ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 (PHP文庫 ふ 22-1)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569661872

感想・レビュー・書評

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  • 情報収集や書き物を効率よく進めるためのアイデアがたくさん入ってます!

  • 文芸批評家、評論家による読み方と書き方の本。
    タイトルや序からてっきり短時間で大量に読んだり書いたりできるようになる方法が紹介されるのかと思ったが、そうではなかった。
    一応、効率的に読んだり書いたりするためのテクニックは書かれている。
    主にノンフィクションを対象にしているようで、取材の仕方や現場へ赴くことの大切さなども解説されている。
    語りかけるような文体で改行が多いため、読むのは楽。

  • (取材はなぜ必要か.)
    溢れかえる情報を、ただ整理するだけでなく、自分なりによみ、消化し、それを表現するためには取材というプロセスが必要だ、ということです。

    -「文章上達の「近道」とは
    まずは(コピーを)徹底的に分解をすることです。(略)書き写しおわってから、分解をはじめます。
    基本的な論理の構造が「前提」→「問題提起」→「問題の条件の検討」→「問題の展開」→「一応の答え」といった風になっていると考えると.エセーはそうなっていない。
    (略)まず、そういう全体の進行をみていきます
    その上で、段落の中での進行をみていきます。(略)大事なのは、この全体の進行と、段落の中の進行の関係をよくみることです.

    (具体的な事物)の提示の仕方にはいくつかの方法があります。数えあげていけば.「描写」,「情報」,「エピソード」といったものでしょうか。
    描写というのは、人間でいえば顔かたち、服装、あるいは振る舞い方などを記していくことです。
    情報は、固有名詞や年代といった客観的な情報を示すこと。
    エピソードは、語者とかかわる逸話の類とか、あるいは係累といった背景を描く。

    ・途中で書けなくなってしまった時
    これをのりきるには、いくつかのやり方があります。
    一つは.とにかく書く前に.しっかりと見通しを立てておくこ
    と。自分が?をかくのかという目的と.使う資料やメモ
    の準備、そして書くべき文章の形式などについて、で
    まるだけつめておく、

    「スランプの管理の仕方」
    そうした停滞期、下降期をしのいで全体として浮かぶ
    ためには.どうすればいいか。
    そのために必要なのが「フォーム」だというのです。
    (略)どんなにツイても、あるいはスランプが厳しくても.
    そのフォーム崩さない、そのフォームを守りきる。
    フォームを維持することで、勝ち目をしっかりを拾い.
    停滞期にも?崩れすることなく、賭博師
    として生活していくことができるのです.

    福田和也先生いわく、
    (書くのにあたって大事なことは)「自分」の能力と欲求をしっておくということです。
    能力というのは、消化と表現ですね。
    消化とは、情報や資料の消化能力です。
    いくらたくさんの資料を集めても、自己の読んだり、整理したりする能力を超えていれば、何にもなりません。
    よみこなしたとしても、過大な量に対応していれば、考えたり、書いたりする力が減殺されます。」
    だそうです。

  • "題名で購入。参考になったところは、、、
    ・効率的に読む方法・・目的意識をはっきりさせる。
       役にたつ本を読む。
    ・翻訳ものは、原書読んでみる
    ・新聞の論評、日本のは・・・ヘラルドトリビューンが充実している。
    ・役に立つ旅行ガイドブック
     土地にちなむ文学作品や、歴史書、美術などもふれているもの。1押しは、ガリマール社のガイドブック(フランス)"

  • 書き方の実践でコラムについて挙げられていることが、参考になった。大学のゼミでも、800字程度の映画、音楽、美術などを対象にした批評コラムを書かせているとのこと。文章力アップや、書き手としてのベースを確立することを目的に、チャレンジさせるという。コラムの要素と上手になる方法なども知ることができる。これから何か物を書いてみたいと思っているビギナーに、役立つ情報と思う。

  • インプットとアウトプットの方法についてのHow to.
    ちょっと古い本なので,デジタル活用については,もしかしたら今は違うのかもしれないけれど,基本としてはとても参考になる本.
    本を買った際に,自分は今まで印もせずに呼んでいた.しかしながら,この本や他のインプットに関する本を読んだり,先を行っている人の読書術を知れば知るほど,本に何もしないのはもったいないなぁと思うようになった.そこで,この本に書かれている通りにひとまずやりはじめている.
    常に持ち歩くノートの消費率は高くなったけれど,書き写すという行為によって頭の中の定着率は上がっている感がある.
    頭の中に定着させる方法もそれこそ人それぞれだと思うけれど,小学生の頃から教科書をノートに書き写すという事をした方が自分の場合頭に入ったなぁという事を思い出した.
    まだまだ,読書のスピードは上がらないけれど,ひとまず実践し始めて良い感じなので続けていこうと思っている.

  • 新書文庫

  • 目からウロコ!的インパクトがある訳でなく、そんな感じなんだろうな、っていう想定内。だからといって誰でもできる内容だと言っている訳じゃなく、これだけのことができる才能があってこそ、とは思います。個人的に読む方法に重きを置いた内容を望んでたけど、どちらかというと物書きの方法が中心ですね。そういう意味でも物足りなく感じたのかも。

  • 読みにくい本への対処法でちょっとクスッとなった。スタンダールについてなど、彼の超人的ライフスタイル以外にも学ぶべきとこが複数あって面白かった。

  • 評論家の福田和也が、みずからの読書法・執筆法について語った本です。

    読書の際にも、文章を書く際にも、つねに「目的」を明確にすることが必要だということが強調され、そのための具体的なテクニックについての触れられています。と同時に、そうしたテクニックの先に、コピーできない一流の仕事があることにも言及されています。

    とくに目新しい内容ではありませんでしたが、質・量ともにレヴェルの高い執筆活動をおこなっている著者だけに、読ませる力があるように感じました。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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