これから何が起こるのか

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569652320

感想・レビュー・書評

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  • 田坂氏は類似書が多いが、改めて本書も読んだ。

    目次
    序文ーこれから何が起こるのか 「ウェブ2.0革命」が資本主義のすべてを変えていく
    第一話 情報革命によって、劇的な「権力の移行」が起こる
    第二話 消費者が、企業を使って「商品開発」を行うようになる
    第三話 企業は「販売促進」よりも「購買支援」をしなければならなくなる
    第四話 ビジネスの本質が「商品の提供」ではなく「ライフスタイルの提案」になる
    第五話 「良い商品」を創っても、売れない時代が到来する。
    第六話 「他者の智恵」や「顧客の智恵」をマネジメントしなければならなくなる
    第七話 知識社会では「知識」が価値を失っていく
    第八話 「収益」戦略よりも「収穫」戦略が重要になる
    終話 そして、「日本の時代」が始まる。

    第一話
    p43 「ハイテクで大騒ぎをして、ローテクが売れる」「忘れられてからが、ビジネス」
    技術的な専門用語が踊っているうちは、それがビジネスになるのは、メディアと有識者だけであり、専門用語が忘れられるほどに世の中に浸透したとき、本格的なビジネスが花開く。Web2.0を起点にしたビジネス展開は、まだまだこれからである。

    p79 「ユビキタス革命」も「Web2.0革命」も、顧客の気持ちへの深い配慮、細やかな心配りといった、人間的能力、文化力が求められる。その力を持った国は、日本である。

    第二話
    p92 「顧客中心」とは精神論ではない。「戦略論」であり、具体的な「ビジネスモデル論」である。

    第三話
    p128 ニューミドルマンからコンシェルジュ、そして、メタ・プロシューマへ。メタ・プロシューマの3つの要件
     1消費者とともにコミュニティを形成し、消費者の立場で声や意見を聴く能力
     2消費者の声や意見を具体的な商品開発の企画にまとめる能力
     3消費者のコミュニティを背景に、商品開発を企業に提案し、実現する能力

    p131 Web2.0革命を「ものづくり」の分野で推進していくのは、日本である。

    第四話
    p157 「自社の商品の視点」から「顧客の生活の視点」へのシフトが必要である。

    p161 「購買支援」ビジネスは「開発支援」ビジネス(メタ・プロシューマ)へと進化する。その一例が、「空想生活」である。

    第五話
    p166 「良い商品を創れば売れる」という技術屋のロマンは敗れ去る。なぜなら「商品」同士が戦う時代は終わった。「商品生態系」同士が戦う時代になった。パソコンであれば、ソフトウェア・周辺機器・サプライ品も含めたものが「商品生態系」である。VHS vs. ベータも、そのもの自身の機能勝負というよりも、コンテンツ数の勝負であった。

    p180 イノベーションとは、もはや技術や商品の革新的な進化ではない。商品生態系全体、市場全体、社会全体の進化を促すことを意味するようになった。

    第六話
    p212 「顧客中心市場」において、「企業内のナレッジ・マネジメント」から踏み出し「異業種のナレッジ・マネジメント」に挑戦する企業こそが市場を主導する。クローズドな異業種提携(パートナーシップ)よりも、よりオープンな異業種連合(コンソーシアム)へ。

    第七話
    p244〜 「知識労働者」(ナレッジワーカー)であるだけでは活躍できない時代となる。「求められる人材」から「活躍する人材」(知的プロフェッショナル)へ。
    その条件は、
     1 自分のことを労働者と思わない
     2 自分のことを商品とは思わない
     3 自分の仕事は「作品」である
     4 収入や地位などの目に見える報酬よりも「目に見えない報酬」を求める。それは
        働き甲斐のある仕事
        職業人としての能力
        人間としての成長
     5 自分の「個性」を大切にした仕事をする。
    「知的プロフェッショナル」とは「替えの利かない人材」のことであり、すなわち「アーティスト」である。

    第八話
    p262 企業にとって、人材は「ストック」ではなく「フロー」になる。「現役社員」と「卒業生」とで異業種協業が始まる。

    p266〜 メタレベルの「知識資本」とはなにか?
     1 狭義の「知識資本」(技術文書・情報システムなど)
     2 「関係資本」  3 「信頼資本」
     4 「評判資本」  5 「文化資本」

    p270〜 「収益」戦略よりも「収穫」戦略へ
    たとえば新事業に失敗した時(収益モデルを確立できなかった時)に、得られる収穫(リターン)は何か?
     1 「知識収穫」  2 「関係収穫」
     3 「評判収穫」  4 「文化収穫」
    事業開発部長は、部下の骨を拾わなければならない。それは、部下が捧げた尊い人生の時間を決して無駄にしないことである。これは「人情論」ではなく「戦略論」である。

    p277 知識資本は「収穫逓増」(Increasing Return)が起こる。複雑系における「ある現象が、ひとたび起こり始めると、それがますます起こりやすくなり、その現象が加速度的に増大していく」ことである。

    p279 知識を「管理する」のではなく、「知識の生態系」を形成し、「知識の創発」を促す。

    終話
    p298 「マネタリー経済」と「ボランタリー経済」は融合していく。資本主義は、「営利追求」と「社会貢献」は一つであるという、日本型資本主義へと回帰していく。

    松下幸之助曰く
    「企業は、本業を通じて社会貢献をする。利益とは、社会に貢献したことの証である。」
    「企業に多くの利益が与えられたということは、その利益を用いて、さらなる社会貢献をせよとの、世の声である」

    「働く」とは「傍」(はた)を「楽」(らく)にすることである。「世のため、人のため」、日本における「労働観」である。

    新たな資本主義を主導するのは、ほかのどの国でもない。日本である。

  • インターネット(web2.0)がこれから発生させる経済の変異、およびそれから発生する社会の変異について、予見が多岐にわたり説明されている。それぞれの予見、予想は、著者の知見の深さ、広さを感じさせるし、実際読んでいて納得させられる。是非読むべし。

  • 田坂広志さんの本。WEB2.0革命がこれからの社会にどんな影響を及ぼすのかを書いてある。社会の仕組みが変わっていく中、その本質を見極めるヒントがある。

  • 知識社会では知識が価値を失い、属人的な智恵の価値が高まる。
    ナレッジ・ワーカーから知的プロフェッショナル、アーティスト(職業的な技術+職業的な心得(個性)を持ち合わせる、余人に代え難い人材)へ。
    提携から連合へ。

    消化し切れてないが、思想には共鳴する、かな。

    なお、この本の初版は2006年。
    最近の著書と比べると、後者の方が、言葉単位に込められた熱量が高いというか底が深いというか、読み易く内容は凝縮されていて、
    「年齢と共に精神のエネルギーが増して行く」という言葉の実例を正に見せてもらった気がした。

  • 2006年の本ですが、昨夜の特別公開講座で語られたことがすべて書かれていて、それが時代を予言していたのを今さらながら知り、なぜもっと早く読まなかったのか恥ずかしくなりました。
    まさに知の巨人です。

  • 勉強なります

  • 本の整理をしていたときに発見して、整理そっちのけで再読しました。
    2006年出版の本ですが、ここ1年~2年のソーシャルメディア系の書籍で書かれていることの源流と思える内容です。

    目次に沿って抜き書きすると。

    1.情報革命によって劇的な「権力の移行」が起こる
    2.消費者が企業を使って「商品開発」をおこなうようになる
    3.企業は「販売支援」よりも「購買支援を」しなければならない
    4.ビジネスの本質が「商品の提供」ではなく「ライフスタイルの提案」になる
    5.「良い商品を」創っても売れない時代が到来する
    6.「他社の智恵」や「顧客の智恵」をマネジメントしなければならなくなる
    7.知識社会では、「知識」が価値を失っていく
    8.「収益」戦略よりも「収穫」戦略が重要だ。
    9.そして「日本の時代」が始まる

    終章に「マネタリー経済」から「ボランタリー経済」への進化とあります。これは好意や善意によって与える経済であり、一昨年発売されて大評判となったタラハント氏の「ツイッターノミクス」に於けるギフト経済によるウッフィーの考え方と同じであり、斉藤徹氏の「ソーシャルシフト」へと繋がっています。

    オープンで透明性の高い社会は明るい未来に向かっているようですね、もちろん日本も!

  • 序 話 - これから何が起こるのか
    第一話 - これから「情報革命」で何が起こるのか
    第ニ話 - これから「市場」で何が起こるのか
    第三話 - これから「企業」に何が起こるのか
    第四話 - これから「ビジネス」に何が起こるのか
    第五話 - これから「商品」に何が起こるのか
    第六話 - これから「マネジメント」に何が起こるのか
    第七話 - これから「知識社会」で何が起こるのか
    第八話 - これから「資本主義」に何が起こるのか
    終 話 - これから「経済原理」に何が起こるのか

  • 『情報革命によって劇的な「権力の移行」が起こる』

     今では、インターネットを改めて「便利だなぁ」と思うこともなく、当たり前に活用して過ごしていますよね。たとえば、何か商品を購入するとき、口コミサイトで調べてから購入する。あるいは、おもしろい写真がとれたのでネットにアップして感動を共有する。さらに、わからないことはインターネット掲示板で問いかければ、今現在、この場所に回答者がいなくても回答がかえってきたり議論して答えを導き出したりする。“情報革命”が起こした便利さは私たちの生活に新しい手段を与え、そしてこれからもそれは止まらないでしょう。
     しかし、本来“革命”とは「新しいことが起こる」ことをもって“革命”とは呼びません。その意味は「権力の移行」です。“情報革命”によって起きているのはただ新しいことを生み出しているだけでなく、さまざまな「権力の移行」であって、企業や消費者、市場、社会の仕組みを変えていくのです。たとえば、インターネットで複数の商品・サービスを比較し購入できるようになったことによって、市場における企業から消費者への「権力の移行」が起きました。そして、消費者中心・消費者目線のサービスが鍵を握るようになりました。
     “情報革命”によって、これから何が起こるのか?この75の変化をしっかり知っていれば、まさに働き方や目のつけ方が変わり、思わぬビジネスやサービスにつなげることができます。実例で言うと「Amazon」。上で述べたように消費者目線に立って、一つの場所でさまざまな本を探せる・選択できるようなサービスを提供し、この情報化の波に乗りました。では、この「消費者への権力の移行」の次にどんな変化をもたらすのでしょうか?そこにはまたいくつものビジネスやサービスが埋まっているでしょう。
     私は飲食店で働いていることから接客業について考えたとき、情報化によって接客という職業も必要なくなるのでは!?と思いました。しかし本書の第17の変化では、情報革命は人間の細かな心配りを求めるとあります。顧客がそのときどきに求めるニーズに気づくことが私の役割だと改めて認識しました。これは特に“新”サービスというほどのものではありません。しかし私は、あらゆるものが情報化したとき、この役割はもしかしたら“新”サービスとなるのでは!?と想像が膨んだのでした。

    あなたはこの「権力の移行」、そして75の変化から、
    いくつの新ビジネス・新サービスを見つけることができますか?

  • 【MM198 mylibrary マイライブラリ・アウォード!2007 2008/1/30】


    【第2位】『これから何が起こるのか~我々の働き方を変える「75の変化」』(田坂広志著、PHP研究所、2006年)
         http://tinyurl.com/39nzj8

     (コメント)一昨年から「Web2.0」なんていう言葉が使われており、それなりに市民権を得ております(もう古いかな)。昨年紹介した『ウェブ進化論』が技術論であったとすれば、この作品では、ネット革命の結果、生活や文化、経済にどうのような変化をもたらすか、物語調に流れるように示唆しています。本当にこんな世の中になるのか、期待と不安が入り混じります。


    参考:『ウェブ進化論』http://tinyurl.com/yf9ufe →マイライブラリ・アウォード!2006【第6位】

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著者プロフィール

多摩大学大学院教授

「2018年 『深く考える力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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