど。

    ポイントは大きな企業では従業員に各々上記対応を依頼するものの、トップが本気でないことが往々にある。トップが最前線で鼻息を荒くしながら、よりよいお客様満足を実現しようとしている会社だから出来ることである。

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