仕事の思想 なぜ我々は働くのか (PHP文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569660158

作品紹介・あらすじ

なぜ我々は働くのか。この素朴な問いに対して、正面から答えることは難しい。なぜなら、働くことの意味は人によって異なるからである。それゆえ、私たちは、この問いに対する「自分にとっての答え」を見つけなければならない。本書は、思想、成長、目標、顧客、共感、格闘、地位、友人、仲間、未来という10のキーワードを通じ、「自分」という作品を残すための生き方を、深く問いかける本である。

感想・レビュー・書評

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  • なぜ我々は働くのか、仕事というものに向き合うための「仕事の思想」書です。
    これをよめば、ビジネスマンにとって「仕事」とはどういうものかが理解できる。

    <なぜ我々は働くのか>
    ・働くのは、それは、生活を糧を得るためだけでも、生き残るためだけでもなく、素晴らしい「何か」のために働く

    <仕事の報酬とは何か>
    ・仕事というものは、こころを込めてやれば、何でもおもしろい
    ・仕事の報酬とは能力、仕事の報酬とは仕事、やりたい仕事、やりがいのある仕事こそが仕事の報酬である、そして仕事の報酬とは成長である

    <どうしたら仕事を通じて成長ができるのか>
    ・夢を語り、目標をもつこと、それに向かって精一杯に力を尽くすこと、「抽象的な夢」から「具体的な目標」をもつこと、そして自分が達成できるかどうかわからない難しい課題にあえて挑戦し、退路を断って、悪戦苦闘すること

    <成長のためのもう1つの方法:自分を映し出す鏡を見ること>
    ・ビジネスマンの鑑とは「顧客」、厳しい言葉を云ってくれる顧客こそが優しい顧客、逆に厳しい顧客とは、黙って去る顧客。
    ・細やかな気配りや繊細な感受性、鋭い直観力や深い洞察力をもって、「顧客の無言のメッセージ」を全身全霊で観察するという修練を行わなければならない

    <どうすれば顧客と共感が得られるのか>
    ・自分は本当に、顧客にベストをつくしたのだろうか?
    ・顧客を操作する、動かしてやろうとするのではない。顧客の立場にたって、無条件に顧客に深く共感すること

    <人間として成長するにはどうすればいいのか>
    ・日常の生活や仕事の場にこそ、最高の学びがあり、最高の修練がある、人間を深く観察する
    ・人と人と真摯に向き合うこと、エゴとエゴとのぶつかり合い、切磋琢磨をする。人間との格闘こそが、人間力を磨くための唯一の方法である。

    <部下をどう育成するか>
    ・ノブリス・オブリージュ。義務や責任を負うことを自分自身の喜びとする。自分自身が成長すること、成長し続けること
    ・他人の人生に責任を持つものが、最も成長できる。

    <友人とどう接するか>
    ・顔合わせることもなく、言葉を交わすこともない「友人」が、私たちを支えてくれる
    ・一人ひとり、登っていく道は違っても、めざす頂きはひとつ。いつかその頂上で友人と再会する

    <不本意な異動の辞令を受けたら>
    ・われわれは、タンポポだ。どこかに飛ばされたら、そこでまた、大きな花を咲かせればよい
    ・若手の夢というが忘れないでもらいたい。ロートルにも夢があるんだ。若手だけが夢をもっているわけはない。

    <夢がやぶれたらどうするか>
    ・たとえ自分が、その夢を実現できなくとも、いつか誰かが、その夢を実現する。
    ・大事なことは、夢がかなえられなったということではない。我々が恐れるべきは、「その夢を実現するために力を尽くしたかどうか」だ。

    目次

    はじめに なぜ我々は働くのか
    第1話 思想 現実に流されないための錨
    第2話 成長 決して失われることのない報酬
    第3話 目標 成長していくための最高の方法
    第4話 顧客 こころの姿勢を映し出す鏡
    第5話 共感 相手の真実を感じとる力量
    第6話 格闘 人間力を磨くための唯一の道
    第7話 地位 部下の人生に責任を持つ覚悟
    第8話 友人 頂上での再会を約束した人々
    第9話 仲間 仕事が残すもうひとつの作品
    第10話 未来 後生を待ちて今日の務めを果たすとき
    謝辞

    ISBN:9784569660158
    出版社:PHP研究所
    判型:文庫
    ページ数:272ページ
    定価:533円(本体)
    発行年月日:2013年04月15日第16刷

  • ・仕事の報酬は「人間としての成長」であるという世界を見失わない事が大事
    ・仕事の報酬にはいくつもの世界がある。
    ステップとしては①給与・地位②能力③仕事そのもの、があるが、④人間としての成長だけは決して失われない報酬である。
    ・成長とは「こころの世界が見えるようになる」こと
    ・夢や目標を語ることを恐れない
    ・顧客に対して無意識の操作主義ではなく、相手に共感すること
    ・人間力を身につけるには、相手の心と正対すること
    ・夢を実現させる事よりも、力を尽くしたかが重要

  • 仕事の報酬は仕事。
    私が新卒のときに、大好きな役員がこの本を元に、私たちに仕事の報酬は何だと思う?と聞いたのが懐かしい。
    その次からくる仕事を、できる人にだけ寄る仕事を辛いものとしか考えられなくて辞めてしまったけど、この言葉は正しいと今でも感じてる。

  • 働いている人にもこれから働く人にも読んでほしい一冊
    働くとは何かを根本的に理解できる
    働くことの意味を思い出させてくれる
    そんな大切な一冊

  • 田坂先生の本は読み尽くした感あり。この作品は古かったのかな?

  • 過去読んだ本の中で断トツに良い。周りの人全員に読んでほしいと感じた一冊。自分が仕事に何を求めていくのか考える上で非常に参考になる。

  • この本の主張は、「仕事の最大の報酬は成長である」という命題。こう思えばなんだってできる。心がけが大切であるということを、ここまでダイレクトに主張している本は珍しいと思う。読んでいて涙が出るくらい感動的な逸話も多々あり、心のビタミン剤としても秀逸。仕事のマンネリズムにより、動作が鈍くなってしまった人、これからどうすればよいのだろうと迷っている人、くそみたいな仕事に嫌気が差している人にお勧め。<a href="http://www.bookmapper.net/archives/2007/03/post_3.html">ここも</a>参照したほうが良いでしょう。

  • 2017.3.23
    就活での面接で、お勧めしていただいた一冊。まぁ、面白かったとは思う。
    本著では仕事の報酬は成長である、という命題の元、基本的に進められている。しかしこの報酬とは結果であり、仕事の目的ではないということを、肝に命じておかなければならないのではないだろうか。
    私は仕事とは結局、誰かの幸福のためにすることであると考える。自分のためにする仕事、例えばお金のため、例えば昇進のための仕事というのは、突き詰めてしまえば、いかに楽してそれらを得るかということになってしまう。どれだけサボってお金を得るか、どれだけズルして地位を得るか、ということになる。うまく説明はできないが、これが良いこととは、私には思えない。故に、仕事の目的は、自分ではない。
    仕事の目的は相手である。報酬や地位は、そのための結果に過ぎない。よって成長もまた、この目的の結果であって、求めるべきものではない気もする。しかし成長は同時に、この目的、つまり誰かを幸福にする、という目的を達成するための、方法でもある。
    仕事とは誰かのため、ということはどれだけその相手のことを考えることができるか、これが肝要になってくる。相手のことを本当に考えるとはどういうことだろうか。一つにそれは、相手の人生を慮るということではないだろうか。人は何かサービスや商品を買う時、そのモノそのものを買うのではなく、そのサービスや商品と共にある未来を買うのであり、その未来に価値を感じるのである。同じように私も、誰かを大切にする、考えるというときは、その人の未来を考えなければならないと思うし、その上で伝えるべきだと思う。どうすれば未来、人生、相手は幸せになるのだろうか。これを考えること。
    もう一つは、相手の心を深く見つめるということである。相手のことを思いやることができなかったり、嫌いだったりする時というのは、だいたい相手の心を理解できていない、深く見つめていない時ではないだろうか。それに相手の気持ちが読めない人間は、たとえ相手の未来を思いやるといっても、押し付けになる場合が多い。相手の今の気持ちを踏まえ、その上で、相手の未来を考えるべきである。しかしこの、相手のためという動機は、あらゆる仕事の苦しみの中でも、それでもなおやりたいと思えるだけの動機になるのだろうか。仕事は楽しいことばかりではないだろう。そんな時、それでもこれをやる、という意味が、私は欲しい。それは相手のため、ということでもあれば、成長、ということでもあれば、夢のため、ということもあるのかもしれない。仕事に限らず、それが辛くなったとき、なぜ生きるのか、なぜ勉強するのか、なぜ仕事をするのか、この問いが、意味への問いが頭をもたげるだろう。意味なき苦しみに人は耐えられないからである。なのでこの問いには、ちゃんと応えられるようになりたい。「苦しく、辛く、痛く、それでもなおそれをするのはなぜか」。
    本著の内容で引っかかったのが、夢である。どうも、夢を語ることに対する、忌避感情がある。人が夢を語るのは別にいい。けど自分が夢を語り、それを見ている自分が、しらけるというか、ダサいというか、そう思っているような、そんな気がする。なぜ夢を語ることに対してこのように感じるのだろうか。夢をもて、という現代の自己啓発ブームに対する反発だろうか。それとも私が長年、夢を持つことができていないことに対する負い目だろうか。ここも、はっきりさせたいなと思う。
    学びは多かった。しかし違和感も十分にあった。この学びも、違和感も、大切にして、しっかり自分の「仕事の思想」を、作りたいと思う。

  • 上司推薦、20代で読むべき本。実際、読んでみて、各年代で読むことで価値観の変わる本。

    なぜ私たちは働くのか?
    ①思想:現実に流されないための錨(食べるためではない、ワクワクするため)
    ②成長:決して失われることのない報酬(給料→能力→仕事。究極的に成長のため)
    ③目標:成長していくための最高の方法(夢を本気で語り、目標を本気で定める。)
    ④顧客:こころの姿勢を映し出す鏡
    ⑤共感:相手の真実を感じ取る力量(まず顧客に共感することで、共感される)
    ⑥格闘:人間力を磨くための唯一の道
    ⑦地位:部下の人生に責任をもつ覚悟
    ⑧友人:頂上での再会を約束した人々
    ⑨仲間:仕事が残すもう一つの作品
    ⑩未来:後生を持ちて今日の務めを果たすとき(私がやらねば誰がやる?私がやれずとも誰かが引き継いでくれる)

    キーワード:私は何のために働くのだろうか?

  • 仕事は「修練」だと言われているようで、ちょっと辛い。

    いろんな事例をあげながら一つ一つ教えてくれているのでわかりやすい。

    ただ、本質がいい加減な場合、田坂さんのいう修練に気持ちを持って行くのはハードル高いなぁ。

    読みこなせていないだけかもしれませんが。

    課題図書、重し。

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著者プロフィール

シンクタンク・ソフィアバンク代表

「2023年 『能力を磨く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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