武術の創造力: 技と術理から道具まで (PHP文庫 こ 37-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569662398

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  • 読書録「武術の創造力」5

    著者 甲野善紀、多田容子
    出版 PHP文庫

    p135より引用
    “「日本酒も水が大切だと言いますけれど、
    とにかく純度の高いものが良いかと言うとそ
    んな事はありませんよね。蒸留水などでは全
    くダメです。これと同じで現代人はよく不純
    物などという言い方で純度にこだわりますが、
    不純物がマイナスイメージで使われることに
    問題があって、まだまだ現代科学のレベルに
    よる計測では理解の範疇を超える不思議な働
    きがあるようです」”

    目次より抜粋引用
    “「ないない尽くし」の不思議な師弟関係
     無理だと決めてしまえば、できることもで
    きなくなる
     刀は産地により特色がある
     知識の幅は広いがそれが扱いきれない現代

     時代劇のチャンバラシーンについて”

     武術家で作家である二人による、武術やそ
    れにまつわる道具や人物について語り合った
    対談集。同社刊行作文庫版。
     武術と野球の投球フォームについてから刀
    についての細かな深い知識についてまで、な
    んだか楽しそうに語り合われています。

     上記の引用は、安来の和鋼博物館副館長・
    三宅博士氏の言葉を語る甲野氏。
    砂鉄から刀が出来るまでについての項。よく
    わからないけれど、長い歴史に磨かれて残り
    続けた物事には、何か大切なことが隠れてい
    るのかも知れません。失伝してしまわないよ
    うに、次の世代に渡せるように、大切にした
    いものです。
     生きるためには自分の体と付き合わざるを
    得ないので、体を使うということで何がしか
    得られるものがあるであろう一冊。時代劇や
    小説での武術の描写についても語られている
    ので、これから鑑賞される機会がある方は、
    一緒に読まれるとより面白いのではないでしょ
    うか。

    ーーーーー

  •  武術に限らず、秘するが花、不立文字の教えが多いのは国民性なのか。結果、失伝した術理は少なからず。
     秘伝書の不親切で曖昧な表現から、体感を通じて往昔の術理を復元する甲野先生の姿勢は素晴らしい。
     聞き手に人を得た対談なので、楽しく読めた。とはいえ、日本刀の製造過程に関する語りの長さに「まだあるのか!?」と恐れおののいてしまった。
     新選組ファンにはバイブルの如き「燃えよ剣」「新選組血風録」の誤りを指摘されたのは痛かった。甲野先生、眼光紙背!

  • 甲野氏の体捌きや侍関連の本は面白いんですけれども、この本はそういう内容じゃないです。
    「刀」に関する資料本としては貴重な内容だと思います。

  • 対談形式になっているおかげで内容のわりに読みやすかったと思う。
    特に日本刀に関する話が豊富で、他にも実際の武術の動きのリアルさを追求しすぎると、小説や時代劇などのメディアではあまり迫力が出ず滑稽になってしまう、という話など、私的にはとても面白く、興味をもった。
    私はテレビでやっていたりすると、つい水戸黄門を見てしまうのだが、ずいぶん見方が変わりそうだと思った。

  • 現代の達人、甲野氏。中心は日本刀についての対談。

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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