日本を創った12人 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569665603

作品紹介・あらすじ

「日本の独自性」とはいったい何か。それは、いつ、誰によって、いかにして創り上げられたものなのか。本書では、聖徳太子から近現代まで、いまなお今日の日本に強い影響力を残している、歴史上の象徴的な「人物」12人をとおして、長い日本の歴史を見直し、大変革期を迎えている現在の日本の舵取りのヒントを求めた歴史評論である。新書版の前編・後編を合本した「堺屋日本史」、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと暇だなと言う時につい手にとって何度も読んでる本。

    日本人の特徴的な国民性を創った12人の紹介で、例えば神仏習合のような世界でもレアな宗教観は聖徳太子が作ったもので日本人が各国の文化のいいとこ取りをうまくしながら発展してきた柔軟性の基盤になっている…とか、維新後に大久保利通がドイツから取り入れた官僚制が現在の官僚至上主義を作ったとか。

    日本人のルーツはそんなところから!という発見が面白い

    1人数十ページなのでパラパラと読んで楽しめます。

  • 本書では日本の歴史上の人物に焦点を当てている。
    当初は、歴史上有名な人物を簡潔に紹介していく内容の本だと思って購入したのだが、そうではない。

    本のタイトルどおり、日本を「創った」12人、ということで、今の日本に根付いている社会や組織のあり方、日本人の価値観、宗教観のもとになる考えを創出したり大きな影響を与えたのが以下に挙げる12人なのだと筆者は論じる。その12人とは
    聖徳太子、光源氏、源頼朝、織田信長、徳川家康、石田三成、石田梅岩、大久保利通、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人そして松下幸之助である。

    例えば、勤勉を説いた石田梅岩の考えは、鎖国化で拡大経済をなしえなかった日本において、余剰の労働力を細かい心遣い、例えば家具の微細に至るまで装飾を施す方向に向かわせた結果、今の日本人は品質にやたらと煩くなってしまったのだとか。

    石田三成はそれほど有力な武将でもなかったのに、関ヶ原の合戦をお膳立てしたのは、下からでも有力者に働きかけることで大きなイベントも起こすことができたからであり、筆者曰くそのような例は歴史上石田三成が最初だという。若き通産官僚であった筆者はこれに勇気づけられ日本の万博開催を発案、成功させたそうだ。
    全体的には、光源氏も含め、ほぼ日本の政治、経済の観点からとらえた視点で述べられており、そこはやはり元官僚の目線である。

    なるほど、こういう見方で日本史をとらえてみるのも面白い、というのが読み終わっての感想である。

  • 娘のお薦め(高校の教材)で読んだ本。大変面白かった。現代日本人の国民性を形成する切っ掛けとして日本史上のレジェンド12名を紹介。
    例えば聖徳太子の「神・仏・儒の習合」思想のおかげでその後日本が海外から様々な学問・文化をスムーズに吸収できた、等々。
    こんな見方もあるのかと、著者(堺屋太一氏)の慧眼に感服。

  • たしかにこの12人を知れば知るほど、日本を創ったという言葉が大げさでないことがよく分かる。たとえば、神道と仏道が両立できているのはまさしく聖徳太子のおかげ。他の11人も納得いく。個人的にはここに田中角栄も入れてほしかった。

  • 自分が常識、良識と考えているコトも元をたどれば、誰かが当時の状況に応じて人為的に作り出したモノと考えると、状況が変われば組替えても良いだろうから少し気が楽になる。
    書かれた頃から20年近く経って本の中で描かれる日本人像もズレてるような気がするけど、13人目が現れたのか、外部環境が変わっただけで日本人の中身は変わってないのか、どっちなのかは分からない。

  • 図書館にて借用。石田梅岩の事が知れてよかった。

  • 聖徳太子、光源氏、石田梅岩は面白かった。秀吉(創業者社長)、家康(大株主の副社長)、利家(専務取締役)、毛利・上杉(吸収合併された会社の元オーナーで常務)、三成(社長室長兼企画部長)など、現代の会社組織に喩えて説明するあたり、さすが元通産官僚、といった感じ。PHP出版から出しているからなのか、松下幸之助はちょっとほめすぎじゃないかなあ。ところどころ強引なこじつけっぽく感じるところもあるが、総じて読み応えあり。著者の小説、少し読んでみようかな。

  • 日本の独特の風土・社会を根付かせてきた12人の人物について、各々、現代の自分たちにとってどのような影響を及ぼしているのか?堺屋太一の視点で鋭く興味深く書かれている。単一民族で最近ではクールジャパンなどともてはやされている日本であるが、少し前までは「自分の国に自信を持てない日本人」という風潮もあったように記憶している。堺屋の指摘は、これら12人の及ぼした営業を業績として紹介し評価するだけでなく、現在の日本人が乗り越えて行かなければならない社会変動の中に置かれていることにも言及されている。
    特に印象に残ったのは、聖徳太子と渋沢栄一、マッカーサーかな?

    堺屋太一の視点はどうしてこのような見方ができるのだろうと、毎回思い知らされる。良著。何度も読み返したい一冊

  • 名著
    素晴らしいとしか言いようがない。
    歴史上の12人の影響が、今日まで強く残っていることがよくわかった。
    その12人が生きた時代と現在とか糸で結ばれ橋が渡されたような感覚。
    学校の歴史を学んできた意味はこのためだったのかと今さら感動ぴかぴか(新しい)
    現在を考える上で最低限知っておかなければならない人たちである。
    筆者の意図も最後に明確に書かれており、構成も抜群!
    恐らく、全ての人にオススメできる。
    私も1年に1度は読み直したいと思う。
    ここから、いまの日本について考えていきたいと思う。
    何度も言うが最高の本である。

  • 自宅ソファーで読了
    石田三成、徳川家康の章。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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